【サバイバルレシピ編 第1話】アメリカで学んだ肉の逆転現象と、最強の節約肉「Dark Meat」でつくる本格テリヤキチキン
私が10代で留学した20数年前、アメリカのとあるスーパーへ初めて買い出しに行った際、精肉コーナーで真っ先に驚かされたのが「日米の肉の価格構造の違い」でした。
日本では「節約といえば鶏胸肉やささみ」というイメージがありますが、ヘルス志向の強いアメリカではパサつきやすく脂質の少ない「White Meat(胸肉・ささみ)」が健康的な高級肉として扱われています。特に胸肉はセール品の豚肉や牛挽肉よりも高いことすらザラで、貧乏留学生の私にとっては高嶺の花。ほとんど買った記憶がありません。
そんな中、私の自炊の強い味方の食材の一つとなったのが「Dark Meat」――いわゆる鶏もも肉や脚の部位(Thigh、Drumstick、Leg Quarter)でした。
アメリカ人には「骨や皮があって食べにくい」「脂っぽい」と不人気だったため、大きなパックに入ったDark Meatは驚くほど安値で投げ売りされていました。旨味たっぷりの鶏もも肉が一番安く手に入るのですから、日本人にとってはこれ以上ない幸運です。

最初に作った思い出の「テリヤキチキン」と骨の活用法
Leg Quarterを捌いたこともありましたが、私が基本としてよく買っていたのは骨付き皮付きのThigh(太もも肉)でした。このThighを使って、渡米後に最初に挑戦したのが「テリヤキチキン」です。
「アメリカで和食のタレなんて作れるのか?」と思われるかもしれませんが、現地スーパーで買えるキッコーマンの醤油、グラニュー糖、そしてほんの少しの料理酒(最悪無くても成立します)があれば簡単に再現できます。
【調理手順】
フライパンで皮付きのThighを皮目からじっくり焼く。
脂が出てきたらひっくり返して身側を焼き、しっかりと焼き目をつける。
焼き目がついたら、グラニュー糖、醤油、料理酒を少々入れて蒸し焼きにする。
鶏皮から溶け出すゼラチン質がタレと混ざり合い、自然なとろみがついたら完成!
みりんや片栗粉がなくても、鶏皮のゼラチン質のおかげで照りととろみがしっかりついた絶品テリヤキチキンが出来上がります。(※アメリカでは「皮無し」のパックも多く売られていますが、皮無しだとこのとろみがつきません。皮が苦手な方は、皮付きで調理してタレにとろみをつけてから、食べる直前に皮を剥がすのがおすすめです!)
さらに、外した骨は絶対に捨てません。ラップに包んで冷凍庫にストックしておき、ある程度集まったら一気に煮出してスープ(醤油ラーメン、フォー、コーンクリームシチューなどのベース)を抽出していました。
身の方はテリヤキチキン以外にも、唐揚げ、寄せ鍋、親子丼、炒め物へと幅広く展開。「高い胸肉を我慢する」のではなく、「安くて旨い骨付きThighを骨の髄まで使い倒す」。これこそが、アメリカ自炊サバイバルの第一歩でした。
今でも鶏もも肉が安く手に入った日にはたまに作る、思い出深くも実用的な一生モノのレシピです。
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