
転校生のはなし|最初に話しかけてきた子のこと
子どものころ、親が転勤族だったので 小学校のときに数回転校した。
文化や方言の違いに慣れるのが大変だった。
でも、毎回だれかひとりは優しい子がいて、いろいろ教えてくれた。
その子たちの助けで、なんとか新しい環境に慣れることができた。
とてもありがたかったし、よく一緒に遊んだ。
時が過ぎ、今度はわたしが転校生を迎える側になった。
新しい場所で不安な気持ちはよく分かっていたので、自分から話しかけに行った。
仲良くなった。
趣味が同じだったときには、「特別な友達」になれた気がして、素直に嬉しかった。
でも、たいてい仲が良いのは最初の数ヶ月だけだった。
だんだん彼女たちはわたしの助けがいらなくなり、
ある時はそのままクラスの中心グループに入り、わたしと遊ばなくなった。
そして、ある日を堺に、
「名前+ちゃん」で呼んでいたわたしのことを、
「苗字+さん」で呼ぶようになった。
どうして呼び方を変えたんだろう。
ある日、わたしが相手を楽しませようと思って歌っていた、
お決まりのフレーズに対して、こう言われた。
「これ、わたしが言ったわけじゃないんだけどね、
それ、◯◯ちゃんが嫌いっていってたからもうやめたほうがいいよ。
さむいって言ってた。」
本人はわたしに何も言ってないけれど、
クラスの中心の女子がそう言っていたことを、
わざわざ教えに来てくれたらしい。
「そうなんだ。え、へんかなー、えへへ」
そう言って笑ったけれど、
内心は、思っていたよりもずっとショックだった。
特に進んで知りたくなかったことを、
本人からではなく、他人の口から聞かされたことが、
なんとも言えず、もやもやして、かなしかった。
それだけ言うと、その子はまた、
中心グループの輪に戻っていった。
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