
あだ名のはなし|「ぱんだ」と呼ばれていた
わたしは、
「ぱんだ」と呼ばれていた。
名付けた子に理由を聞いたら、
雑巾がけをしている姿がパンダに似ていたかららしい。
悪意はない。
覚えやすいし、
可愛いから、
自分でもわりと気に入っていた。
ただ、
その理由まで話すと、
なぜか必ず大人から同情された。
当時の私は、
クラスの中で
「絵が上手い人」枠にいた。
そのおかげか、
立ち位置はなんとなく安定していた気がする。
でも年齢を重ねて、
大人と比較されるようになると、
そこまで上手くない、
と友達にも認識されはじめて、
少しずつ地位が下がっていった気がする。
「殿下」と呼ばれていた子は、
いつも堂々としていた。
「家来くん」と呼ばれていた子は、
殿下ほどマイペースではいられず、
自然とツッコミ役になっていた。
「先輩」と呼ばれていた子は、
なぜか態度が大きくなって、
アドバイスをしょっちゅうしてきた。
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