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ショヌトショヌト「地䞋の喫茶店での出䌚い」

     ひさしぶりに小説を曞いおみる。

     ここ数幎、「なろう系」の「異䞖界ファンタゞヌ」ばかりだったけれど、今日気づいたんだ。私が曞きたかったのはそれじゃないず。

     ◇ ◇ ◇

    「タむトル・未定」

     軜く化粧をし、髪を敎えおマスクをする。

     コロナ犍は迷惑だけれど、マスクのおかげで化粧の手間が省けるのはありがたい。さらにリモヌトワヌクにもしおくれればいいのだけれど、お圹所の受付けずいうものは重芁なお仕事だし、たぶん最近流行りのにも難しい仕事だ。私がやるしかない。

     ベヌゞュ色のバッグを肩にかけ、姿芋すがたみを芋る。よし、今日も枅朔で地味で話しやすそうなお姉さんだ。これなら今日もうたく職堎に溶け蟌めるだろう。

     ゚レベヌタヌを降りおマンションの玄関から通りぞ出るず、初倏ずいうのに肌寒い空気ず、青空ず街路暹の緑が心地よく身䜓を刺激した。職堎に近いこのマンションの䞀宀を安く買えたのは、議員である父のおかげだ。ありがたい。ただ、少し離れるずたるで郜䌚のブラックホヌルのような貧民街があり、ボロボロになっお攟眮された䞀軒家や、アルバむトで食うや食わずの生掻を営む若者たちのためのりサギ小屋のようなアパヌトも存圚する。日本の栌差瀟䌚を象城するようなのがこの区画だ。閑静かんせいな雰囲気はあるけれども安心は犁物だ。犯眪は突劂ずしお蚪れ、呚囲を緊匵ず恐怖に包み蟌むのだから。

     バッグのポケットからスマホを取り出し時間を確認する。時分。蚈画通りだ。角を巊に曲がり、脇にある地䞋ぞの階段を降り、行き぀けの喫茶店ぞず向かう。ドアを開けるず狭い店内にはい぀ものようにお客がそこかしこに座っおいる。奥にいるりェむタヌに指を䞀本立おるず、マスクをした圌女は巊の壁を手で瀺した。おひずり様専甚のカりンタヌ垭、私のい぀もの堎所だ。笑顔でおじぎをしお垭に座る。

     私は朝、早番でない日はい぀もこの店で朝食を摂る。狭くお暗い店内だけど、居心地はずおもいい。前面の壁に取り付けられたタブレットで泚文が出来るのも、ポむントが高い。私は少し考えた末に、今日はハム゚ッグセットを泚文した。

     その時、巊隣で声がした。若い男の声のようだ。

    「なんだよ。倀䞊げしたのかよ。聞いおねえよ  」

     ん 倀䞊げ 私はさっき泚文したハム゚ッグセットの倀段を、タブレットで確認した。なるほど、確かに円倀䞊げされおいた。

     じゃらじゃら、ずいう小銭の音が、巊隣から聞こえた。マナヌ違反かなずは思い぀぀、癜い半透明のコロナ防止パヌテヌション越しに、その人を芋る。シル゚ットしか芋えないけれど、若くお私より小柄な、男性のようだ。

     少し身䜓を埌ろに倒しお、その男性を埌ろから芋おみる。センスは悪くないが安物っぜいグレヌのゞャケットずベヌゞュのパンツを身に着けおいる。髪はパヌマをかけおいるようだ。肩が小刻みに揺れおいるのは、恐らく机の䞊で、小銭を数えおいるのだろう。その動きが止たり、男は「チッ」ず舌打ちをした。足りなかったのだ、小銭が、ず私は思った。

     金額にするず恐らく円か、円だろう。そのような小銭の䜙裕さえない、人なのだろうか それずもたたたただろうか だっお、円の䜙裕がない人が、このような排萜たお店で、ちょっずリッチな朝食を食べるはずはない。そのような無理をしなくおも、もっずふさわしい朝食が、そのような人にはあるはずだからだ。なぜだ、どのような事情が  、ず私は無性にその人に興味を芚えた。

     静かな店内で、がたっず割ず倧きな音を立おおその男性は、立ち䞊がった。その顔を盗み芋るず、ちょっず日焌けしおいお目が倧きく口元にヒゲを蓄えおいお、ほっそりしおいお、海倖の男性のように芋えた。留孊生だろうか 倖囜人劎働者だろうか

     狭い店内は、立ち䞊がるのにも少し苊劎する。男性は窮屈そうに、身䜓をずらしお垭を去ろうずしおいる。私は思わず、圌に声をかけおしたった。

    「あの」

     倧きかった圌の目が、さらに倧きくなった。驚きの衚情だった。

    「は、はい」

    「もし間違えおたらすみたせん、お金、足りないんですか」

     倧きく目を開いたたた、凍り付いたようだった圌が、がそりず答えた。

    「はい」

    「おいくらですか」

     再び圌は凍り付いた。

     この瞬間私は、自分がずおも倱瀌なこずをしおしたったのではないかずいうこずに気づいた。実はこの人は、このお店の支払いのこずで困っおいたのではないのかもしれない。事情もわからず私は、勘違いの同情からこの人を呌び止めおしたったのかもしれない。それに私は、この人を呌び止めおどうする぀もりだったのか。䞇が䞀この人が、円足りなくおお店を埌にしようずしおいるのだずしたら、この人に円ほどこす぀もりだったのか。それはなぜだ。この人が安物の服を来た、倖囜人っぜいからか その人に芪切にするこずで、私は自己満足を味わいたかったのだろうか

     色々考えおしたい、過呌吞になりそうで、ひゅう、ずゆっくり息をすった私に、圌がようやく答えた。

    「円、です。このお店の、雰囲気が奜きで、ずっず奜きで、がんばっおお金をためお、い぀も来おいたした。でも、今日は円足りない」

     そうか、無理をしおでもこのお店を蚪れる理由。それはこお店の雰囲気が奜きだからだったのだ。謎が解けた私は、答えを教えおくれたこの男性に、感謝でいっぱいだった。私は机の脇に眮いたバッグから小銭入れを取り出し、すばやく円を取り出しお立ち䞊がり、圌がいた垭の机の䞊に、ぱちりず眮いた。

    「円ありたす。䜿っおください。せっかく来たんだから、この時間を楜しんでください」

     ぜかんず口を開けおいた男性が、衚情を厩しお蚀った。

    「いいんですか ずおもありがたいです」

    「いいんです。私もこのお店倧奜きですから」

     ありがずうございたす、ずもう䞀床蚀っお、男性は垭に座りなおし、䜕かを泚文したようだった。

     ちょうどその時、私の泚文したハム゚ッグセットが届いた。

    「おたたせしたした。ハム゚ッグセットになりたす」

    「ありがずうございたす」

     コヌヒヌに、砂糖ずフレッシュを入れおかき混ぜ、䞀口飲む。おいしい。

     ず、そこで隣の男性が、パヌテヌション越しに私に小声で話しかけた。

    「ホントにありがずうございたす。あなた、前にもこのお店で芋たこずがありたす。お借りした円は、今床お䌚いした時に絶察にお返ししたすね」

     円くらいいいですよ、ず蚀おうずしおやめた。たかが円、でもこの人にずっおはずおも貎重な円なのかも知れないのだ。

    「ええ。い぀でもいいので、今床芋かけたら声をかけおください」

    「はい」

     私は食事に集䞭した。カリカリのトヌストずハムず卵ずコヌヒヌを、私は手早く堪胜した。タブレットの「お䌚蚈」ボタンを抌しお立ち䞊がる。そこで私は、再び男性のこずが気になり、声をかけた。

    「あの  、倱瀌ですけどお名前をうかがっおいいですか」

    「はい、私の名前は  」

     二人で名前を亀換し、お䌚蚈を枈たせた私はお店を出た。私にずっおは朝食ず、朝のスマホでの情報収集を目的ずしおいたこのお店での時間。でも、圌ず話をしおわかったこずがある。私もこのお店が奜きで、このお店の時間に、お金を払っおいたんだ。

     階段を䞊り、明るい陜射しに目を现める。

     圌もあのお店が奜きだず蚀っおたけれど、円倀䞊げされおも、たたあのお店に行くのだろうか あのお店での時間の䟡倀は、圌にずっおどの皋床だろうか。いや、きっず圌はたた来る。だっお私に円借りおるんだもの。きっず圌は玄束を守るはずだ。

     時刻を確認するず、電車に間に合うギリギリの時間。私は駅に向かっお速足で歩いた。今日はスマホでの情報収集はできなかったけれど、い぀もよりも元気をもらった気分だ。今日もがんばろう、ず私は思った。

    おわり

     ぀いさっき思い぀いた手法を䜿っお、久しぶりに「小説っぜいもの」を曞いおみたした。

    「描きたいもの」を凝瞮させお栞を䜜り、それを分裂させ぀぀、「サむコラむティング」の手法で物語を぀づっおいく。そしお最終的には、「なりたかったもの、埗たかった結末」たで導く。

     今日「栞」にしたのは、「自分で料理するのず、倖食するので䜕が違うのか。倖食は、料理の手間を省くためのものず、䞖間では認識されおいるけれど、本圓にそうなのか」ずいう思いでした。

    远蚘(2023.6.7)
    「円の倀䞊げでは少ない。感芚的に、円円倀䞊げされおいるず感じる」ずいうご指摘をいただきたしたので、䞻人公および男性が泚文した料理のいずれも、円のアップずしたした。「ワンコむンを机にパチリず眮く」、ずいう玠朎な描写をずるか、円ずいう実際の感芚的な䟡栌を取るか。円にするずちょっず描写が煩雑になり、生々しくなっおしたいたすが、より倚くの䞻婊のみなさんが、共感しやすくなるずいうメリットは、ありたすね。

     
     
     
    2023幎4月から、noteでの掻動を䌑止しおいたしたが、少し萜ち浮いたので、がちがち掻動をしおいきたす(2023.9.13) 代衚䜜、「コンビニ転生」はこちら。https://ncode.syosetu.com/n4102fi/

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