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ヘヴィメタルジャンキーズ〜タイムスリップランデヴー〜第36話【宴のあと】

    ーーヤスが行ってしまう前の日ーー

    その飲み屋にはDMBのメンバーもいた。

    かなりの人数が集まっている。

    輪の中に沢田もいる。

    清六はファンなのか両脇の女性の肩を抱き高笑いをしている。

    俺達が通り過ぎようとすると清六は大声で叫んだ。

    「お、負け犬ドーベルマンのお通りだぞー」

    欽ちゃんは表情を変えず言う。

    「うるせーハゲ六!」

    「ハゲは俺じゃない!こいつだ!」

    清六はギターを指差す。

    ...何と薄情な奴だ。

    「それと...俺の事はニールと呼んで頂こうかキンシロウくん」

    「俺に桜吹雪はねえ!」(昭和の時代劇より)

    俺達は静かに飲むため少し離れた席に座った。

    適当に注文を済まし、俺達はしっぽりと乾杯をした。

    ヤスは口の中が切れていたのだろう。

    「イテッ、沁みる...でも、ありがとう」

    ビールの入ったコップを少し上げた。

    「何で明日なんだよっ!」

    俺は半ば本気で怒った。

    「...ごめん...俺さ...」

    その言葉はかき消される。

    「ヘヴィメタジャンキーなんて敵じゃないわー!ガハハ!」

    「あんな子供はこうやってこんなんにして捻り潰す!」

    大声の悪口が聞こえて来た。

    かなり酔っているようだ。

    欽ちゃんが店員を呼んだ。

    「あっちの席、仲間なんで会計まとめてください」

    「あいよ!喜んで!」

    欽ちゃんは自分達、DMBの席に追加で高いツマミを大量に注文した。

    「ふっ、酔っ払いやがって」

    欽ちゃんが不適に笑う。

    親父さんが遅れて入って来た。

    俺達に目配せをし、厨房に向かう。

    そして調理を始める。

    遠くで包丁の音が聞こえた。

    しばらくすると大量の料理がDMBの席に運ばれた。

    「あれーこんなに頼んだっけ?」

    「まーいっかー!美味しそうだから食べよ」

    「あ、本当だ、食っちまおうぜー、今日は俺の奢りだから残すなよー」

    「やったー、頂きまーす!」

    「..........」

    「..........」

    「..........」

    「...ん?」

    「...な、何だこれ」

    か、か、か、辛ーい、辛い辛いー!
    うわー水、水、水をくれー
    おえっ...
    トイレーー
    助けてくれー!

    親父さんは何事もなかったように店を去って行った。

    「剛鉄屋を敵に回すからだ」

    欽ちゃんが呟いた。

    この騒ぎに誰も気付かなかったが沢田が俺達の席に来ていた。

    桃香と見つめ合っていた。

    そして手を握り合う。

    「...好きだよ」

    「へんな顔...」

    「..........」

    「やっぱ無理」

    爆速で終了。

    俺は小声で言う。

    「雄太、落ち着け。身体は高校生でも、中身は58歳なんだ。デートだけならまだしもその先は...」

    「愛に歳の差は関係ない」

    更に小声で言う。

    「自分の娘よりも10歳近く年下だぞ!」

    「娘?...俺に娘がいたの?」

    え...?

    ヤバい雄太...記憶が...やっぱり...

    「あなたが誠一くん?」

    突然話しかけられる。

    いつの間にか隣の席に座っている色香漂う歳上の女性...少しケバい(昭和的表現)

    「あなた達おもしろいね」

    ふぅ...と、タバコの煙を俺の顔に吐いた。

    「あなた達のグルーピーになろうかな」(昭和的表現)

    俺はノックアウトされた。

    「ぜひ、お願いします!」

    「お前!人のこと言えねえ!」

    雄太が怒った。

    はっと我に帰り丁重にお断りした。

    「つまんないヤツ...」

    その女性はそう言ってDMBの席に戻って行った。

    欽ちゃんとヤスは人生について語り合っていた。

    その時、店のカメラマンなのだろうか、俺達をパシャパシャ撮り始めた。

    プライバシーも、コンプラもない時代...

    俺達は悪魔マークを作って「イェーイ!」とポーズを決めた。

    ポラロイドを持っていたのでそちらでも撮ってもらいヤスに渡した。

    みんな笑顔だ。

    「これ...本当にうれしいよ」

    ヤスは何度も見返していた。

    しばらくするとDMBが会計をしていた。

    清六の驚く声が聞こえる。

    「じゅ、じゅ、12万円!嘘だー」

    「いえ、嘘ではございません」

    俺達は小さく乾杯した。

    沢田は虚な目で先に帰って行った。

    ーーー

    2週間後、この居酒屋の前を通った。

    悪魔ポーズを作る楽しそうな俺達...

    「みんなでおいでよ!」のキャッチフレーズ...

    俺達は居酒屋のポスターになって貼られていた。


    退学や...





    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    良い子のみなさんは未成年でお酒飲んだらダメですよー

    こんなふうにバチが当たります。

     
     
    荒んだ人生を送っている自称ロックンローラーです。 小説を書いてはいますが、人生の意義を見つめ反省の日々を送っております。

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