モカのおかーさんになるよ
突然モカが家に来てからは
試行錯誤の毎日。
私もパートナーも
猫と暮らすのは初めてだったので
ごはんはこれでいいのかな。
危ないものは置いていないかな。
病院はどこがいいんだろう。
ネットや本を読みながら、
勉強していく感じだった。

そうやって毎日少しずつ成長していく
モカを見守ることが、
いつの間にか
私の一番の楽しみになっていた。
家に来た日のモカは、
不安そうな顔をしていたけれど
数日もすると、
枕元で一緒に寝てくれるようになった。

朝、目を覚ます。
すると頭のあたりに
ふわふわした感触と小さなぬくもりがある。
そのぬくもりを感じるたびに、
胸がじんわり温かくなった。

私は猫ってもっと
自由すぎる生き物だと思っていた。
呼んでも来ないし、言葉も通じない
そんなイメージだった。
でも違った。
こんなに近い距離で
一緒に暮らしていけるものなんだと驚いた。

そんなある日、
モカが前足を交互に動かして
ふみふみし始めた。
今だったら微笑ましく見守るところだけど、
当時の私は猫について何も知らなかったので
「何だろうこれは?」と調べてみた。
すると、
・甘えている時
・安心している時
・子猫の頃に母乳を飲んでいた記憶からする行動
だと書かれていた。
その説明を読んだ時、胸がぎゅっとなった。
モカはまだ小さな子猫だった。
お母さんや兄弟たちと離れ、
お店のケージの中で過ごしていた。

寂しくなかったわけがない。
心細くなかったわけがない。
「あぁ‥寂しかったよね」
「私がモカのおかーさんになるからね。
これからずーっと一緒だよ。」
そう思った。

可愛い、癒される、
そんな気持ち以外に
大切にするよ。
幸せにするからね。
そんな気持ちが心の中に生まれた。
私は、あの時モカの「飼い主」から
家族になったんだと思う。

忘れないよ
