「罪人の目」

夕方、家の外が騒がしくなった。気になって家から出ると、人だかりが出来ていた。素足でその中心に向かい、大人達の足元をかき分けた。大蛇がいた。大人の男達に取り押さえられていた。ここ最近、村では家畜や人が行方不明になる事が増えた。この辺りには大蛇もいるし、人や家畜を食べられるのも大蛇しかいない。
「一連の事件の犯人はこの害獣だ!」
 村長の息子が大蛇を指さして、声を荒げる。それに同調して、村人達が声を上げる。
「よくも俺の犬を!」
「私の娘を!」
 村人達が鬼の形相で大蛇に暴力を加えていた。石で殴る。足で蹴る。原始的だが集団となれば死に直結するものばかりだった。無数の暴行を受けた蛇はしばらくして動かなくなった。
 数日後、村長の息子が吊し上げられた。理由は人と家畜の殺害だった。夜間、秘密裏に村を守る為、巡回していた男が殺人を犯そうとした村長の息子を見つけたらしい。一連の事件の犯人は彼だったのだ。吊し上げられた彼の目は蛇のようだった。

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