メインコンテンツへスキップ
見出し画像

転生しない移動音楽団日記①〜1人と12匹のプロローグ〜

    夕月:ゆうづき:

    【Episode:0-呑気な団長の団員紹介】

    おや、おいでませ。
    私達は水色の街を主な拠点とする、色と花と旋律を探し旅するモノコーン12匹の移動音楽団!

    ん?モノコーンとは何かって?何をそんなに慌てて…あら?これは初めてだ。貴方も「あちらの世界」の方ですか。あちらではお会いした事、あるかもしれませんねぇ。ふふ、追々お話しましょうか。

    ええと…貴方は「こちらの世界」では初めてお目にかかる方ですね?どうぞ、うちの音楽団のメンバーとお会いになりませんか?
    1人と12匹だからねぇ、少し長くなるけど…まぁごゆるりと。迷い込んだついでですよ、旅は道連れと言うでしょう?あらあら、怖がらなくても大丈夫ですよ。私も元々、「あちらの世界」からやってきましたから。

    まず私の自己紹介からいたしましょう。
    「こちらの世界」の名前は、夕月(ゆうづき)といいます。そう名乗っている、と思っていただいた方が貴方にはわかりやすいかもしれませんねぇ。

    先程お話した、移動音楽団の団長をしております。あちらでは少々経験がありましてね、絶対音感を持っていたので音楽の道へ。色々な楽器とボイストレーニングなどの指導をしておりました。
    私自身は主にピアニストと歌手として活動しておりますので、少しは有名なのですよ…っと、自分で言うことではないですねぇ、失礼いたしました。
    もしかしたら、私のコンサートやライブなんかもいらしていただいていたかもしれませんねぇ?

    こちらでも、歌やピアノやギター、パーカッションまで色々な楽器や音楽を続けています。相棒たちは風変わりですがね、個性豊かで可愛いのですよ。

    手持ちのアコースティックギターは、こちらに来てからのもう1つの相棒です。色々な街を訪れて、街中を歌って演奏しながら練り歩いて宣伝をするんですよ。色々な衣装を各々身に纏ってね、

    「モノコーン移動音楽団だよ!」って。

    あちらではあまり見かけなくなりましたねぇ?自粛だの無人コンサートだの、一時期は本当に大変でしたからねぇ…。

    あぁ、私の姿が不思議ですか?無理もないでしょう、ここには「人間」がいないのですよ。「ホム」といいましてね、アバターの様なものです。髪型やメイク、衣装やアクセサリーまで一瞬で好みの物に変えられるんです。その点は、あちらよりかなり便利と言えますねぇ。

    …どうやら察しのよろしい方のようで。そうです、ここはゲームの中の世界です。

    「リヴリーアイランド」といいましてね、不思議な生き物の「リヴリー」とホムが暮らす、のんびりとしたゲームの中なのですよ。
    スマホやタブレットでゲームをダウンロードすれば、いつでも気軽にプレイできます。
    ダウンロードの説明の通り、画面越しに遊べるゲームだと思っていたのですがねぇ…何故かリアルにゲームの世界に入り、リヴリー達や他のユーザーと触れ合える不思議なモノでして。

    VRゲームならまだしも、私もこの奇妙な体験に驚いているのですよ。少々臆病な性格なもので、他のホムやあちらの友人知人に「リヴリーは中に入る事ができるゲームなのか」とか聞けませんで…まぁ会話や感触がリアルなので、深く考えるのを辞めて楽しんでおります。ホームボタンを押せば戻れますしね、何ら日常生活に差し支えないもので。

    おっとっと、本名を名乗ったりすることはできないのですよ。プライバシーってやつです、そこはあちらの世界と同じですねぇ。
    先程お話したモノコーンというのが、リヴリーの種類です。学名まで付いていて、今でも研究は続けられています。度々新種が発見されて、お迎えする飼い主様も多いですよ…あぁ、ホム同士はお互いをこちらの名前や飼い主と呼びます。私はあまり飼い主というのが好きではないですねぇ、もう家族のようなものですから。

    そのモノコーンと出会ってこちらでも音楽を始めましてね、気付いたら12匹の大所帯!沢山の街を闊歩する移動音楽団を作りました。それなりにファンの方もいらっしゃるのですよ?

    まだ動揺していらっしゃる様ですが…大丈夫です、あちらでありふれた「異世界転生モノ」ではありませんよ。先程も申し上げました通り、「あちらの世界」と「こちらの世界」はホームボタンで自由に行き来できておりますから。

    私のようにゲームの世界に入り込んでプレイ出来るのかは分かりませんが。
    調べてもその様な現象は出て来ませんでしたのでねぇ、ふふ、どうなっているんでしょうねぇ?

    貴方はどうやらゲームをインストールしたばかりで、不思議な事に人間の姿のまま私の所に迷い込んでしまったようですねぇ。混乱しているでしょう?まぁ夢でも見ていると思ってのんびりして行ってください。どうしても怖ければホームボタンをタップですよ?

    おや、ちょうど全員散歩から帰ってきたようです。どうぞ会ってやってください。愛くるしくて、少しは気も紛れるかと。みんな、こっちにいらっしゃい。お客様ですよー。

    …あとこれは個人的なお願いなんですが、リヴリー達にはここがゲームの世界であると言わないでやってくれませんか?みんな感情がありますから…ちょっと訳アリの子もね、いたりするんですよ。

    そうです、知らないんです。自分達がゲームの「ペット」だなんてね…飼い主というのが好きではないのも、こういう事なのですよ。
    自分達がリヴリーである事、沢山の種類がいることは知っています。ですが、それ以上は…。

    リヴリー達の前では口調が変わります。音楽団の団長なのでね、陽気で気さく。それが「リヴリーアイランド」の夕月なのです。

    ___さぁみんな、それぞれの種類ごとに整列しておくれ!お客様にみんなをご紹介だ!そうそう、リーダーを先頭にね。

    まずネオベルミン種の子達はラズベリー、スピカ、桃の3匹。
    少し弱気だけど元気なラズベリー。穏やかなおっとり家のスピカ。健気な努力家の桃。
    この子達が基本の種類。サラッとしたストレートの毛並みと額の角が特徴なんだ。
    先月行った街の雑貨屋でお揃いの花リボンを買って衣装にしたんだよね、いつ見ても可愛いなぁ。店主のおばあさんの手縫いなんだよね?
    リーダーはラズベリー!

    お次はプラステリン-1の子達。メロウ、若葉、ヒバリの3匹。
    素直な性格のメロウ。どこか放っておけない若葉。のんびり屋さんのヒバリ。
    プラステリンっていうのは亜種。この子達の特徴はまつ毛がふさふさでね、みんなお揃いのメガネをかけてるよ。
    滞在先で売ってた限定デザインなんだって…そういえばいつの間に買ったのかまだ聞いてないんだけど?まぁ、丸メガネってオシャレだよね!
    リーダーはメロウ!

    お次はプラステリン-2の子達。コメット、みなと、ホタルの3匹。
    12匹の中で1番の先輩コメット。ちょっと照れ屋のみなと。芯が強いホタル。
    この子達の特徴は耳が巻き毛なんだ。大きめの帽子が似合うんだよ!
    宣伝に行った街の露店で麦わら帽子買ったんだって。オシャレに羽根まで付けちゃって可愛いよね!
    リーダーはコメット!12匹のまとめ役もしてくれて、私も頼りっぱなしだよ。

    最後はプラステリン−3の子達。えにし、アカネ、遥の3匹。
    真っ直ぐな性格のえにし。少し泣き虫なアカネ。豪運ラッキーガールの遥。
    この子達の特徴は、角が巻き角なんだ。最近発見された種類なんだよ。
    旅先の老舗で小さなメガネをお揃いにしたんだって。鼻先にちょんと乗ってるのが可愛い…これも限定発売?聞いてないよ?
    リーダーはえにし!

    …てかさ、みんな買い過ぎじゃない?お小遣い減らそうかな…って、そんな目で見ないで?さぁ、お客様にお辞儀をして、先に部屋に戻っておいで。

    ___ふふ、賑やかでしょう?それぞれの色、毛並み、角の形、性格まで個性の集まりなんです。どの子も可愛くてねぇ、沢山の愛情と楽しさを知ってほしいんですよ。

    あら、貴方の所にもどの子かリヴリーが来そうですよ…どうされます?このまま「あちら」と「こちら」を楽しまれますか?それとも、やっぱり戻りますか?簡単ですよ、アンインストールでこちらには来ることはなくなりますから。

    知らない、って怖いですものねぇ。えぇ、どの意味で捉えるかは貴方次第かと…脅すつもりはなかったのですが…失礼いたしました。

    私は思うんですよ。例えゲームでも現実でも、貴方が幸せであれば形なんかどうだっていいと。髪型が違うように、趣味が違うように、朝はご飯派かパン派かみたいなね。楽しみなんて無理矢理探さなくても、その辺に転がってたり降ってきたりするものです。

    ふふ、貴方がうちの子達を見つめる目、私は素敵だと思いましたよ。子どもの様にキラキラして。

    …そうですか、お迎えされるのですね。どんな出会いがあるのか楽しみですねぇ。リヴリーはどの子も可愛いですよ、沢山愛してあげてくださいね。
    始めは好きなネオベルミン種のリヴリーをお迎えできますよ。
    貴方専用のアイランドも服も何もかも用意されますから…あと、プライバシーにはお気をつけて。

    いつか貴方の所にも移動音楽団がお邪魔するかもしれませんねぇ。その時はどうぞよしなに。
    長話に付き合わせてしまって申し訳ありません、初めての人間のお客様だったもので…えぇ、とても楽しい時間をありがとうございます。
    またのご縁がありますように。

    ___それでは、良きリヴリーライフを。

    「人間の、お客人ねぇ…」

    そんなこともあるものなのか、これも初めての体験だなぁ。
    私もこの世界に来た時は何が何やらさっぱりで、でも何故かギターを持っていたっけなぁ。私だけゲームの中に入り込んでいるのかも未だ分からないし、何も知らないあの子達に「ゲームの世界」と話す訳にもいかないしねぇ。
    それにしても、さっきのお客人のお陰で思い出したねぇ、初めての出会い。あれは…

    おっと、感慨に浸っている場合じゃない。みんな帰ってきたんだった。ご飯にシャワーにブラッシングに音楽団の練習、やれることは沢山あるからねぇ。

    私が与えてもらった物を12匹にも返したいんだ。何倍にもしてね。
    日記でも書こうかな?みんなとの出会いはどれも素敵なものだったなぁ。筆まめではないけれど、それもまたこの世界の楽しみ方かもしれないねぇ。

    ①本家リヴリーアイランドをざっと知りたい方はこちらから。(実在する育成ゲームです。)


    ②続きはこちらから。
    それではまた、どこかの街でお会いしましょう。


     
     
     
    (7/13固定更新)おいでませ。初めて小説に挑戦中。 現在は育成ゲーム「リヴリーアイランド」を元にした小説をアップしています。どうぞよしなに。 ♡やコメント、アドバイスや感想お待ちしております!

    あなたへのおすすめ