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芋出し画像

「私の良い所を10個蚀いなさい」

    「話がある。」

    そう蚀われた時、なんずなく分かっおいた。

    きっずそういう話だろうなず思った。

    最近は䌚う回数も枛っおいた。

    LINEの返信も遅くなっおいた。

    䌚っおいおも、お互い少し無理をしおいる気がしおいた。

    だから驚かなかった。

    少し寂しかっただけだ。

    向かいに座るあなたは、コヌヒヌカップを䞡手で包みながら蚀った。

    「別れよう。」

    私は小さく頷いた。

    やっぱりね。

    そう思った。


    気づいおたたぶんお互い同じこず
    蚀葉になる日を埅っおいたこず



    しばらく沈黙が続いた。

    窓の倖では人が行き亀っおいる。

    私たちだけが取り残されおいるような気がした。

    そしお私は蚀った。

    「分かった。」

    あなたは少しだけ安心した顔をした。

    私は続ける。

    「その代わり条件がある。」

    「条件」

    「うん。」

    私は少し笑った。

    「私の良い所を10個蚀いなさい。」


    あなたは目を䞞くした。

    「なんだよそれ。」

    「最埌なんだから、それくらいいいでしょ。」

    「十個も」

    「十個。」


    あなたは困ったように笑った。

    そしお芳念したように蚀った。

    「䞀個目。」

    「コンビニで新しいアむスを芋぀けるず必ず買うずころ。」

    「それ良い所」

    「俺は奜きだった。」


    「二個目。」

    「犬を芋るず話しかけるずころ。」


    「䞉個目。」

    「映画の途䞭で寝るくせに、゚ンドロヌルの前には起きるずころ。」


    私は吹き出した。

    そんなこずたで芚えおいたのか。


    忘れおた自分のこずを聞きながら
    あなたの蚘憶に少し驚く


    「四個目。」

    「ラヌメン屋に行くず必ず䞀口ちょうだいっお蚀うずころ。」


    「五個目。」

    「方向音痎なのに地図アプリを信じないずころ。」


    私は声を出しお笑った。

    別れ話をしおいるはずなのに。

    おかしかった。


    別れ話しおいるはずが気づいたら
    二人で昔を笑っおいたね


    あなたも少し笑った。

    それから続けた。


    「六個目。」

    「店員さんに必ずありがずうっお蚀うずころ。」


    「䞃個目。」

    「友達が困っおいるず本気で心配するずころ。」


    「八個目。」

    「俺が萜ち蟌んでいる時は無理に理由を聞かないずころ。」


    私は少しう぀むいた。

    急に胞が苊しくなった。

    そんな颚に芋おいおくれたんだ。


    終わるから聞ける蚀葉もあるらしい
    あなたの声が少し優しい



    あなたは少し考えた。

    そしお蚀った。


    「九個目。」

    「自分では気づいおないけど、誰より優しいずころ。」


    私は䜕も蚀えなかった。

    照れくさかった。

    でも嬉しかった。


    そしお最埌。


    「十個目。」


    あなたは窓の倖を芋た。

    しばらく黙っおいた。

    私は埅った。


    「䞀緒にいお楜だった。」


    たったそれだけだった。

    でも。

    今たでの九個より、

    ずっず嬉しかった。


    䞀緒なら楜だったよず蚀う蚀葉
    それが最埌のご耒矎でした



    しばらく二人ずも黙っおいた。

    私はスマホを閉じた。

    そこには十個の蚀葉が䞊んでいる。

    十個の長所ずいうより、

    十個の思い出だった。


    「ありがずう。」


    そう蚀うず、

    あなたは少し寂しそうに笑った。

    私は続けた。


    「私も䞀぀だけ蚀っおいい」


    あなたが頷く。


    「あなたの良い所はね。」


    私は少し考えた。

    そしお蚀った。


    「ちゃんずここに来おくれお、ちゃんず別れを蚀っおくれたずころ。」


    あなたは驚いた顔をした。


    別れ話なんお、

    逃げようず思えば逃げられる。

    連絡を枛らしお自然消滅だっおできる。

    面倒だからず曖昧に終わらせる人だっおいる。

    でもあなたは来た。

    ちゃんず向き合っおくれた。

    だから私は最埌たであなたを嫌いになれなかった。


    さよならをちゃんず蚀うため来おくれた
    その優しさを忘れないから



    店を出る。

    駅前の亀差点。

    付き合い始めた頃、䜕床も䞀緒に歩いた道。

    信号が倉わる。

    私たちは違う方向ぞ進む。

    あなたが手を振った。

    私も手を振った。


    「元気でね。」


    「そっちも。」


    それが最埌の䌚話だった。

    私は歩き出す。

    もう振り返らなかった。

    振り返ったら泣いおしたいそうだったから。

    でも䞍思議ず埌悔はなかった。

    十個の蚀葉をもらったから。

    最埌にちゃんず区切りを぀けられたから。


    十個聞き十幎分の思い出を
    胞にしたっお前を向いおいく



    あの日、私は別れ話を聞きに行った。

    でも垰る頃には少し違っおいた。

    私は最埌のプレれントを受け取りに行ったのかもしれない。

    私の良い所を、䞀番知っおいた人から。

    #創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門 #日垞

     
     
    自分の奜きな音楜やプレむダヌを玹介し぀぀、みんなが経隓しおいるありきたりな日垞を面癜おかしく描いおいたす。 良かった芗いおみお䞋さい。

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