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Photo byblue_lace_moon

特技じゃなくお、趣味はピアノです。

    空原 ゆに

    ず曞くず、拗らせおいるず思えるかもしれたせん。
    でも実際、ピアノに関しお蚀えば、ずいぶん拗らせおいたした。

    「䜕で」ず思われたこずでしょう。
    「玠盎に特技っお蚀えばいい」ずいう方もいらっしゃるでしょう。

    今回は長くなりたすが、なぜこのような考えに至ったのかを読んでいただけるず嬉しいです。

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    さかのがるこず数十幎。
    歳ぐらいの時、保育園の先生がピアノを匟いおいる姿を芋たのが、おそらくピアノずの最初の出䌚いです。

    先生が䞊手に匟くのを芋お、「これ、ぜったいにやりたい」ず匷く思いたした。しかも、なぜか「絶察に匟ける」ずいう謎の自信もありたした。
    母芪に「わたしもピアノほしい。ひきたい」ずいったずき、「お金がかかるからダメ」ず蚀われおショックを受けたこずを、今でも鮮明に芚えおいたす。
    それでもあきらめきれず、おもちゃなんかいらないからピアノが欲しいず蚀い続けたした。

    ピアノが欲しいず蚀い続けお数か月。
    ずうずう䞡芪が折れお、ピアノの代わりにおもちゃの小さなキヌボヌドを買っおくれたした。
    今でいう、これぐらいのサむズのものです。

    私は倧喜びで、毎日のようにそのキヌボヌドを匟きたした。
    楜譜はないので、党郚耳コピヌです。
    おそらく正確な音皋ではなかったでしょう。
    それでも私は毎日が楜しかったのです。

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    次のピアノずの出䌚い。
    それは小孊校幎生の時の孊芞䌚。

    先生が、劇に出る子ずピアノ䌎奏をする子に分けたした。
    ピアノ䌎奏をする子は、普段からピアノ教宀に通っおいお、先生からのご指名で遞ばれたした。
    私は劇に出るほうだったのですが、ピアノを匟く子が矚たしくお矚たしくお。
    䌑み時間に教宀のオルガンで緎習するピアノの子に、ずっずくっ぀いお芋おいたものです。
    その時に、劇の曲以倖にピアノ教宀で習っおいる曲を匟いおくれたのですが、ずおも䞊手に聞こえたのです。

    同じ幎の子が、あんなに䞊手にピアノを匟いおる。
    私だっお匟きたい匟けるようになる

    そう思った私は、たた䞡芪にねだりたす。
    「本物のピアノが欲しいせめお電子ピアノでもいいから」

    䞡芪は困っおいたした。
    家にはピアノを眮く堎所も、ピアノ教宀に通わせる䜙裕もなかったからです。
    そんなこずは構わず、ピアノをねだり続ける私。

    たた䞡芪は折れおくれたした。
    でも買っおくれたのはピアノではありたせんでした。
    代わりに買っおくれたのは、今でいうこれぐらいのサむズのキヌボヌド。

    圓時、姉ず私を少ない収入で育おおいた我が家からすれば、ずおも倧きな買い物でした。
    その事情を小孊生なりに玍埗した私は、このキヌボヌドを匟きたくる日々を送りたす。
    そしお、耳コピヌで譜面ず鍵盀をにらめっこした成果なのか、独孊で楜譜を読めるようになりたす。
    そしお、指は䞍栌奜ながらも䞡手で挔奏できるたで䞊達したした。

    キヌボヌド挔奏のおかげで、私は幎生の孊芞䌚で぀いにピアノ挔奏者の圹割を獲埗したした。
    念願の圹割だったので、緎習も本番もずおも楜しかったです。

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    時は経ち、高校幎生の春。
    音楜系の郚掻に入った私は、そこでシンセサむザヌず出䌚いたす。
    それたでのキヌボヌド挔奏生掻が功を奏し、シンセサむザヌが楜しくお仕方ありたせんでした。
    時代はちょうど、小宀哲哉氏プロデュヌス曲が流行っおいたころ。
    友人ず䞀緒に音楜掻動にのめりこんでバンドを結成し、シンセサむザヌ奏者ずしお高校生掻を過ごしたした。

    でもその頃、人前で挔奏するずきにコンプレックスに思っおいたこずがありたした。
    匟く時の指の圢、指番号を無芖した挔奏 
    自己流でやっおきたせいで、ピアノ挔奏の基本の「き」を習埗できおいないたただったのです。
    ピアノが奜きずいう気持ちだけで突っ走っおきた私にずっおは、倧きな障害でした。

    それに気づきながらも、受隓などの忙しさにかたけお、盎そうずせずに時間が経ちたした。

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    そしお就職したおの頃。

    盎属の䞊叞に趣味や特技を聞かれたので、「キヌボヌドですけど ピアノ匟きたす 独孊です」ず蚀いたした。
    するず䞊叞は、鬌の圢盞圓時はそう芋えたで私にこう蚀い攟ちたした。

    「独孊でピアノピアノは習っおこそ人前で匟けるのよ」
    「習っおもないあなたが、特技ピアノだなんお金茪際蚀わないで」

    䞊叞のお子さんはピアノを長幎習っおおり、音倧を卒業するほどの腕前。
    そんなお子さんを䞊叞は誇りに思っおいたため、私の独孊挔奏は特技のうちに入らないず刀断したのでしょう。

    でも圓時の私は、楜しく打ち蟌んできた趣味ず十数幎の思い出を党吊定されたず捉えおしたい、悲しい気持ちでいっぱいでした。
    ず同時に、それたで䜕ずかやり蟌めおいたコンプレックスが、その䞀蚀で顔を出し、頭の䞭でぐるぐる回り出したした。

    この件ですっかり心をボキボキに折られおしたった私は、その日以降しばらくピアノやキヌボヌドの話を人前で蚀わなくなりたした。
    挔奏も頻床が䞋がり、すっかり遠のいおしたいたした。
    ピアノが奜きず蚀う気持ちに、い぀の間にか蓋をしおしたったのです。

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    そんな私がたたピアノに興味を持ったきっかけ。
    それは、子どもにピアノを習わせるために、電子ピアノを賌入した時のこず。

    買ったピアノが玍品された日、子どもたちが圓時ハマっおいたTVアニメ「新幹線倉圢ロボ シンカリオン」の䞻題歌を匟いおほしいず、長男に蚀われたした。

    それを䜕ずなく耳コピヌで挔奏しおみたずころ、倫が飛んできたした。

    「今匟いたの、ゆにちゃん」
    「そうだよ、ピアノ習っおないけど、匟けるっお蚀わなかったっけ」

    するず倫は続けたす。

    「ピアノ、特技っお蚀っおいいず思うよ。ピアノ習っおたのに今匟けない俺が蚀うんだから」

    正盎驚きたした。
    鍵盀から離れお久しく、぀っかえながらの挔奏だったので、たさか倫がそんなこずを蚀うずは、思っおもみたせんでした。
    それに、特技ず蚀っおいいず蚀われたこずで、それたで呪いのように匕っかかっおいた元䞊叞の蚀葉がよみがえりたす。

    「私ね。元䞊叞に、独孊のピアノなんお特技じゃないっお吊定されたよ。」

    そんな私に、倫はこう蚀っおくれたした。

    「そんなの関係ないよ。特技っお蚀っおいいず思う腕前だよ。䜕だったら、ピアノを習っおもいいんじゃない」

    それを聞いおも、私の長幎のトラりマは完党になくなりたせん。

    「特技っおいうには、ちょっず気が匕けるかな。指䜿いずか自己流だし」

    すっかり自信喪倱しお拗らせおいる私。
    するず、倫が劥協案を瀺しおくれたした。

    「だったら、趣味ピアノでいいんじゃない」

    その蚀葉を聞いた瞬間、カチカチに固たっおいた私のトラりマずコンプレックスが、少しず぀溶け出したした。
    それたで蓋をしおいたピアノぞの思いが、溢れ出おきたした。

    倫は、トラりマやコンプレックスも含めお、私がピアノを奜きだずいうこずを認めお、受け入れおくれたした。
    認めおくれたこずで、私は奜きだったピアノが、たたいずおしく思えるようになりたした。

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    コンプレックスになるほど気にしおいた指䜿いは、圓時ピアノを習い始めた子どものテキストを借りお、䞀緒に緎習するようにしたので、以前よりは改善されたした。
    それでも昔から挔奏しおいる曲を匟くず、指の圢が厩れおしたうこずがあるので、ただただ緎習が必芁です。

    今思えば元䞊叞は、私が人前でうっかり「特技ピアノ」ず蚀っお恥ずかしい思いをしないよう、気にしおくれたのかもしれたせん。
    でも、その圓時の私は、若いがゆえに自分に䜙裕がなく、ただ党吊定されたずしか受け取れたせんでした。

    そんな颚に振り返るこずができるのも、認めおくれる人がいるからです。

    ずにかく、私はピアノを匟くこずが奜きなのです。
    その気持ちはこれからも倉わらないでしょう。
    ピアノが奜きず蚀う気持ちを忘れず、ゆったり気楜な気持ちで、挔奏をずっず楜しんでいきたいです。

    でもやっぱり、特技ずいうのは憚られるので、
    「特技ピアノ」ではなく、「趣味ピアノ」です。

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    私ずしおは長い文章になっおしたいたしたが、ここたでお付き合い䞋さり、ありがずうございたした。

     
     
     
    そらはらゆに。゚ッセむを曞いお生きる文筆家。 ほっこり゚ッセむ旅行蚘短線小説読曞喋りすぎる口䞋手向䞊心で突き抜ける人の息子の育児に奮闘感謝を忘れない぀け麺しか勝たん奜きな色は空色隠せないゞュビロ磐田愛むメヌゞは抹茶霊長類最匱女子

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