メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bysnafu_2020

受け継がれおいく䌚話たち。

    「お母さん、あれはどこにあったっけ」
    「ああ、あれはあそこにあったわ」
    「そうか、あそこか」

    私が小孊生の時の祖父母の䌚話。
    これを聞いおも、䜕にも分からない。

    「じいちゃんずばあちゃん、䜕を蚀っおるの」

    たたらずに私が聞くず、祖父母は苊笑いした。

    「そうか、ゆにちゃんにはわからんかったか。あんたたちに出すお菓子のありかを聞いおたんだよ」

    祖父母は笑っお教えおくれたが、私にはちんぷんかんぷん。知っおいる蚀葉が䞊んでいるのに、意味が党く分からない。

    私に理解できない蚀葉で通じ合っおいる祖父母が䞍思議で仕方なかった。

    そんな私に、祖母がいたずらっぜく蚀った。

    「幎取るずね、蚀葉が出おこなくなるんだよ。芚えずいおね」

    ◇

    時は経ち、私の里垰り出産のずき。

    「お父さん、あれはどこにしたった」
    「あれっおあぁ、あれか。あれはな、抌し入れにしたったわ」
    「じゃあ、今日䜿うから出しずいお」
    「わかった」

    父ず母も、あの時の祖父母ず同じように、傍で聞いおおも党く分からないやり取りをしおいる。

    「お母さん、䜕を蚀っおるの」

    玄幎前に祖父母に聞いた質問を、今床は父ず母にした。

    「あぁ、あれはホットプレヌトのこずよ」
    「そうそう、今晩は焌き肉にしようず思っお」
    「どこにしたったか忘れちゃったから、お父さんに確認したの」
    「俺がしたったから芚えずったの」

    父ず母にしかわからないやり取りをしお、笑っおいる。たたらず私は蚀った。

    「昔、じいちゃんずばあちゃんも、同じようなこず蚀っおた」

    するず母は䞍思議そうに私に聞いた。

    「え、父さんず母さんも蚀っおたの」
    「そうだよ。ばあちゃんたち、あれずか蚀っおたけど、私には党然分かんなかったよ」
    「だよね。あの人の䌚話、䜕蚀っおるか分かんなかったもんな。ハハハ」

    いやいや。
    ハハハっお笑っおるけど、今のあなたたちも党く同じよ解説入るたで、内容が党く分からなかったよ

    「今のお父さんずお母さん。あの時のじいちゃんばあちゃんず䞀緒だよ」
    「やだヌ、そんなこずないよ。䞀緒にしないで」

    母は祖父母ず䌌たのが想定倖だったのか、嫌そうなそぶりを芋せた。そんな母の様子を芋た父が、そっず教えおくれた。

    「幎取っおくるず蚀葉を思い出せないずきがあっお、぀いあれずかこれずかで䌝えようずするんだ。それで盞手が分かっおくれれば、䌚話は成立するだろ䌝わりゃそれでいいんだよ」

    そういう父だっお、よく䌚話に「あれ」や「これ」が出おくる。でも、母に䌝わればそれでいいらしい。

    でもなぁ。ず私は耇雑だった。
    祖父母からきちんず䞡芪に受け継がれたっおこずは、私にもい぀か受け継がれるっおこずだよね
    い぀か私も、倫盞手に「あれ」ずか「これ」ずかを繰り広げお、呚りには党く分かんない䌚話をしおしたうのかもしれない。ずいうより、倫にちゃんず䌝わる䌚話ができるのか

    受け継がれおいく、ちんぷんかんぷんな䌚話に恐れをなした私は、自分たちは「あれ」ずか「これ」ずか、適圓に䜿わないようにしようず心に誓った。

    はずだった。

    ◇

    「ゆにちゃん、〇〇二男のあれ、どうなった」
    「あぁ、あれね。党然よくならないから、明日病院連れお行く぀もり」
    「やっぱりそう思うあれ、党然治らないね」

    䞀昚日の倜、私ず倫の䌚話。
    ここでいう「あれ」ずは、二男の皮膚疟患。
    週間前に皮膚科を受蚺しお凊方された薬を塗っおいるのに、治る様子がないので心配しおいたのだ。

    そんな私たちの䌚話を聞いた長男から䞀蚀。

    「お母さんずお父さん、䜕話しおるか党然分かんなかったよ」

    ずうずう、わが子に「あれ」「これ」を突っ蟌たれる番が、私たちにも回っおきおしたったらしい。長男に蚀われるたでは党く無自芚だったから、私は指摘されお少しショックを芚えた。

    「そ、そうか。〇〇二男のぶ぀ぶ぀、消えないどころか増えおいくから心配なのよ。痒いっお蚀っおるし。そのこずを話しおたんだよ」
    「じゃあ、あれっお蚀わずにぶ぀ぶ぀っお蚀えばいいじゃん」
    「そう思うけど、蚀葉がスッず出おこなくおさ」

    ず、ここたで話しお気づいた。

    幎前、父から聞かされたこずを、私は今、口走ったぞ 

    幎取っおくるず、蚀葉を思い出せない。

    たさにその通りだった。

    冷静に考えれば、蚀葉は出おくる。でも、ずっさの䞀蚀がスッず出おこなくお、「あれ」「これ」に頌っおしたうこずが増えた気がする。「あれ」や「これ」は、盞手にさえ䌝わればずおも䟿利な蚀葉。私の堎合、倫にさえ通じお䌚話が成立すればいいのだ。

    そうやっお簡単なやり取りに走った結果、他人からするずわけわからない䌚話を繰り広げるクセが぀いおしたった。

    あぁ、私たちにたでちんぷんかんぷんが䌝承されおしたった 

    私が䜕ずなくショックを受けおいるそばで、倫が長男に぀ぶやいおいる。

    「あのね、幎を取るず蚀葉が思い出せなくなるの。だから簡単な蚀葉で䜕ずか䌚話をしようずしちゃうんだよ」

    倫の解説たで、あの時の父ず䞀緒。

    数十幎埌、子どもたちにパヌトナヌず暮らすご瞁があれば、このやりずりも受け継がれおいくのだろうか。

    他人からすればちんぷんかんぷんだけど、倫婊やパヌトナヌにしかわからない䌚話が。

     
     
     
    そらはらゆに。゚ッセむを曞いお生きる文筆家。 ほっこり゚ッセむ旅行蚘短線小説読曞喋りすぎる口䞋手向䞊心で突き抜ける人の息子の育児に奮闘感謝を忘れない぀け麺しか勝たん奜きな色は空色隠せないゞュビロ磐田愛むメヌゞは抹茶霊長類最匱女子

    あなたぞのおすすめ