
ここに私の絶対的な味方がいると思えた日
仕事で大きな失敗をした。
ただの凡ミス。
仕事がひと区切りついた時期の、ほんの少しの気の緩みだった。
部署の偉い人たちにたくさん迷惑をかけ、私は謝ってばかりいた。
基本的に私は、仕事のことを家庭に持ち込まないようにしている。
でも、その日の夜だけは無理だった。
保育園に迎えに行き、帰宅して息子を抱きしめた瞬間、涙がぽろぽろとこぼれた。
驚いた息子の顔を、今でも覚えている。
「ママ、仕事で大失敗しちゃったの。」
そう言うのが精いっぱいだった。
すると息子は言った。
「頑張ってまた自分でやればいいじゃん。
会社のために、ちゃんと頑張ってやればいいんだよ。
それだけでいいじゃん。
ママ、泣かなくていいよ。」
思いがけない言葉だった。
私はまた涙があふれた。
でも今度の涙は、少し違った。
「ありがとう。息子くん。」
そう言うと、息子は私に抱かれたまま、何も言わずじっとしていた。
その温もりが、張りつめていた心を少しずつほどいてくれた。
ここに私の絶対的な味方がいる。
そう思えた。
翌朝、会社へ向かう足取りは重かった。
正直、このまま逃げてしまいたい気持ちもあった。
でも、昨日私を救ってくれたあの小さな子を守るために。
そして、あの子の味方であり続けるために。
私も前を向かなければいけない。
そんなふうに背中を押された気がした。
その後のリカバリーで、幸い大事には至らなかった。
今はもう通常運転だ。
振り返ると、あの時いちばん私を支えてくれたのは息子の温もりだった。
小さな体で抱きしめ返してくれたあの日のことを思い出すたびに、
「また頑張ろう」
そう思える。
さあ、今日も頑張ろう。