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Photo by10972

とりあえずFatboy Slim聴け。景気よく生きるってこういうことやから

    音楽に必要なん、知性より勢いやと思う。

    もちろん、知性はあった方がいい。

    音の構造を理解する。
    ジャンルの歴史を知る。
    サンプリングの元ネタを掘る。
    ビートの組み方を分析する。
    誰が何に影響を受けたのかを知る。

    そういう楽しみ方もある。

    音楽は掘れば掘るほど深いし、知れば知るほど面白い。

    でも、最初に必要なのはたぶん知性ではない。

    勢いである。

    鳴った瞬間に、
    「あ、これええやん」
    と思えるかどうか。

    身体が少し動くかどうか。
    顔がちょっと強くなるかどうか。
    意味わからんけどテンションが上がるかどうか。

    そこが一番大事だと思う。

    だからもう、とりあえずFatboy Slim聴け!

    細かい説明はあとでいい。

    とりあえず鳴らせ。
    とりあえず上げろ。
    とりあえず身体を前に出せ。

    Fatboy Slimの音には、そういう雑な強さがある。

    おしゃれに沈ませるというより、場を一気に持ち上げてくる感じ。
    難しい顔をして聴くより、笑いながら踊った方が正解な感じ。
    真面目に構える前に、もう身体が勝手にノってしまう感じ。

    あの景気の良さがいい。

    景気が良いというのは、別にお金があるという意味だけではない。

    気前がいい。
    音が前向き。
    細かいことを気にしすぎない。
    暗い顔で考え込ませない。
    とりあえず今この場を鳴らしてくる。

    そういう生き方の温度のことだと思う。

    人間は、考えすぎるとだいたい動けなくなる。

    これは正しいのか。
    これはダサくないか。
    これは詳しい人から見てどうなのか。
    これは浅くないか。
    これはちゃんとわかっている人の聴き方なのか。

    そんなことを考え出すと、音楽が急に重くなる。

    本当はもっと雑でいい。

    好きなら好きでいい。
    気持ちいいなら気持ちいいでいい。
    身体が動いたなら、もうそれで勝っている。

    音楽は試験ではない。

    正解を当てるものでもない。
    知識量でマウントを取るものでもない。
    「このジャンルはこう聴くべき」みたいな顔で、人を黙らせるためのものでもない。

    音が鳴って、自分がどうなるか。

    まずはそこだと思う。

    Fatboy Slimは、その大事なところを思い出させてくれる。

    音楽って、本来もっと景気よくていい。

    馬鹿みたいに楽しくていい。
    わかりやすく上がっていい。
    少しやりすぎなくらいでいい。
    変に賢そうな顔をしなくていい。

    人はたまに、音楽まで賢く聴こうとしすぎる。

    もちろん、それも楽しい。

    でも、ずっと賢い顔をしていると疲れる。

    だから時々、勢いだけで全部持っていく音楽が必要になる。

    細かい悩みも、理屈も、自意識も、全部まとめて音で雑に吹き飛ばしてくれるやつ。

    そういう音楽はかなり強い。

    景気よく生きるって、たぶんこういうことだと思う。

    完璧に整ってから動くのではなく、
    少し雑でも鳴らしてみる。

    全部わかってから好きになるのではなく、
    わからないまま身体を預ける。

    上手く踊れるかどうかではなく、
    とりあえず揺れてみる。

    人生も音楽も、考える前に一回鳴らした方がいい時がある。

    音楽に必要なんは、知性より勢いや。

    知性はあとからついてくる。

    まずは音に持っていかれたらいい。

    だからもう、とりあえずFatboy Slim聴け。

    景気よく生きるって、こういうことやから。

     
     
    元DJ、元占い師の27歳OL 人と街の「なんか変」を言葉にするためのnote 3月4月は、書いたけど恥ずかしくて世の中に公開するのをためらっていた作品をリライトして投稿していきます。500本くらいあります。5月からは1日2本くらいになると思います。

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