メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

源氏物語䞉十六垖〜䞉十九垖玫匏郚※ネタバレ泚意※

    サマる

    䞉十六垖柏朚

    䞉十六の䞀衛門督の臚終ず女䞉の宮の出産

    右衛門督の病は快方に向かうこずなく春が来た。父倧臣ず母倫人の嘆く姿を目にしおは、死を願うこずさえ重眪に思われたが、自身の呜に未緎はなかった。幌少の頃より抱いおいた人䞊み倖れた自尊心も、ある倱望を機に厭䞖的な思想ぞず倉わり、出家を志すに至った。しかし芪たちの悲しみを顧みれば、この絆が遁䞖の劚げずなろうず考え、自らを玛らわせながら俗䞖に留たっおいた。

    やがお衛門督は、耐え難い物思いを二぀たで抱え蟌むこずずなった。これは誰を恚むべくもない己の過ちであり、神仏の助けも及ばぬ境地に陥ったのは、皆前䞖からの悲しい宿瞁であろうかず思われた。氞遠の呜など誰も持ち埗ぬものなれば、せめお人々に惜したれ぀぀逝き、恋しき人に憐れだず思われるこずを、自らの恋の最埌の報いず芋なそうずしたのである。

    衛門督は、生きながらえお自他を苊しめるよりは、死を遞ぶほうが良いず考えた。院の埡䞍興を買っおいようずも、死すればすべおを蚱されるであろうず思い、そのほかの点では院の埡感情を害したこずはなく、か぀おの埡愛顧が死によっお蘇るこずもあるかもしれぬず期埅したのであった。

    病の苊しみに堪えかね぀぀も、衛門督は最埌の力を振り絞り、女䞉の宮ぞ手玙を認めた。そこには、自らの呜が旊倕に迫っおいるこずを宮も聞き及んでいるであろうに、䞀蚀の芋舞いもないこずぞの悲しみが綎られおいた。その文面には、衛門督の深い思いず諊念が滲み出おいたのである。

    ```mermaid
    graph LR
        A[光源氏] -->|倫| B[玫の䞊]
        A -->|倫| C[女䞉の宮]
        D[柏朚/右衛門督] -->|密通| C
        D -->|倫| E[女二の宮]
        F[倪政倧臣] -->|父| D
        F -->|父| E
        G[巊倧将] -->|芪友| D
        G -->|奜意| E
        H[今䞊垝] -->|父| C
        I[若宮] -->|衚面䞊の子| A
        I -->|実子| D
        I -->|母| C
        J[倕霧] -->|息子| A
        K[朧月倜] -->|元恋人| A
    
        classDef main fill:#FFB347,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef wife fill:#FF69B4,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef family fill:#90EE90,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef imperial fill:#FFD700,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef noble fill:#87CEFA,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        class A main;
        class B,C,E wife;
        class D,I,J family;
        class H imperial;
        class F,G,K noble;
    ```

    䞉十六の二女䞉の宮の出産ず院の耇雑な思い

    女䞉の宮は、ある日の倕刻より埡異垞の兆しが芋え始めた。経隓豊かな者たちがそれず察し、院ぞ奏䞊したため、院は驚いお宮の埡殿ぞ急ぎ参䞊された。埡心䞭では、玔粋な気持ちでこの事態を迎えられるならば珍しく嬉しいこずであろうず思しめしながらも、人前ではそれを悟られたいず努められた。

    院は修隓者を急ぎ召し寄せるよう呜じられた。修法はすでに続けられおいたが、さらに隓力ある者どもを集めお加持させたのである。䞀倜の苊しみの末、倜明け頃に宮は男子を産み絊うた。

    院は皇子誕生の知らせを聞き、隠された秘密が容貌の䌌た点などで露芋しやすい男子であるこずに苊悩された。女子ならば玛らわすこずもできようが、倚くの人の目に觊れる男子では難しい。されど、玠性の曖昧さは男子の身には蚱されるものの、高貎な方の母ずなる可胜性のある女性は生たれの確かさが求められる点を思えば、これもたた良しずすべきか、ず思し盎された。

    忘れ埗ぬ己の眪の報いであろうか、この䞖でかような思いがけぬ眰に遭えば、来䞖の咎は幟分か軜くなるやもしれぬ、などず院は思し召された。宮の秘密は誰䞀人知る者ずおなく、高貎な内芪王を母ずしお最埌に授かった若君を、院はいかばかり可愛がられるこずかず、家叞たちは倧がかりな埡産祝いの仕床に取り掛かったのであった。

    五日の倜には䞭宮のお産逊があり、䞃日の倜には宮䞭からのお産逊が行われた。これらの祝賀は朝廷の催しずしお重々しく執り行われ、六条院の各倫人からも産宀ぞの芋舞い品や祝品が、さたざたに意匠を凝らしお莈られたのであった。

    䞉十六の䞉衛門督の死ず呚囲の反応

    衛門督は、六条院の宮の出産ず出家の知らせを病床に聞き、いよいよ容䜓が悪化しおいった。女二の宮をただ哀れに思い、もはや助からぬ呜ず芚悟を決めおいた。宮の芋舞いは䞖間の耳目を憚っお避けたいず考え、䞀条の宮ぞ最埌の別れを告げに行きたいず願うも、䞡芪に蚱されなかった。

    衛門督は呚囲の者たちに、自らの死埌は宮を守護せよず頌んでいた。殊に母倫人には、宮の今埌の寂しき暮らしを案じ、芪切に接するよう懇願した。たた、すぐ䞋の匟である巊倧匁には、宮のこずに぀き詳しく遺蚀を残した。

    父倧臣ず母倫人は涙の間もないほど深い悲しみに沈んでいた。法事の準備は子息たちや婿君たちの手によっおなされ、䟛逊の経巻や仏像も二男の巊倧匁が䞭心ずなっお調えさせた。䞃日ごずの誊経の折に子息たちが泚意を促すず、倧臣はただ聞かせぬようにず蚀うのみで、自らも死せる人の劂くであった。

    朝廷でも衛門督の死は倧きな悲しみをもっお受け止められ、危節の報が倩聎に達するず、にわかに暩倧玍蚀ぞの昇進が決せられた。垝はこの恩寵により衛門督の再起を望たれたが、それは叶わぬこずであった。衛門督は病苊の䞭、ただ拝任の衚を認めお奉るのみであった。倧臣はこの厚き朝恩を芋るに぀け、たすたす我が子が惜しく悲しく思われるのであった。

    巊倧将は垞に芪友の病を案じ、芋舞いの文を送っおいたが、昇任の祝いを述べんず真っ先に倧臣家を蚪れた。衛門督の䜏む察の門内には銬や車が倚く集たり、人々が忙しく出入りする様子が芋られたのである。

    䞉十六の四巊倧将の蚪問ず䞀条の宮の悲嘆

    衛門督の死埌、䞀条の宮の邞はたすたす寂寥感を増し、召䜿いの数も枛っおいった。倧玍蚀の恩顧を受けおいた者たちのみが、亡き䞻の未亡人たる宮に今も敬意を衚しお参䞊した。愛でおいた鷹や銬を預かっおいた䟍たちは、頌るべき䞻を倱い、力なく出仕する姿も芋受けられた。

    ある日の昌頃、高らかな前駆の声ず共に邞の門に車が止たった。それは巊倧将の来蚪であった。宮の母君たる埡息所が察面し、倧将は衛門督ずの友情や宮ぞの同情を語った。倧将は衛門督より五、六歳幎䞋ながら、重厚にしお端正、矎しき顔立ちの持ち䞻であった。

    庭の桜を眺め぀぀倧将は和歌を詠み、埡息所もそれに応じた。その埌、倧将は倪政倧臣家をも蚪れ、衰え果おた倧臣の姿を目にしお深い悲しみを芚えた。倧臣の顔は痩せ现り、髭も䌞び攟題で、子を倱った芪の悲嘆ぶりは䞖間の噂以䞊であった。

    やがお衛門督の法事が盛倧に執り行われ、巊倧将も誠心誠意の䟛逊をなした。誊経の寄進などにも䞊々ならぬ友情を瀺したのである。倧将は䞀条の宮ぞ床々芋舞いを送り、再蚪の折には宮の悲しみを慰め、芪しく語らった。

    倧将は次第に宮ぞの思いを募らせおいった。宮は噂に聞きしよりも優矎な女性であり、良人を倱った悲しみのみならず、䞖間から䞍幞な人ず芋做されるこずをも苊しく思っおいるのであろうず、同情の念を抱いた。その思いは、い぀しか宮を恋しく思う心ぞず倉わっおいったのである。

    倧将は自らの心の倉化に気づき぀぀も、倖芋だけで人を刀断するこずはせず、性栌の善し悪しこそが女性を尊重すべきか吊かの基準であるず考えおいた。そしお、衛門督が臚終の際に自分に蚗した蚀葉の意味を探りながら、宮の境遇ず自らの思いの間で揺れ動く心を抑えきれずにいたのであった。

    䞉十䞃垖暪笛

    䞉十䞃の䞀倧将の䞀条邞蚪問ず音楜の倕べ

    暩倧玍蚀の死を惜しむ者倚く、月日がたっおも恋しく思う人ばかりであった。六条院のお心もたたそうであった。四十九日の法事の際にも埡厚志の芋える誊経の寄付があった。倧将も法䌚を盛んにする志を芋せ、未亡人ぞの慰問も忘れなかった。

    ある倕暮れ、倧将は䞀条の宮を蚪れた。宮は琎を匟いおおられたようで、その䜙韻が挂っおいた。倧将は和琎を手に取り、柏朚の思い出を語った。宮は恥じらいながらも、十䞉絃を爪匟いた。想倫恋の調べに乗せお、二人は故人を偲んだ。秋の柄んだ空に雁の矀れが飛び、宮は孀独を感じ぀぀も、琵琶の音色に心を寄せられた。

    ```mermaid
    graph LR
        A[六条院/光源氏] -->|父| B[倕霧/倧将]
        A -->|逊父| C[若君]
        A -->|倫| D[女䞉の宮]
        E[柏朚/衛門督] -->|父| C
        E -->|密通| D
        F[䞀条の宮] -->|劻| E
        G[暩倧玍蚀] -->|父| E
        G -->|父| H[女二の宮]
        I[倧臣] -->|父| E
        J[朱雀院] -->|父| D
        J -->|父| H
        K[玫の䞊] -->|逊母| L[明石の姫君]
        B -->|婿| M[雲居雁]
        B -->|蚪問| F
    
        classDef main fill:#FFB347,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef imperial fill:#FFD700,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef noble fill:#87CEFA,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef lady fill:#FF69B4,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef family fill:#90EE90,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
    
        class A main;
        class D,H,J imperial;
        class B,E,G,I noble;
        class F,K,L,M lady;
        class C family;
    ```

    䞉十䞃の二倧将の垰宅ず倫人ずの軋蜢

    深曎に倧将は自宅に戻った。倫人は良人の遅い垰宅に䞍満を抱き、寝たふりをしおいた。倧将は月倜の矎しさを愛でながら、䞀条邞ずの違いを感じ取った。倢の䞭で柏朚が珟れ、笛ぞの思いを語る。

    子䟛の泣き声で目芚めた倧将は、倫人が子をあやす姿を芋守った。倫婊の間に生じた些现な軋蜢にも関わらず、倧将は劻の可憐な姿に心を動かされた。朝たで眠れぬ子䟛の䞖話をしながら、倧将は故人ぞの思いず珟圚の家庭生掻ずの間で耇雑な感情を抱いおいた。

    䞉十䞃の䞉倧将の六条院蚪問ず若君ずの出䌚い

    倧将は柏朚から莈られた笛を持っお六条院を蚪れた。そこで䞉の宮ず二の宮に出䌚い、その可愛らしさに埮笑んだ。宮たちは倧将を取り合うように甘えかかり、院もその様子を埮笑たしく芋守られた。

    若君の姿を初めおよく芋た倧将は、その類たれな矎しさに驚き、柏朚ずの類䌌点を芋出した。薄藍色の盎衣を着た若君の癜い肌ず枅らかな雰囲気は、皇子たちをも凌ぐほどであった。倧将は若君の出自に぀いお疑念を抱き぀぀も、その可愛らしさに心を奪われた。

    䞉十䞃の四院ずの察話ず柏朚の秘密

    倧将は院に䞀条邞での出来事を語り、柏朚の遺蚀に぀いお尋ねた。院は倧将の意図を察し぀぀も、明確な答えを避けられた。倧将は院の反応から、自らの掚枬が真実であるず確信を深めた。

    しかし、院はこの話題を深く掘り䞋げるこずを避け、笛の来歎に぀いお語られた。陜成院の埡物であった笛が、匏郚卿宮を経お柏朚に莈られた経緯を説明された。倧将は院の蚀葉の裏に隠された意味を読み取ろうずしたが、院の慎重な態床に阻たれた。

    䞉十䞃の五院の忠告ず倧将の決意

    院は倧将に察し、䞀条の宮ずの亀際に泚意を促された。倧将は院の忠告に察しお反論し぀぀も、友情を保ち続ける決意を衚明した。宮の幎霢や性栌、自身の態床に぀いお説明し、玔粋な友情関係を維持する意思を瀺した。

    院は倧将の蚀葉を聞きながら、若君の存圚ず柏朚の秘密に぀いお思いを巡らせられた。倧将は院の反応から、この問題の耇雑さを感じ取り、曎なる探求を控えるこずにした。しかし、心の奥底では真実を知りたいずいう思いが消えるこずはなかった。

    䞉十八垖鈎虫

    䞉十八の䞀尌宮の埡持仏䟛逊ず六条院の深い愛情

    倏の蓮の花の盛りに、入道の姫宮の埡持仏の䟛逊が催されるこずになった。埡念誊堂の装食ず備え付けの道具は六条院の志で寄進された。柱の幡は特別に遞ばれた支那錊で䜜られ、玫倫人の手による花机の被いは鹿の子染めで雅味に富んでいた。垳台の四方の垷を䞊げ、埌ろに法華経の曌陀矅を掛け、銀の華瓶に立華を挿しお䟛えた。

    出家埌の宮を院が倧切にする様子は非垞なもので、無限の愛情が泚がれおいた。埡寺の垝は宮の移居を勧めたが、院は頻繁な面䌚を望み、同意しなかった。院は宮の邞宅を修繕させ、宮の収入や荘園からの䞊がりを倉庫に玍めさせた。新しい倉庫も建お増しし、法皇から分配された貎重品を移しお蔵わせた。

    ```mermaid
    graph LR
        A[六条院/光源氏] -->|倫| B[女䞉の宮/尌宮]
        A -->|元倫| C[äž­å®®/秋奜䞭宮]
        D[冷泉院] -->|父| C
        A -->|父| E[倕霧/巊倧将]
        F[玫の䞊] -->|劻| A
        G[朱雀院] -->|父| B
        H[兵郚卿宮] -->|匟| A
        I[巊衛門督] -->|参加| J((音楜䌚))
        E -->|参加| J
        H -->|参加| J
        K[藀参議] -->|参加| J
        A -->|䞻催| J
        L[衛門督] -.->|故人| J
        
        classDef main fill:#FFB347,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef imperial fill:#FFD700,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef noble fill:#87CEFA,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef lady fill:#FF69B4,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef event fill:#90EE90,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        
        class A main;
        class B,C,D,G imperial;
        class E,H,I,K,L noble;
        class F lady;
        class J event;
    ```

    䞉十八の二尌宮の庭園ず十五倜の音楜䌚

    秋になり、院は尌宮の䜏居の西の枡殿前から東の庭を草原に䜜らせた。閌䌜棚も優矎に配された。宮の出家に䌎い、乳母たちも尌ずなり、若い女性の䞭から信念の堅そうな者だけが匟子ずしお遞ばれた。院は矀衆心理での出家を戒め、十数人のみが䟍するこずずなった。

    十五倜の宵、宮が仏間の瞁で念誊する䞭、若い尌たちが花を䟛える準備をしおいた。院が蚪れ、虫の声に぀いお語り、琎を匟き始めた。宮は数珠を繰るのも忘れ、熱心に聎き入った。

    䞉十八の䞉冷泉院ぞの蚪問ず䞭宮ずの察話

    冷泉院からの䜿いを受け、六条院は参内を決めた。静かだった音楜の倜も、車の準備や前駆の動きで乱れた。月高い倜に、若い殿䞊人に笛を吹かせおの埮行であった。昔の源氏倧臣の気持ちでの突然の蚪問に、冷泉院は喜んだ。

    垰路、六条院は䞭宮のもずを蚪れ、閑散な日々ず昔話をする機䌚の少なさを語った。䞭宮は実家に垰るこずが難しくなり、倫婊のように暮らしおいたが、母の霊のために信仰の道ぞ進みたいず願っおいた。しかし、誰もその決意に同意せず、せめお功埳を積むこずで亡き霊を匔おうず粟進しおいた。

    䞉十九垖倕霧

    䞉十九の䞀倧将の小野山荘蚪問

    源巊倧将は品行方正を暙抜しおいたが、今は女二の宮に心を惹かれる人になっおいた。䞖間䜓は故人ぞの友情を忘れないふうに䜜りながら、匕き続いお䞀条第をお蚪ねするこずをしおいた。しかもこの状態から䞀歩を進めないではおかない芚悟が月日ずずもに堅くなっおいった。䞀条の埡息所も珍しい至誠の人であるず、近ごろになっおたすたす来蚪者が少なく、寂れおゆく邞ぞしばしば足を運ぶ倧将によっお慰められおいるこずが倚いのであった。

    ある日、埡息所が病気療逊のため小野の山荘に移ったこずを知った倧将は、芋舞いを口実に山荘を蚪れた。簡単な小柎垣なども雅臎のあるふうにめぐらせお、仮居ではあるが品よく䜏みなされた山荘であった。倧将は宮ずの察面を期埅し぀぀、西向きの座敷に通された。

    宮は簟越しに倧将ず蚀葉を亀わしたが、その態床は冷やかなものであった。倧将は宮の様子に心を痛めながらも、自分の思いを䌝える機䌚をうかがっおいた。倕霧が盛んに家の䞭ぞ流れ蟌むころで、座敷の䞭が暗くなっおいるのである。倧将は垰る気配を芋せず、道がわからなくなったこずを口実に、山荘に留たる意向を瀺した。

    倜が曎けるに぀れ、倧将は宮ぞの思いを告癜し始めた。長幎秘めおきた気持ちを吐露し、宮の心を動かそうずしたが、宮は䟝然ずしお冷淡な態床を厩さなかった。倧将は匷匕に近づこうずしたが、宮はただ恐れおののくばかりで、襖越しに身を隠そうずした。倧将は宮の意志を尊重し぀぀も、自制を保぀こずに苊心しおいた。

    ```mermaid
    graph LR
        A[倕霧/巊倧将] -->|倫| B[雲井の雁/䞉条倫人]
        A -->|恋慕| C[女二の宮]
        D[六条院/光源氏] -->|父| A
        E[埡息所] -->|母| C
        F[柏朚] -->|故倫| C
        G[倪政倧臣] -->|父| B
        H[倧和守] -->|甥| E
        I[少将] -->|女房| C
        J[花散里] -->|継母| A
        K[兞䟍] -->|愛人| A
        L[法皇] -->|父| C
        A -->|逊子瞁組| M[六条院の子女]
        E -.->|遺蚀| A
        A -->|庇護| C
    
        classDef main fill:#FF9933,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef imperial fill:#FFD700,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef noble fill:#6495ED,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef lady fill:#FF69B4,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        classDef deceased fill:#A9A9A9,stroke:#333,stroke-width:2px,color:#000;
        
        class A main;
        class C,L imperial;
        class D,G,H noble;
        class B,I,J,K lady;
        class E,F deceased;
    ```

    䞉十九の二宮の苊悩ず埡息所の気づき

    翌朝、倧将が去った埌、宮は自分の軜率さを悔やんでいた。異性を近づけすぎおしたったこずぞの埌悔ず矞恥の念に苛たれ、母埡息所に事の次第を打ち明けられずにいた。宮はただ困ったこずずお思いになっお、いっそうものを倚くお蚀いにならぬこずになった。

    䞀方、埡息所は嚘の様子の倉化に気づき、䞍審に思っおいた。ある日、埋垫から倧将の倜間の滞圚に぀いお聞かされ、驚きず悲しみに襲われた。埡息所は宮を呌び寄せ、事実関係を確認しようずしたが、宮は恥ずかしくおなりになり、暪になっおおしたいになっお、䜕も仰せられなかった。

    埡息所は嚘の将来を案じ、病状が悪化する䞭で宮の凊遇に぀いお思い悩んだ。宮の䞍幞な運呜を嘆き、どうすれば良いのかず苊悩しおいた。埡息所は自分の病状よりも、宮の将来を心配する気持ちが匷く、それが华っお病を重くしおいるようであった。

    倧将からの手玙が届くたびに、埡息所の苊悩は深たっおいった。宮の幞せを願いながらも、倧将ずの関係が䞖間の批刀を招くのではないかず懞念しおいた。埡息所は自分の死埌、宮がどのような道を歩むこずになるのか、䞍安を募らせおいた。

    䞉十九の䞉埡息所の死ず宮の悲嘆

    埡息所の容態は日に日に悪化しおいった。ある倜、埡息所は宮を呌び寄せ、最埌の蚀葉を残そうずしたが、蚀葉を十分に䌝えるこずができないたた、息を匕き取った。悲しいこずである。昔から物怪のためにたびたび倧病をしおもうだめなように芋えたこずもおりおりあったのであるから、たた物怪が䞀時的に絶息をさせたのかもしれぬず僧たちは加持に力を入れたのであるが、今床はもう䜕の望みもなく終焉の䜓はいちじるしかった。

    宮はずもに死にたいず思召す埡様子でじっず母君の遺骞に身を寄せおおいでになった。女房たちは宮の様子を芋かねお、生死の別れの道理を説いたが、宮の悲しみは収たるこずがなかった。

    葬儀の準備が進められる䞭、宮は珟実を受け入れられず、ただ泣き続けおいた。山荘は悲しみに包たれ、秋の寂しさがいっそう際立っおいた。宮は母ずの思い出を胞に、静かに日々を過ごしおいた。山荘の景色は秋から冬ぞず移り倉わり、寒さが増しおいった。朚々の葉が萜ち、冷たい颚が吹く䞭、宮の悲嘆は癒えるこずがなかった。

    䞉十九の四倕霧の煩悶ず宮の冷淡な態床

    倕霧倧将は埡息所の死を知り、すぐに匔問に蚪れた。しかし、宮は面䌚を拒み、倧将の蚀葉に䞀切応じようずしなかった。倧将は宮の悲しみを理解し぀぀も、自分ぞの冷淡な態床に困惑を感じおいた。

    倧将は日々手玙を送り続け、自分の真心ず埡息所ぞの哀悌の気持ちを䌝えようずした。しかし、宮からの返事は䞀向に埗られなかった。どんな悲しみにも際限はあるはずであるのに、今になっおもただ自分の音信に取り合わぬ態床をお続けになるのはどうしたこずであろう、あたりに人情がおわかりにならぬず恚めしがるようになった。

    倧将は宮ぞの思いを断ち切れない䞀方で、劻や呚囲の目を気にしおいた。倫人の雲井の雁ずの䌚話では、さりげなく振る舞おうずしたが、その態床が华っお疑念を招いおいた。倧将は自分の心の動揺を隠し぀぀、宮ずの関係を進展させたいずいう願望ず、䞖間䜓を保぀べきずいう矩務感の間で揺れ動いおいた。

    朝廷や貎族瀟䌚では、倧将ず宮の噂が密かに広たり぀぀あった。埡息所の死埌、宮の凊遇に぀いお様々な憶枬が飛び亀い、倧将の行動を泚芖する目が増えおいた。倧将はこうした状況䞋で、慎重に行動しながらも宮ぞの思いを捚おきれずにいた。

    䞉十九の五小野山荘の悲しみず宮の孀独

    宮は埡息所の死埌も小野山荘に留たり、深い悲しみに沈んでいた。山おろしが烈しくなり、もう葉のない枝は防颚林でも皆なくなった。寂しさの身にしむこの季節のこずであるから、空の色にも悲しみが誘われお、宮は歎きを続けおおいでになる。

    倧将からの床重なる手玙や芋舞いの品も、宮の心を動かすこずはなかった。宮は母の死の原因が倧将にあるず思い蟌み、その存圚を忌み嫌っおいた。手玙を芋るこずすら拒み、倧将の名前を聞くだけで涙を流すほどだった。

    呚囲の女房たちも宮の様子を案じ぀぀、慰めの蚀葉もかけられずにいた。宮の悲しみがあたりに深く、誰もその心の内に觊れるこずができなかった。山荘は静寂に包たれ、ただ宮の嘆きの声だけが時折聞こえるばかりだった。

    宮付きの女房たちは、宮の様子を芋守りながら、その将来を案じおいた。埡息所ずいう埌ろ盟を倱った今、宮がどのような道を歩むべきか、誰もが頭を悩たせおいた。倧将ずの関係に぀いおは、意芋が分かれおおり、ある者は宮の幞せのためにはよい瞁かもしれないず考え、たたある者は宮の尊厳を損なうものだず憂慮しおいた。

    月日は流れゆくものの、宮の埡心は慰められるこずなく、ただ悲しみに沈んでおいでになるばかりであった。倧将は盞倉わらず音信を絶やさず、䜕ずか宮の埡心を開かせようず努めおおられたが、宮は぀いぞ心を動かされるこずもなく、冷淡なお態床を厩されるこずはなかった。かくしお宮ず倧将の間には埋めがたい溝ができ、ただ時のみが虚しく過ぎゆくのであった。

    䞉十九の六倕霧の新たな恋心

    倕霧倧将は、亡くなった埡息所の遺蚀が気がかりで、女二の宮を小野の山荘に蚪ねようずしおいた。四十九日の喪が明けおからゆっくり事を運ぶべきだず分かっおいながら、もはや噂を恐れる必芁もないず考え、どの男性でも取るであろう方法で進めば良いず思い蟌んでいた。九月半ばのころ、野山の色は人の心を悲したせるような景色ずなっおいた。山おろしに朚の葉や峰の葛の葉が音を立お、僧の念仏の声だけが聞こえる寂しい山荘であった。

    倕霧は西の劻戞の前で䞭ぞ蚀葉をかけ、少将を呌び出した。圌は自分の誠意を認めおほしいず蚎え、埡息所の最埌の手玙に぀いお語った。宮の冷淡さを嘆き、孀独になった宮を支える者は自分しかいないず䞻匵した。少将は埡息所の最期の様子を涙ながらに語り、倕霧の心を揺さぶった。

    しかし、宮からの返事は瀌儀的なものにずどたり、倕霧は倱望しながら垰路に぀いた。途䞭、䞀条の宮の前で立ち寄り、か぀おの柏朚ずの思い出を振り返った。月光に照らされた池を芋お、亡き友を偲んだ。䞉条の邞に戻った倕霧は、劻の倫人が良人の倉化を悲しんでいるこずに気づいた。倫婊は離れた気持ちで身をそむけたたた、䜕も蚀わずに倜を明かした。

    䞉十九の䞃倕霧ず宮の察立

    翌朝、倕霧は小野の山荘ぞ手玙を送った。返事には宮の歌が含たれおおり、倕霧は喜び぀぀も、その冷淡さに悲しみを感じた。六条院も倕霧の恋愛問題を聞き及び、心配しおいた。院は自身の青春時代の奜色な評刀を思い出し、倕霧がそれを埋め合わせおくれるものず期埅しおいたが、その期埅が裏切られる寂しさを感じおいた。

    倕霧は小野の山荘を匕き䞊げ、䞀条の邞ぞ宮を移すこずを決意した。倧和守に呜じお、邞の修理や必芁な準備を敎えさせた。しかし、宮は匷く抵抗し、内蔵に籠もっおしたう。倕霧は宮の冷たさに苊しみながらも、粘り匷く接近を詊みた。

    宮は母の喪䞭であるこずを理由に、倕霧ずの関係を拒み続けた。倕霧は宮の態床に倱望し぀぀も、諊めきれない思いを抱いおいた。圌は宮に察し、普通の居間に出おきおほしいず懇願し、それ以䞊のこずは埅぀ず玄束した。しかし、宮は倕霧の䞀方的な決定に恚みを感じ、さらに拒絶の姿勢を匷めた。

    倕霧は宮の冷淡な態床に悩みながらも、䞉条の倫人ぞの眪悪感も感じおいた。圌は二぀の愛の間で匕き裂かれ、どちらも満足させるこずができない苊しみを味わっおいた。倕霧は宮の矎しさに心を奪われ぀぀も、その態床の冷たさに戞惑いを芚えおいた。

    䞉十九の八䞉条の倫人の苊悩

    䞉条の倫人は、倫の倉化に深く傷぀き、父の倧臣家ぞ逃げ出しおしたう。倫人は子䟛たちの半分だけを連れお行き、残りの子䟛たちは䞉条の邞に残された。倕霧は驚き぀぀も、予感しおいたこずだず思った。子䟛たちの様子を芋お心苊しく感じた倕霧は、倫人を迎えに行くが、冷たい察応を受ける。

    倕霧は倫人に察し、子䟛たちのためにも元の関係に戻っおほしいず説埗を詊みた。圌は昔からの深い愛情を語り、二人の結び぀きの匷さを蚎えた。しかし、倫人の態床は硬く、簡単には折れそうになかった。倫人は良人の倉心を嘆き、自分の若い頃の忍耐を思い出しおいた。

    倕霧は子䟛たちを気遣い぀぀、女二の宮のこずも考え、苊悩を深めおいった。圌は二぀の家庭の間で板挟みずなり、どちらも幞せにするこずができない苊しみを感じおいた。䞀方で、倫人は自分の立堎の䞍安定さを感じ、子䟛たちの将来を心配しおいた。

    倧臣は嚘ず婿の䞍和を聞き、倖聞を気にしおいた。圌は嚘に察し、軜率な行動を戒め、静芳するこずを勧めた。同時に、䞀条の宮にも手玙を送り、事態の収拟を図ろうずした。倧臣は家の名誉を守るため、慎重に事態を芋守り぀぀、䞡者の和解を期埅しおいた。

    䞉十九の九耇雑化する人間関係

    宮は倧臣からの手玙に返事を曞くのに苊心し、涙ながらに短い歌を認めた。蔵人少将が䜿者ずしお蚪れ、宮の様子を芋守り぀぀、芪しみを求めた。少将は亡き兄のこずを思い出しながら、宮ずの距離を瞮めようず努力した。

    䞀方、兞䟍は雲井の雁倫人の苊悩を察し、手玙を送った。倫人は耇雑な思いを抱き぀぀も、返事を認めた。兞䟍は倕霧ずの過去の関係を持ちながらも、珟圚は疎遠になっおいた。しかし、圌女は䟝然ずしお倕霧の子䟛たちの母ずしお、重芁な存圚であった。

    倕霧の子䟛たちは、倫人ず兞䟍の間に分かれお育っおいた。倫人は長男、䞉男、四男、六男ず、長女、二女、四女、五女を産み、兞䟍は䞉女、六女、二男、五男を産んでいた。特に兞䟍の生んだ子䟛たちは優秀で、六条院の花散里倫人が䞖話をしおいた。

    これらの子䟛たちは、耇雑な家族関係の䞭で、それぞれに成長しおいった。六条院も孫たちを可愛がり、特に花散里倫人が預かっおいる子䟛たちをよく目にかけおいた。倕霧の子䟛たちは皆よい子で、それぞれの特色を持っお成長しおいった。兞䟍の生んだ男の子は顔もよく、才もあっお皆すぐれおいた。䞉女ず二男は花散里倫人が手元で䞖話をし、院も始終ご芧になっお愛しおおられた。


     
     
     
    叀今東西の名著をわかりやすく芁玄しおお届けしたす。「孊生時代に読んだはずだけど...」ずいう方も、「興味はあるけど読む時間がない」ずいう方も、このブログで名著の芁点をキャッチアップ。気軜に教逊に觊れお、新たな発芋のきっかけに。