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弟のバターたっぷりステーキ

    私には、7歳下の弟がいるのだが、兎にも角にもこだわりが強いタイプ。とくにこだわりのない姉からすると、なかなか同じ親から生まれたと思えない、似てないところがちらほらある弟だ。

    小学生のときから、「ミルクティーにするならアールグレイ一択」とか、最近は社会人になって1人暮らしを始めたと思えば「かつおのたたきを食べている、必ず生姜とにんにくを添えて」なんて一丁前に言っていらっしゃる。

    そんな弟が、先日ステーキを焼いてくれた。「今日は俺が担当でステーキを焼きます」と、なんてことない土日にステーキとは、なかなか豪勢やな、と思っていたら、「バターある?100g」と言ってきた。おぉっと!このバターが高級品な時代にさらに贅沢してきた、この子。母が「えーもうちょっと少なくしてよ」と言うけれど、一歩も引かない。

    最終的に、ステーキ大好きな父の了承によってバター100gは勝ち取ったようだ。ステーキなのもあり、ダイニングにまで美味しそうなバターとお肉の匂いが漂う。

    「はい、できました」とクールを装ってるがなかなかなドヤ顔で出来上がったそれは、まるでウルフギャングを彷彿とさせる豪勢さだった。表面はパリっと仕上がり、中はほんのりと赤いミディアムレア。もちろんウルフギャングなんて行ったことないけれど、それくらいに美味しそうだった。というか、めちゃめちゃ美味しかった。塩とバターのシンプルな味わいに、口いっぱいに肉を感じられる焼き加減。全然これでいい。むしろこれ最高。

    聞けば、溶かしたバターを何度も何度も肉にかけ、まるで揚げ焼きのように焼いたと言う。なるほど、やっぱり決め手はバターだったのか。作るまでは「まーたこだわり太郎出してきたよ」と思っていたけど、このステーキに完全K.O.負け。こだわるのもなかなか悪くないじゃないか。

    やっぱり今日も私の弟は面白い。

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