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Photo bydonchan_13

野生的の意味

    一色澄乃

    「もうちょっと野生的になったら素敵なのに」
    ある日突然、母が言いました。
    ”野生的”の意味が分からず、?マーク満載の表情をしていると、

    「家の畑もたまには覗いてみなさい。
    とにかくあなたは隙がないのよ。
    土いじりでもしたら、そういう一面もあるんだ〜って人は見るでしょ?」

    水やりをしなくても良いサボテンですら枯らす人ですよ?私は。
    私が畑で土いじりをしようものなら、作物を枯らしかねないですが?

    「それは心がけ次第。
    常に植物を気にかけて、話しかけたら、絶対植物は応えてくれるから」

    その言葉を信じて、植物を買って、職場に置いておきました。
    話しかけないまでも、常に植物の状態を気にして、大事に育てていました。

    けれどある日から急に雲行きが怪しくなり、延命措置も虚しく、とうとう植物は息絶えました。
    私の元に来る植物は、ことごとく短命です。
    それはあまりにも植物に申し訳ない。
    隙がなくて、結構です。
    私はこのまま生きて行こうと思いました。

    それを母に報告したら、私が野生的になることは諦めたようです。

     
     
     
    お寺に生まれ育ちました。 母の言葉、昭和の手仕事、仕事や暮らしの中で感じた小さな違和感を、エッセイにしています。

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