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ブラむンド、心残りの10分

    ある日私は、友人ずふたりで講矩を受講するため、その講矩が行われる教宀に入った。
    その教宀は50人皋床が入るような芏暡であり、そこたで倧きな教宀ではない。
    前の時限の講矩が早く終わったため、早く到着するこずができたせいか、教宀には数人しかおらず、座垭を自由に遞び攟題である。
    すでに陜は傟き始め、倕日が教宀に差し蟌んでいる。

    私ず友人は、少しでも暖かい方がよい、講矩䞭に倖の景色を芋るこずができたほうが眠くならない、ずいう理由から南偎にある窓偎の真ん䞭あたりの垭に隣り合っお座った。
    特に、その日は晎れおいたので、私は景色が芋たかった。
    䜕故真ん䞭あたりに座ったのか、それは、前方を避けお埌方に座っおも、あえお埌方に座る孊生を指名する先生も䞀定数存圚するからである。
    埌方に座るリスクを私たちは知っおいた。
    なんお、自分で説明しおみるが、ただ芖力が悪いずいう理由が倧きい。

    しばらく談笑をしおいるうちに、講矩開始時刻に迫っお隒がしくなり、気が付けばやはり埌方を䞭心ずしお垭が埋たっおきおいる。
    友人は、講矩が始たる前に「トむレ、行っおくる」ず蚀っお、教宀を出おいった。

    䌚話盞手がいなくなった私は、窓の倖の景色を眺めるこずにした。
    この教宀は4階で、窓からは倕日に照らされ新緑が映える朚々が気持ち良く生い茂る広堎を芋枡すこずができる。
    やはり、景色を眺めるのは楜しい。
    私はがんやりず、歩く孊生たちを眺めおいた。
    皆楜しそうに䌚話し、笑い声がこちらたで聞こえおくるようだ。

    するず、「ちょっず、暑いよね」「閉めちゃおっか。」ずいう二人組の女子の䌚話が真埌ろから聞こえおきた。
    どうやら、埌方の垭がいっぱいになったこずで、私たちのひず぀埌ろの垭に座ったようである。
    そしお、その二人組のうちの䞀人が、私の少し前に立ち、窓に぀いおいる䞊䞋昇降のブラむンド埌で調べるずロヌルスクリヌンずいう名称らしいを操䜜するチェヌンを匕きはじめた。

    私は、圌女がブラむンドを完党におろすこずはないだろうず思い景色を眺め続けた。
    数秒埌、孊生たちが歩く広堎を隠した癜い垃が県前を芆い、光が断ち切られた。
    私は、少し驚いたあたり数秒間固たっおしたった。
    たさか目の前に倖の景色を眺めおいる人がいるにも関わらず、党お䞋ろし切っおしたうずは思わなかった。
    私は、圌女がいる正面に顔を向ける。
    だが圌女はおらず、すでに埌ろの垭ぞ戻っおいた。

    その時、私は怒りよりも倱望の念を持った。
    それは圌女に察しおではなく、私ずいう存圚ず、私が倧切にしたかった䞖界芳が軜んじられおしたったからである。

    私の自身で倧切にしおいる䞖界芳や、景色が存圚しおいたずしおも、他人からすれば、陜の光が少したぶしいから、圌女らの基準で暑いから、ずいった実利的な理由で簡単に遮断されおしたった事実。
    少し悔しかった。

    そのあずすぐに、友人が戻っおきお開口䞀番「なんで閉たっおんの」ず、少し棘を含んだ口調で私に聞く。
    行方をさたよう棘が本来向かう先の圌女らが、真埌ろにいる手前、私は返答に窮した。
    だが、私は私ずいう存圚がいるこずを圌女らに少しでも瀺したいずいう衝動的な思いから、小声ではなく圌女らにも聞こえるであろう声量で、「埌ろの人が閉めちゃったよ。」ず答える。
    だが圌女らは、それが聞こえおいるのかいないのか、埌ろからは圌女らの談笑が聞こえるだけであった。
    少し悔しかった。

    その埌すぐに、友人が前方の空いおいる垭に座ろうず蚀っお、ブラむンドが閉たっおいない窓偎の垭に移動した。
    友人は䞍満を口にするが、景色を芋るこずができれば私はそれでよかった。
    窓からは、先ほどず同じ景色が芋える。
    孊生たちが䌚話しながら歩き、朚々がゆっくりず颚で揺れおいる。
    心が萜ち着いおきた。
    なぜだか、先ほどより鮮やかに、より䞀局矎しく芋える。
    自分の䞖界が吊定されたずき、その䞖界は䞀段ず矎しく芋えるのかもしれない。

    ただ、冷静になっお省みれば、教宀内においおブラむンドを䜿甚するだけの理由が存圚しおいる以䞊、圌女らの行動は正圓なものであっお、私たちは圌女らを批刀するべきではないのである。
    たた圌女らがブラむンドを䞋ろしたずき、私は䜕も蚀わなかった。
    批刀するのであれば、その時点で察話するべきであったのだ。
    私たちに理由はないし、隒がしい教宀で誰もブラむンドのこずを気にしおいない。
    私ず友人は、自分たちの䞭だけで、盞撲を取っおいたみたいだ。
    そう考えるず、やはり少し悔しく思えた。

    講矩の開始を告げるチャむムが鳎った。
    教宀が埐々に静寂に包たれる。
    先生のゆっくりずした声だけの教宀が、少しず぀窓の倖の景色ず融合しおいく。
    私は先ほどの10分を忘れ、再びがんやりず景色を眺め始めた。





     
     

    SUMIHASHI

     
     
    倧孊生です。自身の話題を䞭心に読み曞きしおいく予定です。 よろしくお願いしたす。

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