
47歳でクビ。それでも「下請けゼロ」で年商1億を作った小さなサッシ屋の話⑧
第8章:【主導権】—仕事の入口だけは、自分で握る
なぜ私は「下請け」という選択肢をしなかったのか?
昔から、「自分の人生の主導権を他人に委ねたくない」という、強烈なまでの感覚が根底にあります。
他人に責任を転嫁せず、すべて自分の判断と責任で生きたい。振り返れば、私の仕事選びや経営判断の根底には、常にこの思いがありました。
下請けという働き方を否定したいわけではありません。
実際、言われたことをきっちりこなす形が向いている人もいるでしょう。
それが業界を支えている側面もあります。
ただ、私個人の性格として、どうしても「自分の仕事の入口を他人に握られている感覚」に耐えられないのです。
昔経験した下請けの仕事では、常に元請け側の都合を優先しながら動かなければなりません。元請けの都合に振り回され、自分の未来を自分で決められない。
その働き方が、どうしても自分には合いませんでした。
だから集客は、売上のためだけではありません。自分の人生のハンドルを、自分で握るため。その想いが、私を自社集客へ向かわせたのです。
仕事の入口を、自ら作るということ
現場に私と相棒の2人がいて、ただ仕事が来るのを待っている。そんな状況だけは避けたかった。
社長の真の仕事は、仕事を取ってくることです。それも、こちらから頭を下げるのではなく、向こうから「手を挙げてもらう」仕組みが必要でした。
1,000日間、試行錯誤を繰り返して確信したことがあります。
小さな会社でも集客の主導権を自分で持てば、自分たちの意思で未来を選べるということです。
ネットを通じてお客様と直接繋がり、自社でお客様との接点を確保する。
単に利益を残すためではありません。 仲間を守るためです。
人を大切にできる会社は、綺麗事の理念からではなく、仕事を生み出す仕組みを自社で握ることで作られるのです。
正直に言います。もう一度やれと言われたらゲロがでます。
ここまで良いことばかりを書いてきたように見えるかもしれません。ですが、ここで「このやり方は誰でも簡単にできる」なんて、安易には言えません。
なぜなら、もし今、私が47歳でまたゼロになり、「もう一度あの1,000日ブログを書き続ける日々をやれ」と言われたら、絶対に嫌です。
ブログ記事を3000文字書いて保存前に消えたときの絶望感。あれの100倍くらい嫌です。
それくらい、ゼロから自社の足場を立ち上げるのはめちゃくちゃにしんどい。
結果が出る前の数年間を、疑いながらでも愚直に続けられる人は、実際には多くありません。ネットに自社の足場を作るということは、それほど甘くないのです。
時々聞かれることがあります。「今の安部さんがゼロから始めるならどうしますか」
もし今、私がすべてを失ってゼロからスタートするなら、決して当時と同じようにブログ一本には絞りません。
Googleビジネスプロフィールを整え、少額でも広告を回しながら、それらと連動させる形でブログを書く。
LINEで友だちの数を増やしリピート客を軸に置くかもしれません。つまり、複数の仕事の入口を、同時に、立体的に構築すると思います。
時代に合わせて、使う道具や手法は変わっていく。それは当然のことです。 ただ、私の中で、これだけは絶対に変わらない原則があります。
仕事の入口だけは、絶対に他人に握らせないということです。
最後に
だから私は、すべての職人さんに「今すぐブログを書け」とは言いません。このまま下請けとして生きていくのだって、一つの立派な人生の選択です。それが悪いことだとは微塵も思っていません。
ただ、もしあなたが現状に少しでも息苦しさを感じているなら。 誰かに選ばれるのを待つのではなく、自分で道を作りたいと願うなら。
小さな会社が、自分の足で立つための「仕事の入口」。
その価値を、一度だけ真剣に考えてみてほしいのです。
不器用でもいい。遠回りでもいい。
自分の人生の主導権を、誰に握らせるのか。
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