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松阪牛の誇りを、炭火の鉄鍋にのせて。自社牧場から届く『厚切り』の衝撃、和田金で味わう寿き焼きの真髄。

    松阪の地に聳え立つ至聖所「和田金」。
    ここは単なるレストランではない。自社牧場「和田金ファーム」で兵庫県産の素牛を丹精込めて肥育し、独自の「松阪牛」を確立している。この日いただいた肉のルーツは丹波。その一皿に込められた歳月に、背筋が伸びる思いがした。

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    ■ 炭火と南部鉄器、そして「厚切り」の矜持
    炭火でじっくりと温められた南部鉄器。そこに仲居さんの手際よい所作で、砂糖、自家製たまり醤油、そして薄い昆布出汁が注がれる。

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    特筆すべきは、お肉の「厚み」だ。
    和田金の松阪牛は、他店よりも明らかに厚くカットされている。これは自社で肥育し、肉質を完璧にコントロールできている自信の表れに他ならない。厚切りゆえの力強い食感、そして噛みしめるたびに溢れ出す濃密な肉汁。まさに「肉を喰らう」悦びがここにある。

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    ■ 厳選された「ザク」と、青森の名米
    脇を固める食材も、一切の妥協がない。
    淡路の玉ねぎ、大分の椎茸、新潟の白舞茸。そして、それらを完璧に受け止めるのは、青森県産の「青天の霹靂」。適度な粘りとキレのある米が、甘美なタレを纏った肉の脂を鮮やかに浄化してくれる。

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    ■ 暖簾を守る、細部へのこだわり
    ちなみに、和田金では1人での訪問でも2人前以上の注文が必須となる。
    私は「寿き焼き」に加え、網焼きの「志を焼き(しおやき)」も堪能した。
    決して安くはない。しかし、松阪牛という文化の頂点に触れるためには、これ以上ない体験だと言えるだろう。自社肥育へのこだわりから、一粒の米に至るまで。その徹底した姿勢に、老舗の真髄を見た。

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