
日常
ベッドに吸い込まれて同化しかかっている魂を
引き剥がすように何とか起き上がる。
動けなくなる前にシャワーをあびて髪を乾かし
ぎゅうぎゅうにパンを口に詰め込む
流れっぱなしの情報を受け取らずに聞き流して化粧をする。
毎日、毎日繰り返す。くすんだ透明な時間
頑張って家を出て職場に入り、自分の存在を少しだけオンにする。
例えばわたしが今いなくなったら、悲しいと思う人は数人いるだろうけど
家も、毎日も、職場も、当たり前に回っていく
そこには感情なんて伴わないし、ましてや社会が滞ることなんて全くない。
エネルギーをマイナスにしながら必死で生きているけど、毎日自分の存在がどんどん希薄に透けていくような感覚がある。
夫と2人だけの生活なんて、簡単に一抜けできてしまう。
だから、ちょっとずつ向けられる屈折した感情を日常の愚痴というベールで避けながら、家族を一番にする。
余裕がなさすぎて散乱した部屋、作っても保存する容器に移すことさえ出来ず傷んでしまう料理
夜遅くまで働き、ただ食べて呼吸をして、頑張って眠る毎日。
チクチク針を刺しにきながら、気まぐれにやりたい家事だけをやって、王様でいることを甘受されている生活に連れ合いも何となく居心地の良さを感じている気がする。
きっと、こんな機能不完全な家庭は我が家だけではないと思っている。
消化できずに置き去りにされた感情が、わたしの半分透けた分厚い身体の中心に、ドブが濁流になったような渦を巻いて恐らく透けて見えている。
丁寧な暮らし、お掃除術、世の中にあふれるモヤに包まれたキラキラした情報を、指を咥えて眺めながら
どこかで巻き返しをしたい気持ちを部屋の埃と一緒に置き去りにして
しんどさを言葉にできずに毎日を生きている