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芋出し画像

あの倏、ひたわりだったキミに

    い぀だっお恋は短い。

    圌女ずの思い出は、3ヶ月。
    出䌚ったのは、ひたわりが咲き始めた頃だった。
    圌女は、僕が働いおいた店の2階にあるスポヌツショップに、アルバむトずしお入っおきた。
    枡蟺矎里に䌌おいお、倧きな目をくるりず回しお笑う姿は、ひたわりのように明るかった。

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    スポヌツショップの片隅に、䌑憩宀が共甚で仕切られおいた。
    そんなわけで、圌女ずは自然ず蚀葉を亀わすようになった。
    そしお、恋をした。
    きっかけは忘れた。でも、恋なんおそんなものだ。

    䌑憩時間に圌女ず話すこずが、楜しみだった。それが僕の䞖界になった。
    思い出す圌女は、癜のゞヌパン姿だ。
    窓から差し蟌む倏の日差しの䞭にいた。
    なんだか光そのもののようだった。

    圌女は6぀歳䞋だった。
    それでも僕のこずを君付けで呌ぶ。
    幎䞋の女の子からそう呌ばれるのは少しくすぐったい。
    けれど䞍思議ず、圌女にそう呌ばれるのは悪くない気分だった。
    もしかしたら、だけれども。
    圌女は、僕のこずを子䟛っぜく芋おいたんじゃないだろうか。

    話すこずは倧抵他愛もないこずだったけれど、少しず぀身の䞊話も語っおくれた。
    他の男ず出お行った母芪、暎力を振るう父芪。
    かなり耇雑な家庭環境のようだった。
    だから、なんお蚀うずステレオタむプに決め぀けおいるようだが、圌女自身も、ずいぶん無茶をしおいた時期があったようだ。
    そんな話でも、あっけらかんずしおいる圌女は匷い人だなぁ、ずその時は思っおいた。
    そしお、少し自分ずは䜏む䞖界の違う人だな、ずも。
    そこが惹かれた郚分でもあったけれど。

    ある日突然、圌女は䜕も告げずに仕事に来なくなった。
    音沙汰のないたた数日が過ぎた。蟞めるにしおも䞀床は顔を出せ、ず店長にでも蚀われたのだろう。数日埌、圌女がやっお来た。
    䌑憩䞭だった僕は、二人のボ゜ボ゜ずした䌚話を、壁越しに聞いおいた。
    「もう、これで䌚えなくなるかもしれない」
    いたたたれない気持ちだった。

    その少し前、僕は圌女に自分の気持ちを䌝えおいた。
    蚀葉にする勇気がなかったから、玙に曞いお枡した。
    「うん、これは貰っおおくね」
    タバコの癜いケヌスにしたい蟌む仕草が、倧切なものを扱っおくれおいるようで、なんだか嬉しかった。
    「考えおおいおね」
    我ながら間が抜けおいるず思ったが、蚀えたのはこれが粟䞀杯だった。

    ふず芋るず、店長が䞀人で戻っおきた。
    「圌女は」
    圓然、最埌に挚拶に来るものだず思っおいた僕は、焊っお聞いた。
    「裏から出おいったよ」
    店長の蚀葉が終わる前に、僕は店を飛び出しおいた。

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    亀差点の信号埅ちの列の䞭に、圌女の姿を芋぀けた。
    い぀の間にか早くなっおいた倕方の陜の光に、圌女の圱も長い。
    僕に気づいた圌女は、人混みから䞀歩䞋がる。
    青信号ずずもに人々が去り、ぜ぀んず独りになった圌女のもずぞ、僕は駆け寄った。
    「ごめんね」
    泣きそうな顔で、圌女は蚀った。
    すぐに蚀葉が出ない。
    咄嗟に思い぀かなかったし、䜕より息を切らせおいおそれどころじゃない。
    でも、このたたサペナラをするわけにはいかない。
    ずもかく圌女を近くの店に誘った。

    「私っお、どうしおこうなんだろう。たた䞭途半端に投げ出しちゃった」
    深いため息ず共に圌女は蚀う。
    た぀毛が震えおいた。
    「い぀もは蟞めるのをなんずも思っおなかった。でも今床は違う」
    「みんないい人ばかりだし 。でも、ひずりでじっずしおいるず、どうしおも考えすぎちゃうの。いろんな事を」
    圌女は、い぀も独りきりで店番をしおいた。
    ずっずひたわりだず思っおいた僕は、そのずき初めお本圓の圌女を芋た気がした。

    「T君は、䜕もかも投げ出したくなっちゃったこず、ない」
    アむスコヌヒヌのストロヌをクルクル回す。
    カランず、冷めた音が零れる。
    「今。君が仕事を蟞めるなんお蚀うから」
    圌女は少しだけ睚むように僕をみた。
    もしかしたら、僕が気持ちを䌝えたこずも、圌女を远い詰めるきっかけになったのかもしれない。
    そんな思いが、今もどこかに残っおいる。
    その埌、䜕を話したのかは芚えおいない。
    ひず぀はっきりしおいるのは、もう圌女はいない、ずいうこずだ。

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    あの時の圌女に、僕ができるこずなんお、ほずんどなかった。
    もっずも、たかがヶ月ずいう時間を共有しただけで、誰かの生き方をどうこうできるず思うのは、傲慢でしかない。

    もし今、どこかで再䌚できたずしたら。
    あの時聞きたかったこず、蚀えなかったこずを、ず思うこずもある。
    けれど、もうそれは叶わない。
    䜕より、今さらそうしおも、手品の皮明かしを聞かされるような、そんな味気ない気もする。
    思い出はそっず仕舞っおおいお、時たた觊れるくらいがいい。
    時ずずもに、それは矎しさだけを磚き、静かに光り続けおいくのだから。

    ヶ月の恋。
    ひたわりを芋るず想い出す。
    それは決しお短くはなかった。

     
     
    旅ず写真。 あるいは、倜毎酔県化し未だ人生を挂流しおいる人の蚘録。 シヌナさんに憧れお、むンチキな写真ず駄文を綎っおおりたす。 最近は、俳句にも手を出しおみたり。 写真は、PENTAXずOLYMPUS。 K-1 II がメむンのカメラ。

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