
等身大事件簿
わたしは、第一発見者になってしまったのかもしれない。
某日。暇人ニートのわたしは外に出ていた。久しぶりに晴れたので、電車を使ってちょっと遠出しようという計画であった。ちょっと遠出ということは、乗る時間もちょっと長めになる。駅で用を足しておこうと思いついたわたしは、歩くのを少し速めた。
そして駅。いつも持ち歩いているICカードを忘れてしまったので改札を通るのに少し手間取ったが、時間に余裕を持って乗り場横のトイレに入ることができた。
駅のトイレは小さく、確か3部屋だった気がする。その1番奥だけが空いていたので、迷わずそこに入った。これは余談なので読み飛ばしても構わないのだが、小学生の頃、『3番目のトイレの花子さん』の3番目がどこから数えて3番目か疑問だった。奥からか手前からか。なんならわたしのいた小学校はトイレが5部屋あったので、途中から数えて3番目、も出来た。全国の小学生はどこからを以てして3番目のトイレの花子さんを語り継いできたのだろうか。
話を戻す。
ドアを閉めて、持っていたトートバッグを荷物掛けに引っ掛けようと……した。出来なかった。その瞬間に目撃したのだ。
ドアにへばりついて絶命していた、羽虫の死骸を!!
死亡推定時刻不明。わたしの前に入っていた人間の犯行だってあり得る。
わたしは、この"駅構内女子トイレ羽虫殺虫事件"の第一発見者になってしまったのかもしれない!
ちなみに図にするとこうだ。

わかるかね、ワトソンくん。わたしはこれを見てすぐにわかった。この羽虫の死因が。
圧死だ。
荷物掛けと羽虫の位置関係。そしてドアにへばりついている遺体……ここから導き出される事件の全容はこうだ。
まずトイレに人間が入り、ドアを閉める。羽虫はどのタイミングでドアに止まっていたかわからないが、少なくとも人間が用を足す直前までに止まっただろう。
何故なら、ドアを閉めた直後、用を足す前、荷物掛けに引っ掛けられた荷物によって、羽虫は潰されてしまったのだから……!
こういうわけだ。また1つ事件を解き明かしてしまったな。
ちなみに荷物は後ろの棚みたいになっているところに置いた。死骸着くの嫌だし。