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姑息なノジマダイスケ冒険に出る:第3話 お買い物と窃盗

    ノジマダイスケは遺跡への潜入という任務に対して、「強力な盾と簡単な槍状の武器でガードしながら確実に傷を負わせる」という、堅実で姑息な戦法を考えだした。

    ノジマダイスケは手に入れた銀貨2枚を懐に入れ、聞き出したよろず屋への道を向かった。その後ろ姿を救世主でも発見したかのようにエルバンスが見送っていた。

    よろず屋の主人は、ノジマダイスケの冴えない外見を見て「こんなところに何の用だ?」といった顔をしたが、ノジマダイスケが銀貨を見せると態度を一変させた。この態度の変わりようはノジマダイスケをほんの少しだけイラッとさせた。

    「親父さん、強力な盾と、簡単な槍のような武器が欲しい。危険な場所に備えたいんだ。」

    店主は品物を並べながら説明をする。

    「盾と槍か。いい趣味だ。これを見てくれ。ブロンズの強力な盾だ。重たいが、攻撃を弾く性能は確かなものだぞ。
    もうひとつは特に飾り気のないシンプルな槍だ。しかし、こういった武器がやはり最も信頼できる。」

    自身の店の品を丁寧に説明する店主。ノジマダイスケもモノ自体に不満はないようだった。
    しかしこれはノジマダイスケの物語。彼は姑息である。

    「親父さん、これは長老エルバンスからの頼まれごとでね。村の『光の石』の異変を調べる重大な任務なんだ。村の皆の安全がかかってる。だから、ここは協力してほしい。強力な盾は買うとして、槍の柄の方は自分で用意するから、穂先だけを安く売ってもらえないかな?村のためだ、親父さんの心意気を見せてくれよ!」

    最もらしく熱弁を振るっているが、要するに安くしろという値段交渉である。村のためという大義名分を振りかざすノジマダイスケの姿は輝いていたが、それはメガネの反射光だったのかもしれない。

    「ふむ…。長老からの頼みか。まぁ、光の石のことは俺にとっても気がかりではあるしな…。よし、わかった。商売だからタダにはできんが、その槍の鉄の穂先だけなら、安く譲ってやろう。柄の方は自分でなんとかしろ。」

    やや不満げながらも、長老の頼みという言葉を聞いて条件付きの値引きをしてくれた。
    ノジマダイスケの作戦勝ちだが、彼も今後命をかけて冒険に出るので、多めにみてやってほしい。
    その他にも数日分の食料と傷薬、丈夫なロープ、松明を購入した。万全な準備をしたために所持金はこれでゼロになった。もう遺跡へ向かうしか道は残されていない。

    それでもノジマダイスケは落ち着いていた。

    「あとは槍の柄を用意する必要があるな。だが、そこはちゃんと考えがある。ここに来る途中、ボート小屋があるのを俺は確認していたぞ。」

    いつもの独り言を放つと、彼は小川付近のボート小屋に立ち寄った。周囲に人がいないことを確認すると、小屋の扉を開き、内部へ侵入した。
    彼が探しているのはオール。これを槍の柄へと転用するつもりなのだ。サバイバル本能か、姑息さのなせる技か、もはやどちらでもいいが、とにかくこれが功を奏した。即席の割にしっかりとした槍を組み上げ、冒険にも耐えうるものができあがったのだ。

    「これで俺の完璧な戦闘スタイルが完成した。なめるんじゃねえぞ、ファンタジー世界。俺の知恵で遺跡だろうが攻略してやるからな。」

    いまだに村から出ておらず、買い物しかしていないが、それでもノジマダイスケの闘志は燃え盛っていた。焼死しただけのことはある。

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