
【予告編】『完璧な男』第3話03 訓練と黙殺 【オリジナル小説】
─ 少年の形が、秩序になる ─
【第3話03予告】
2025.12.25更新

※本画像は生成AIによるイメージビジュアルです
※本作には戦闘・制度的暴力に関する描写が含まれます
(詳細は本文下部の注意書きにて記載)

見た目は完全な“男子訓練生”。
スキンヘッド、無表情、無個性。



……ほんの少し、呼吸ができた」

松村遥(まつむらはるか)
──マザーが託した“空の器”
◆年表:削除の儀式◆
2019:団地→愛宕邸(01-01〜01-05)/監視選定開始
20193月:身体改変・声喪失/完璧な男の誕生
20194月:私立嶺征学園に13歳で高校2年生に編入
2058:カフェ再会・告白開始(01-01)/過去記録の覚醒
※本作は、サバイバル・バイオレンス小説です。詳細は下記参照。
この連載には、
性別の強制・構造的暴力・サバイバルとしての身体改造
といった重い主題が含まれます。
いわゆる“トランス文学”の文脈とは異なり、
自己決定の物語でも、変身譚でもありません。
少女が、自分の意思と無関係に「別の性と役割」へ組み替えられ、
そのまま暴力装置の中で生き延びざるを得なかった記録です。
癒しや共感、再生を求める方には向きません。
構造の陰で押しつぶされる側の視点、
生存のために“形を変えさせられた”人間の話を
静かに読み進める覚悟のある方だけ、お進みください。
第3話「削除の儀式」02のあらすじ
監視室に映し出された複数の少女たちの中から、制度はひとりを選び出す。
選定の先に想定されている完成形──
六本木と芝浦の抗争を終結させた戦略家。
記録に残る名は、葛城立真。
社会は彼を「完璧な男」と呼んだ。
2058年。その正体を追うジャーナリスト・片瀬の前で、
立真だった彼女は静かに語り始める。
「その名は、いまは使っておりません」
2019年、13歳の少女は突然「男」に作り替えられる。
最初は、ただの命令だった。
父の、「完璧な男を作る」という命令が、すべての始まりだった。
立真の「無反応」が制度の成功として固定され、
栗栖だけがそれを異常として認識した。
男たちは侵襲の痕跡を「清らか」と呼び、
顕臣のノートは「魂の剪定に成功」と淡々と記す。
タカに命じられた指導の狙いは、
性への拒否や羞恥を“壁”として壊し、反射そのものを消すことだった。
栗栖は、ここでは止められないと悟る。
立真を連れ出し、制度の記録に載らない静養棟へ移す。
そこには「マザー」と呼ばれる女性が待っていた。
その後、立真の周囲には、
同じ処理を受けた“例外”が順に配置される
「ありがとう。……ほんの少し、呼吸ができた」
Scene03-10【場所:港区芝公園、葛城家訓練棟、2019年】