
【予告編】『完璧な男』第1話04削除の儀式【オリジナル小説】
─ 失われる前の、最後の名前 ─
【第1話04予告】
2025.12.16更新

※本画像は生成AIによるイメージビジュアルです
※本作には戦闘・制度的暴力に関する描写が含まれます
(詳細は本文下部の注意書きにて記載)
◆年表:削除の儀式◆
2019:団地→愛宕邸(01-01〜01-05)/監視選定開始
2019:身体改変・声喪失/完璧な男の誕生
2058:カフェ再会・告白開始(01-01)/過去記録の覚醒



「素材だ。 葛城家に残された“最後の器”── 扱いは、それだけだ」
※本作は、サバイバル・バイオレンス小説です。詳細は下記参照。
この連載には、
性別の強制・構造的暴力・サバイバルとしての身体改造
といった重い主題が含まれます。
いわゆる“トランス文学”の文脈とは異なり、
自己決定の物語でも、変身譚でもありません。
少女が、自分の意思と無関係に「別の性と役割」へ組み替えられ、
そのまま暴力装置の中で生き延びざるを得なかった記録です。
癒しや共感、再生を求める方には向きません。
構造の陰で押しつぶされる側の視点、
生存のために“形を変えさせられた”人間の話を
静かに読み進める覚悟のある方だけ、お進みください。
第1話「削除の儀式」03のあらすじ
白いリボンで髪を結い、静かで大人びた目をした少女。
彼女が選ばれたのは、偶然でも慈悲でもなかった。
かつて“完璧な男”と呼ばれ、六本木と芝浦の抗争を終わらせた戦略家──
記録に残る名は、葛城立真。
語られ始めるのは、2019年春休み。
葛飾区東部団地で、母と暮らしていた、ごく普通の少女の日常。
だがその夜、呼び出しの声とともに、彼女は団地を離れる。
導かれた先は、愛宕の屋敷。
そこでは問いも説明も与えられないまま、“儀式”が進められていく。
剃り落とされる髪、整えられる身体、用意された制服。
それは暴力ではなく、滞りなく遂行される手順だった。
鏡の前に立ったとき、少女は理解する。
戻れないのではない。
――すでに、戻る場所が削除されているのだと。
そして、感情を見せない男の前で、新しい名前が与えられる。
それは未来を約束するものではなく、
過去を消去したあとに発行される、役割としての名だった。
こうして、“完璧な男”の物語は始まる。
だがその起点にあったのは、
世界から静かに削除された、ひとりの少女の時間だった。
「これは命令ではない。構造の決定だ。
拒否も、戻る道も、
最初から存在しない」
Scene01-10【場所:港区愛宕葛城邸/初日午後・カンファレンスルーム】