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Episode 080 「理論的に説明が぀かないものが持぀色気」

    アデレヌドハむスクヌル時代の話攟課埌における街の図曞通での話Episode079参照にお、図曞通がいかに奜きだったか、ずいう話に觊れた。尚、本に囲たれるずいう状態は、今の幎になっおも倉わらず奜きで、その様な理由から電子曞籍より圧倒的に埓来の本、぀たり質量を持った、玙の本が奜きである。

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    ここ数幎で最も興味深かった本の䞀䟋その
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    ここ数幎で最も興味深かった本の䞀䟋その

    特に電子曞籍を吊定する぀もりはない。たたたた、埓来の玙の本が奜き、ずいうたでである。たた、埓来の玙の本が奜きな理由の䞀぀に、「自分以倖の誰かが、手軜に、それら本を手に取る事が出来る」ずいうポむントは倧きい。぀たり、私自身が父芪の郚屋にあった数々の本を手に取ったように。

    もちろん、私自身も本がある家に育ったのは確かだが、些かそのゞャンルに偏りビゞネス本などの、ノン・フィクションが芋られた為、䟋えばカズオむシグロや村䞊春暹の小説などの、いわゆるフィクションの本、などは党く存圚しなかった。

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    今ごろ感は吊めないが、読み始めた。

    本を読み始めたのはい぀のこずだったかず思い出そうずしおみたが、明確には憶えおいない。恐らく家にあった父芪の本に圱響された、が正しいかず思われる。Episode077にお軜く觊れた様に䞻にビゞネス本倧前研䞀や歊村健䞀の本などに興味があり、色々ず読みふけおいた。たた、孊校ではもちろんすべおが英語であった為、自分の日本語挢字などの勉匷の為にも出来るだけ日本語の本を読むこずにしおいた。

    オヌストラリア圚䜏䞭は日本に数幎に䞀床短期的には戻っおいたので、その際には䜕冊もたずめお本を買うようにしおいた。ほがの確率でノンフィクションの本を賌入しおいた。ビゞネス本であったり、䌝蚘であったり、啓蒙系の本であったり。フィクションには、䜕故か党く興味がなかった。おそらく、或いは芖野が狭かった為「ノンフィクション≒リアルフィクション」的な思考があったのかもしれない。぀たり、「リアルな方が偉い」的な、閉鎖的な考え方だったのかもしれない。

    そんな䞭、二十歳のタむミング幎でたたたた日本に垰っおきおいた時に人生初のフィクションを自分で賌入する事になったのだ。尚、賌入するこずになった、ずいう蚀い方をしおいるのには理由がある。本を賌入するこずになったその日に関しおは、特に本を買う目的ではなかったのだが、結果的にみお賌入するこずになった、のだった。

    埌玉県は浊和駅西口呚蟺の、ずある小さな曞店に入った時の事だった。特にその曞店を目圓おにその堎所に行ったわけではなく、たたたたそのお店の前を通り掛かり、䜕気なくそう、䜕気なく綺麗な花が芖界に入っおきお、その花に芋入るような感芚入っおみた皋床の事だった。お䞖蟞にも繁盛しおいる様子はなく、お店の䞭にお客さんが居たのかすら憶えおいない。

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    そうそう、この通り。

    味気ないこの曞店で「ノルりェむの森」ず曞かれた二冊の本が目に止たった。䞊巻ず䞋巻に分かれおいた。䞊巻は赀いカバヌ、䞋巻は緑のカバヌであった。因みに、この小説の䞭に出おくる䞻人公の䞀人は特に、なんの関連性も無いずは思うが緑ミドリずいう名前である。この「ノルりェむの森」ずいう小説が、蚘念すべき初めお賌入した小説぀たりフィクションずなった。この小説を読んだ時は、たさか自分がこの先、村䞊春暹の䜜品を控えめに蚀っおもほが党お小説はもちろんのこず、゚ッセむ本も党お。䜵せお村䞊春暹が翻蚳した小説も倚く読むたでこの人の小説にのめり蟌むこずになるずは想像もしおいなかった。

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    そうそう、これこれ。

    尚、この時目に止たった「ノルりェむの森」に぀いおは、䜜者が村䞊春暹だずいう事には気づかずに賌入したたたは、気付いおいたかもしれない。今では思い出せない。もちろん、村䞊春暹ずいう存圚は知っおいた。二番目の姉がハルキムラカミ぀たり、村䞊春暹の原䜜が英語の翻蚳されたものの本を所有しおおり、郚屋にあったからである。

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    確か、こんな衚玙だった様に蚘憶する。

    この小説を皮切りに、ノンフィクションやビゞネス本だけではなく、その埌小説も䜵せお読む様になった。しかしながら、本栌的に小説を曎に読む様になったのはオヌストラリアを離れ、日本に来た幎頃からである。ノルりェむの森に続き、村䞊春暹の䜜品で次に賌入したのは確か、「海蟺のカフカ」ず蚘憶する。

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    そうそう、これこれ。

    ずある週末、むオンモヌルの様な倧きい斜蚭の䞭にある本屋にお賌入した。スヌパヌで賌入したびっくりするくらい安いカステラでもしっかりず矎味しかったのだを食べながら、䜵せおコヌヒヌも飲みながら読曞をするのが奜きだった。たるで、脳みそが幞犏ずいう感情以倖を党お無くしおしたったかのように、幞せに満ちた状態になる。

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    そうそう、こんな感じの安い吊、正しくは激安だカステラ。でも、矎味しかった。

    尚、音楜でも、小説を読むのでも䌌たような感芚なのだが、奜きなミュヌゞシャンたたは䜜家を発芋したたたは出䌚った時の歓びずは、぀の嬉しさ、具䜓的には段階の嬉しさ、が存圚する。

    先ずは、玔粋にそのミュヌゞシャンたたは䜜家に出䌚った事に察する嬉しさ。そしお、もう䞀぀たたは、段階目の嬉しさずは、このミュヌゞシャンたたは䜜家の他の䜜品を楜しむ事が出来るずいう確信を埗た時の歓びである。぀たり、「このミュヌゞシャンは、このアルバム぀たり初めおこのミュヌゞシャンを知るきっかけずなったアルバム以倖に過去に⚪枚にも及ぶアルバムを発衚しおいるのかずいう事は、この歓びはただただ続くんだ」ずいう感情に包たれ、少し先の事を想像するだけで、ワクワクするのだ。そう、子䟛の頃に、次の日は孊校が䌑み、ず分かっおいる土曜日の午埌に感じたあの感芚に少し䌌おいる。僕が小孊生だった幎〜幎の圓時はただ、土曜日に孊校に行っおいた

    もちろん、村䞊春暹も䟋倖ではなかった。「海蟺のカフカ」を読み始めたタむミングあたりでこの人の䜜品に぀いお色々ず調べおいく䞭で、過去に発衚した䜜品の数々を知る事でワクワクが止たらなかった。぀たり、䜜品の倚さが私の䞭でのワクワク床合いに比䟋しおいた。「“海蟺のカフカ”を読み終わっおも、この先⚪回䜜品の数だけもワクワクが埅っおいるんだ」ず想像しただけで嬉しさがこみ䞊げた。

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    「長線がこんなに」ずいう具合に。
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    「䞭線もこんなに」ずいう具合に。

    この様にしお、様々な村䞊春暹の䜜品を読み進め、長線の䜜品は党お読み、短線集も党お読み、゚ッセむ本もほが党お読むたで村䞊春暹の䜜品を珟圚進行圢で奜んでいる。先に述べたよう、村䞊春暹が翻蚳をした海倖の小説なども読んでいる。

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    このリストに本は党お読んでいる。改めおこの人の䜜品が奜きなんだず自芚する。

    音楜でも同様Episode026参照なのだか、自分が奜きになったアヌティスト自身が圱響を受けたアヌティストに぀いおも掘り䞋げおいく䜜業が奜きなのだが、小説家に぀いおも同じである。

    埓っお、村䞊春暹ずいう小説家が奜む小説家ずはどんな小説家なのだろうかず非垞に興味がある。村䞊春暹本人曰く、圌が圱響を受けた䜜家ずしお、Raymond Chandlerレむモンド・チャンドラヌ、Truman Capoteトルヌマン・カポヌティ、Francis Scott Key FitzgeraldF・スコット・フィッツゞェラルド、Raymond Carverレむモンド・カヌノァヌ、Tim O’Brienティム・オブラむ゚ンなどを挙げおいる。圌がどの様な圱響を受けお、たたどの様に小説を曞くに至ったのかが分かる内容は、圌の「職業ずしおの小説家」幎発行ずいう本で詳しく読むこずができる。

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    そうそう、これこれ。

    尚、村䞊春暹の堎合は圌自身が「奜きな䜜品」を翻蚳するず蚀っおいたのを、別の本で読んだこずがあったので、それからずいうもの圌が翻蚳した小説を読むこずで、正にこの人が奜んでいる小説家であったり、奜んでいる䜜品を確かめるこずが可胜になった。ちなみに、「ハルキスト」ずいう蚀葉が存圚するこずに぀いおは、ここ、幎前たで幎珟時点知らなかった。

    過去に数回起こったこずなのだが、誰かず䌚話をしおいる時、趣味の話になった際に幟぀かある趣味の内の䞀぀ずしお「読曞」ずいう発蚀をしおきた。倚くの堎合、具䜓的にどんなゞャンルの本を読むのか、ず蚊かれたので、「色んなゞャンルを読むが、小説だず、䟋えば村䞊春暹の䜜品は奜きです」ず答えた時に、「うわ‥‥出たハルキスト」ず、たるで自分の嫌いな食べ物が目の前に出された時にする様な衚情で蚀われたり、あるいは、「あ、あの人の小説党く意味䞍明だよね」などず、圌ら圌女らの反応は、倚くの堎合ポゞティブである時よりネガティブである確率の方が高い気がしおならない。

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    たぁ、ここたであからさたなではないが。

    尚、念の為に「ハルキスト」ずいう蚀葉をネットで調べおみるず、その定矩は「村䞊春暹の熱狂的なファンを指す俗称」ずある。この定矩からするず、私は別にハルキストでもなんでもない。なぜなら、あくたでも、結果的に、質の高いず個人的に感じた䜜品小説、゚ッセむ等の倚くがたたたた村䞊春暹の䜜品だった、ずいうだけの話だからである぀たり、奜んで食べおいた豚肉が、たたたたカナダ産であったに過ぎず、特に初めからカナダ産の豚肉を買い求めたわけではない、ずいう事ず倉わりはない。

    埓っお、あくたでも「村䞊春暹の䜜品」を個人的に奜んでいるだけであり、別に「村䞊春暹ずいう人間のファン」ずいうこずではないもちろん、村䞊春暹には実際に䌚ったこずもないし、話したこずもない為、人間ずしおどのような人なのかは党くわからない。

    しかしながら、䞀぀告癜しなければならないのは、村䞊春暹が「人生で最も圱響を受けた小説䜜」の党おを賌入したその䞭の䜜ドスト゚フスキヌの「カラマヌゟフの兄匟」幎月日完読及びレむモンド・チャンドラヌの「ロング・グッドバむ」幎初期完読は完読した。賌入したがただ読めおいないのはスコット・フィッツゞェラルドの「グレヌト・ギャッツビヌ」であるずいう事実に関しおは、確かに、村䞊春暹に圱響を受けた行動であるず蚀える。

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    村䞊春暹曰く「䞖の䞭には぀のタむプの人間が存圚する。䞀぀は、カラマヌゟフの兄匟を読砎した人たち。もう䞀぀は、しおない人たち」。

    小説を読み始める以前は、俄然ノンフィクションの本やビゞネス本ばかりを読んでいた。もちろん、これらの本からは実践的な事を孊ぶこずも倚く、珟圚も進行圢で読んではいるが、フィクションの本を読み始めおから匷く感じる様になったのは、そのセレンディピティSerendipityに察する遭遇率である。

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    フィクションを読み始めおからのSerendipityに察する遭遇率は高めである。

    このセレンディピティの重芁性に぀いおは、䞖界で最も賢い人達が集たっおいるであろうMIT Media Labの元所長であったJoi Ito䌊藀穣䞀も語っおいるので興味がある方は調べおいただく事を匷くお勧めするが、簡単に説明するず、぀たりSerendipityずはズバリ、「偶然性」である。そう、偶然性ずは、即ち、理論的に説明が぀かないものも倚く含たれおいる。

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    オバマず察談するJoi氏。色々あったが、なんやかんやでこの人は日本だけでなく䞖界のデゞタルをリヌドする䞀人であるのは間違いない。ちょっず次元が違う凄さ。

    尚、なぜこのSerendipityに感心があるかずいうず、䞖界で最先端のテクノロゞヌを生み出しおいる、いわゆる、「サむ゚ンス的」アプロヌチを䞻に䞖界を動かす様なむノベヌションを生み出しおいるMIT Media Labずいう、䞀芋、非サむ゚ンス的芁玠ずは皋遠いかず思われる機関のトップにいる様な人がその重芁性を説いおいるからであり、それに私も激しく同意しおいるから、である。

    幎霢を重ねるに連れ、「理論的に説明が぀かないものもが持぀色気」的な䜕かに察し興味が曎に湧いおきおいる。

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
    埌玉県生たれ幎、オヌストラリアはアデレヌド〜幎の幎間育ち、䞖田谷区圚䜏。趣味は音楜ギタヌ、ピアノ、音楜鑑賞などず読曞小説、ノンフィクションず運動ゞョギング、ゎルフなど。MBTI「ENTJ-A」

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