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私が見たのは?【短編小説】


    いつもと何ら変わらない、平日の夜だった

    明日は朝が早いから、アラームをセットして
    ベットに潜った

    今日は月明かりが眩しい
    枕元を薄らと照らす、月明かり

    眠りにつこうとした時に、ある違和感に気づいた






    _________音が、聞こえない







    いつもなら、虫の声やバイクの騒音が聞こえてくるのに、今は何も聞こえない

    ただ静かなだけなのか
    私の耳が詰まっているのか
    どちらにしろ、気味が悪い。

    ふと、月を見た
    この違和感は何だったのか
    まだ、何も聞こえない
    変わらず月は輝いている

    何気なく眺めていた、その時
    一瞬、光が揺らいだ

    窓の外に"ナニカ"が横切る。
    何だ、あれは?

    鳥?ボール? にしては大きい

    くっきり見えなかったからか、より違和感が強くなる


    しばらく、月を見ていた
    あれは何なのか、気になっていた
    ただ、知りたい
    あれは何だ?



    私が見たのは?




    "ナニカ"がまた窓の外を横切った
    少しだけ、見えた

    あれは、棒か?
    ちょうど足ぐらいの太さだ。

    考えれば考えるほど、目の前が暗くなる。
    月の光が、弱くなっているのか?
    ___もう、分からない



    突然"ナニカ"が風を切る音がした
    ようやく音が聞こえたかと思った時、

    私の意識は途絶えた___





    _____________________________________________


    _____太陽が昇る

    アラームが部屋に鳴り響く

    朝だ。

    ベッドから起き上がり支度をする
    昨日の音が、まだ耳に残っている

    あの"ナニカ"は何だったのだろうか
    そんな事を疑問に思いながら、家を出る


    昨日覗いた窓の外側を確認しようと思った。
    もしかしたら、近所の高校生たちが遊びで物を投げていたのかもしれない、
    私の、見間違いなのかもしれない。

    少しの希望と緊張を胸に感じながら
    窓の外側を見る

    そこには、片方の靴と、白い破片が落ちていた。


    私は"ナニカ"が何なのか、
    直ぐに理解してしまった


    ____あれは、足だ
    昨日の光景が、頭によぎる

    一本の足が、あの強く輝く月をも歪めた

    作り物、か?いやきっとそうだ。
    じゃなきゃおかしい、こんな所に足なんて
    ましてや、普通の賃貸に、あるわけ無い
    そんなこと、あってたまるか


    …見たのは、片方の足だけ


    作り物だとしても、もう片方はどこに…?


    まさか、探しているのか


    代わりの足を

    今まででこれ程の恐怖を味わった事はない
    近くを通った高校生の声に驚く
    ここを、離れなければ。
    嫌な予感がする。悪寒がする。

    作り物?そんな、ことが、あるものか?
    嫌がらせ?そんな事してくる知人は居ない!
    何だ?何だ?また聞こえない!
    何処だ?何処だ?何処にいるんだ!?

    "ナニカ"は、意思なんて持っていないだろう!
    足は、身体がなきゃ動かない!

    "ナニカ"は足か?
    それとも足の持ち主か?
    分からない、分からない!!


    私は全速力でその場から離れた
    何も聞こえないまま、ただひたすらに走った




    開けた道路まで出てきた、もう大丈夫だ。

    なんだ、?通行人が、こちらを見ている
    まだ、何かあるのか?

    何か言ってる?聞こえない
    もっと近づかなければ、


    足を一歩踏み出した時、


    私はトラックに轢かれた。


    意識が、遠のく__
    私は、何を…


    私は何から、逃げてきたんだ…?

    もう、分からない…


    …もう死ぬのかな…

    呆気ない、こんな終わり方なんて

    意識が徐々に薄れていく中で__

    ____私の足に感覚は無かった。


     
     

    朔_06

     
     
    気分転換 勉強の合間に。

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