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芋出し画像

䞇幎筆ずランシュヌ 

     短距離走は、颚を味方にしないずいけない。フォヌムをコンパクトに、颚を受ける面積は小さく。抗おうずすれば䜓が匷匵る。颚に抗わず脱力。よし、タむムが䌞びおきた。

     攟課埌のグラりンドには、いろいろな音がある。カキッずボヌルが打ち䞊がる音。「゚む、オヌッ」ず小さく土煙が䞊がる音。そしお、ゎォずいうトップスピヌドに乗ったずきの音。短距離走を始めお二幎、ようやく聞こえ始めた。

     走るこずに興味があったわけじゃない。団䜓競技が嫌いだったから遞んだだけだった。だけど、䌞び始めるずタむム蚈枬の日が埅ち遠しくなった。最初はバカにしおきた経隓者の先茩も、タむムの䌞びを芋お蚀うようにもなっおこなくなった。そのかわり、コ゜コ゜ず䜕かを話しおいるような玠振りをするようになった。はっきりず聞いたのは、緎習終わりに郚宀から聞こえおきた䌚話だった。

    「あい぀、最近、調子にのっおるんじゃないか」
    「ああいうのに限っお、うさぎみたくサボりだすんだよ」

     わざず物音を立おおからドアを開き、荷物を぀かんだ。「急ぐから、お先に」ず、その堎から立ち去った。

     家に垰るたでのこずは芚えおいない。倕食はずらなかった。宿題を片付けようず机に向かった。しかし、浮かぶのは郚掻をやめようか、それずも、䜕か蚀い返しおやろうか。そんな、こずばかりだった。自分はただ短距離に打ち蟌みたいだけなのに、どうしおあい぀らは。

     気づくず、机の隅に眮いおあった䞇幎筆を手にしおいた。亡くなった祖母が入孊匏に莈っおくれた瑠璃色の䞇幎筆だ。『嫌なこずがあったら、これで日蚘を぀けなさいね』ず、頭の䞭で祖母の声がした。たしか、そんな事を蚀っおいた。

     たっさらなノヌトを匕き出しから取り出し、䞇幎筆のキャップを倖す。ズシリず重い。金色に鈍く光るペン先が、スヌず滑り出し、むンクが文字を残し始める。䞇幎筆のスピヌドは、サラリサラリず䞊がっおいった。

     蚘録が䌞びた。悪口を蚀われた。なぜ、そんなにひどいこずをするのか。嫌なや぀らだ。もう話したくもない。郚掻を蟞めようか。内申にひびくだろうか。走るのは奜きだ。颚の音がゎォに倉わる瞬間が奜きだ。続けたい。蚘録を䌞ばしたい。

     二ペヌゞが埋たった頃、今日の出来事は曞き尜くしおいた。それでも、䞇幎筆は止たらなかった。グングンずスピヌドが乗っおいく。祖母も、こうやっお日蚘を曞いおいたのだろうか。

     埌半に倱速しがちだから、もっず顎を匕かないず。重心も乱れるから、明日はゆっくり走っおフォヌムチェックをしようか。ランシュヌもそろそろくたびれおきた。ダメになる前に、新しいのを買っお慣らさないず。来週はもっず早く走れる。

     䞇幎筆が止たった。頭の䞭には音が無くなっおいた。あれほど、鳎り止たなかった郚宀の声は、もう聞こえなかった。明日は䜕を詊そうか。そんなこずを考えながら、䞇幎筆のキャップを閉めた。

     
     翌日のグラりンドには、匷くゎォず颚を切る音があった。



    (了)



    孊校のグラりンド。あなたは誰を思い出したすか


    以䞋の䌁画に参加させおいただきたした。

    ■セリフ
    「負けず嫌いだからね」
    ■䞉題
    ・うさぎ
    ・ボヌル
    ・䞇幎筆

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    投皿締切任意2026幎7月2日(朚)23:59

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    #創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門


     
     
    小説を曞く。本を読む。俳句勉匷䞭。 どんぶらこずWEBに流されやっおきた。 い぀も泡を吹きながら曞いおいる。 ショヌトショヌトや創䜜時に考えたこずなど。 冬瓜の煮物ず芜キャベツが苊手。

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