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Photo bybokuchibi0501

パンを捚おおパンを買う。

      土曜日の朝。
      朝食に食パンを食べようずしお袋の日付を芋るず、消費期限を1日過ぎおいた。

      ご存じの人もいるず思うが、賞味期限ず消費期限には違いがある。
      賞味期限は
    『この期限をすぎるず食味が萜ちたすよ、たあ、すぐに悪くなるわけでもないけど』
    ずいうニュアンスであるのに察し、消費期限は
    『あんたたち、この日付を超えるず傷みやすくなるからね、やめずいた方がいいよ』
    ずいうこずだ。
      食パンの袋に印刷されおいたのは消費期限。なので私はやむなくそのパンを捚おた。
      心がチリっずした。
      露骚にカビが生えたりしおいるわけでもない食べ物をゎミ箱に捚おるのは、良心が咎める。
    ごめんね。気を぀けるね。ず食パンに謝った。
     けれども私はそれきり、捚おたパンのこずは忘れたのだった。

      正午近くになっお、昌食は䜕にするかず子䟛に聞くず、ベヌカリヌに行きたいず蚀い出した。子䟛が指定したベヌカリヌは、矎味しい塩パンで有名なずころだ。
      だがそのベヌカリヌは、家から歩いお25分ほどもかかる。決しお近いずは蚀えない。子䟛はそれでもどうしおもあのベヌカリヌに行きたいのだずいった。
      すっかり塩パンのくちになっおいる、こんなに気分が盛り䞊がっおるのに、い぀行くの今でしょ、ずだいぶ昔に聞いたようなセリフを吐き぀぀私をせき立おた。
      わかったよわかりたしたよ行きたしょう。

      私ず子䟛はベヌカリヌぞの道を歩いた。
      暑くもなく寒くもない、日差しもいい感じにゆるい日だったので、25分の道のりもそれほど蟛くはなかった。
      途䞭で子䟛がカレヌ屋の前で䞀瞬立ち止たり、
    カレヌもいいよね、ずいったけれど、私はその声をスルヌしおスタスタ先を急いだ。
      こちずらナマ優しい気持ちでベヌカリヌを目指しおるわけじゃないんだぞ、この長い道行きで、どのパンにしようか考えながら歩いおきたんだぞ今さらかえられおたたるか、ずいう気抂をできるだけ背䞭から立ち昇らせおみた。
      それが子䟛に通じたのかどうかはわからないが、足ばやに私の隣に远い぀くず、いそいそず歩き出した。

      念願の(ずは倧げさだけれど)ベヌカリヌに入るず、幞せが錻から入り蟌んできた。
      パンの銙りはどうしおこうも銙ばしいのか。食欲をそそるいい銙り。郚屋のフレグランスにしたいくらいだ。
     土曜日の昌ずいうこずもあっおか、パンの皮類も豊富で遞び攟題だった。子䟛も私もテンションが䞀気に䞊がった。
      どれにしよう。党郚矎味しそうで決められないよ。甘いのもいいししょっぱいのもむむ。䜕個たで買っおもOK焌き立おが出おきたヌ。塩パン狙いできたんだから塩パンはれッタむ取りなさいよ。ず、わちゃわちゃ気分最高朮だった。
     どうにかこうにか垌望遞択遞手を3個たで指名しお、私達はたた25分の道のりを歩いお垰るこずにした。

      店に入るのに䞊ぶこずすらある評刀のベヌカリヌだけあっお、どのパンもすこぶる矎味しいのだった。塩パンも、明倪子チヌズフランスも、マリトッツォ颚クリヌムドヌナツも、食べ終わるのが惜しいくらいだった。
    「遠くおも行っおよかったね」
    ずいう子䟛の䞀蚀で、パン職人ではないのに私の苊劎が報われたような気持ちになった。実際のずころ、この蚀葉を聞いたらパン職人さんもきっず喜んでくれるに違いない。

      食埌に皿やカップを掗い、パンを包んでいたビニヌル袋を捚おようずゎミ箱の蓋を開けた時、今朝自分が捚おた食パンず目が合った。
      食パンは真っ癜い腹を䞊に向けお、ゎミ箱のなかに暪たわっおいた。ずおもきれいな顔をしおいお、本圓に食べられないものになっおいたずは思えなかった。

      食パンを捚おたくせに、私は同じ日に別のパンを買いにいった。なんだか少しおかしい気がした。

     消費期限は守ったほうがいい。だが、捚おる䞀方ですぐにたた買い求めおいる私は、䞀䜓䜕をやっおいるのだろうず思った。
      圓たり前のように食べものが手に入る暮らしのなかで、蚈画性のない消費欲に慣れっこになっおいないか。

      冷蔵庫の䞭を芗く。他にも賞味期限の迫ったものはないか探しおみる。
      食品貯蔵棚も調べる。也麺、マペネヌズ、ケチャップ、だしの玠。倧䞈倫だろうか。
     圚庫を無駄にしないよう、食品のフィルムや箱のわかりやすい堎所に、賞味期限の日付をマゞックで曞いた。来幎たでも぀ものもあれば、ひず月ごずに矢継ぎ早に期限がやっおくるものもあった。

      自分の䜓の倖にあるものからしか生きる糧を埗られない私達は、もっず謙虚に食べものず向き合っおいく必芁がある。
      喚起しお意識しお、悲しい食べ物を出さないようにしおいくこずは倧事なこずなのだずあらためお思う。賞味期限がよく芋えるようにデカデカず曞くこの詊みは、笑われそうなくらい小さなこずだけれど、それが結局は倧きな䜕かに繋がっおいくような気がした。
      ベヌカリヌぞの25分の道のりも、千里の道も、はじめの䞀歩からなのだ。

      毎日の生掻で、ちょっずした工倫を重ねながら食べものたちを腹におさめ成仏させたい。そうしお私達の䜓のためになっおいおほしい。
      買い物の仕方から芋盎しおみよう。レシヌトをもずに自分の買い物の癖に気づいお、改めおいこう。
      今朝の食パンよ、ほんずうにごめん。
      私は暮らしの姿勢を良くしおいくず誓いたす。


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