
最後の一年 (25)
前話: 最後の一年 (24)|微風
第二章 12
三月中旬の水曜午後、三浦は人文学部棟三階の三〇二講義室の入口に立っていた。廊下の窓から差しこむ光は、二月までの硬さを少し失って、床のリノリウムに薄く伸びていた。卒業式まであと数日という時期で、棟全体が普段よりも静かだった。授業期間が終わり、四年生はもう講義に出る義務がない。それでも今日この時間、三浦は一限の予定もない平日の午後にここまで歩いてきていた。
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