
「翅」
草の匂いに紛れて
誰にも見えない小さな鼓動
ただ空ばかり見ていた
生まれた意味は光の中で
遠くへ行ける気がしてた
あの青さを今も覚えてる
高く翔べると
願うほどこの心身は
深く沈んでゆく
それでもあの空の広さを
忘れることができない
跳べないままで
今日が終わる
何ひとつ届かない
憧れが消えない
高くその向こうへ
行ける気がしてたあの頃を
今もまだ信じてる
短い季節を生きる
とても儚くて
痛みに慣れた頃
夕暮れはすぐそばに
胸を奮い立たせ
地面を蹴ってみるけど
願いは重たすぎて
綺麗な弧など描けなかった
笑顔の影で
うまく笑えないまま
言い訳並べて生きることが
ほんとはずっと苦しいって
わかってたんだ
跳べないままで
叶わないことばかり増えて
優しくなるほど苦しくて
届かない光
追いかけるたびに胸が
少しずつ擦り切れてく
何も残せずに
小さな命を終える
それでも、、、
朝はまた来る
消えかけた息を震わせて
「まだ終わりじゃない」と
胸の奥で鳴り続けてた
儚い小さな命でも
希望を抱えながら
届かない空を見上げた日が
羽ばたくための痛みになる
不完全なその羽でも
昨日までの弱さも全部
光に変えてゆける
そしてまた見上げる
消えてしまうその前に
一度だけでも跳べるようにと