観る将の聖地巡礼! 千駄ヶ谷の将棋会館辺りを巡ってきました。
昨年(2025年)12月に東京に行く機会がありました。その時、「観る将」(将棋観戦ファン)の聖地を巡ってきました。
小学生低学年の時に将棋を覚え、父親や近所の友だちには勝てるようになりったのですが、それ以上にやり込むことはなく、将棋を指すこともなくなりました。ただ、将棋は好きでしたので、大人になってからも「将棋世界(将棋連盟刊)」「近代将棋(ナイタイ出版刊、2008年6月休刊)」「将棋講座(NHK出版刊)」などの月刊誌を購入して読んだり、NHK杯テレビ将棋トーナメントを見たりして楽しんでいました。30~40年前はNHK杯しかテレビ中継がない時代で、「観る将」というより「読む将」とでも言う楽しみ方でした。30代後半になって研究や仕事が忙しくなると、雑誌を読む時間が少なくなり、月刊誌の購入代もバカにならず、雑誌の購入を止めて、いつしかNHK杯テレビ将棋トーナメントも見なくなっていました。
藤井聡太竜王・名人が歴代最年少の中学生棋士となり(2016年)、棋士デビュー29連勝という偉業を達成し(2017年)、新聞・テレビのニュースで大々的に取り上げられ、私の将棋への関心が戻ってきました。この頃から、将棋の公式戦のインターネット中継も始まっています。そして数年前、テレビに簡単につなぐことができるamazonのfFire TV Stickを入手して、ABEMAで将棋中継を手軽に見られるようになって、再び、将棋の観戦を始めました。「読む将」ではなく「観る将」になって、棋戦の様子と棋譜解説以外の情報に触れ、一度は将棋会館を訪れたいと思うようになっていたわけです。で、今回、念願叶って千駄ヶ谷の「将棋会館」辺りを散策してきました。
旧将棋会館跡地

https://ja.wikipedia.org/wiki/


朝早くに愛知県を出発して4時間ほどドライブして、11時頃、東京都渋谷区千駄ヶ谷に到着しました。Googleマップで将棋会館近くの安い駐車場を調べて、「パークネット 千駄ケ谷2丁目」に駐車します。Googleマップでは「日本将棋連盟本部 将棋会館」のすぐ裏手になっています。スマホでGoogleマップを見ながら将棋会館に向かうと、なんと「旧将棋会館跡地」です。有料老人ホームができるようです。今はまだ聖地でしょう。
鳩森八幡神社


「鳩森八幡神社」は、720年代に創建された小さな祠【鳩森】「はとのもり」に、貞観2年(860年)、慈覚大師が鳩森の御神体を求める村民たちの強い願いに応えて、神功皇后・応神天皇・春日明神等の御尊像を作り添えて、正八幡宮として崇敬し奉ったことが縁起の神社です。八幡様は武運の神様ですから勝負運や必勝祈願に絶大なご利益があるとされていて、旧将棋会館が道一つを隔てた場所にあったことから、昭和61年に当時の日本将棋連盟会長大山康晴十五世名人より高さ1.2mの欅製の大駒が奉納されました。



https://x.com/chunichishogi
社殿の右手に、大山康晴十五世名人が奉納した大駒が納められた「将棋堂」があり、毎年1月にはこの御堂の前で将棋連盟の会長をはじめとするプロ棋士が参列する将棋堂祈願祭が行われます。その時には普段閉めている御堂を開いて祭典が行われますが、当然今日は閉じられています。


この神社には授与品として五角形の駒の形を摸した「棋力向上絵馬」(500円)があり、将棋堂には棋力向上を願う沢山の絵馬が奉納されています。将棋にちなんだ格言が書かれた「王手みくじ」もあって、将棋堂の横にたくさんのみくじが奉納されています。「歩のない将棋は負け将棋」「下段の香に力あり」「入玉に負けなし」・・・沢山の格言が書かれています。この他にも「王手勝守」(1,000円)や「王手守」(500円)といった将棋になぞらえたお守りも頒布されています。(1,000円と500円は何が違うのでしょうか。)


東京には70ヵ所以上の「富士塚」(江戸時代に作られ、富士山信仰のシンボルで、高さ10mほどの富士山のミニチュア)があり、鳩森八幡神社にある千駄ヶ谷の富士塚は最古とも言われています。この神社の社格は村社ですが、「江戸名所図会」(江戸時代後期に刊行された江戸の地誌、絵入りの名所案内)にも掲載されていて、「観る将」でない人にも楽しめる神社です。
将棋会館



鳩森八幡神社から北東方向に5分ほど歩くと、2024年9月にオープンした「新しい将棋会館(ヒューリック将棋会館千駄ヶ谷ビル)」に着きます。南端のガラス窓の中に旧将棋会館から引き継がれた「将棋會舘」と書かれた木製看板があります。北に進むと、「棋の音カフェ」と「棋の音」の入り口があります。「棋の音」は「将棋文化の木の根」となる場所という願いを込めて命名された、ヒューリック将棋会館千駄ヶ谷ビル1階の複合施設です。初心者から有段者まで対局を楽しめる「棋の音道場」(将棋道場)、将棋用具や棋士のサイン入りグッズ、オリジナル雑貨などを販売している「棋の音ショップ」、将棋をコンセプトにした「棋の音カフェ」(KINONE CAFE)があります。


https://www.shogi.or.jp/about/base/tokyo/
さらに北に進むと、対局室などがある「将棋連盟」の入り口があります。大きなビルです。外観を眺めてから、昼食に向かいます。(私のカメラでは全体像を撮影できませんでした。)
鳩やぐら



将棋のインターネット中継がされ、そこで棋士の昼食が紹介されるようになって、「将棋めし」が話題になるようになりました。将棋会館周辺には棋士御用達の飲食店がいくつもあります。どこで昼食を食べるかかなり迷ったのですが、旧将棋会館の向かいにある「鳩やぐら」へ向かいます。1982年から将棋会館に出前を届け続けた老舗「みろく庵」が2019年3月末で閉店し、オーソドックスな和定食を提供する店が無くなり、同年4月にたまたま来店した将棋連盟職員が出前店への参入を打診した結果、将棋会館への出前が始められたお店です。外観はスワローズファンが集うような普通の定食屋ですが、店内には渡辺明九段、木村一基九段、深浦康市九段など何人もの棋士の直筆色紙が飾ってあります。サバのおろし和風あん定食をいただきます。美味しい定食です。
駒テラス西参道



「明治神宮」は将棋の聖地ではないのですが、「将棋会館」と「駒テラス西参道」の途中にあるので、明治神宮に参拝してから駒テラス西参道へ向かいます。明治神宮は、明治天皇と昭憲皇太后を祀る、東京・渋谷区にある神社で、社格は官幣大社で勅祭社です。初詣参拝者数日本一を誇り、「鎮守の森」が広大です。



「駒テラス西参道」は、2023年6月にオープンした、将棋カフェ・ギャラリー・ホール・スタジオを備える複合施設です。「観る将の聖地」を目指して、将棋観戦やイベント、教室を通じて将棋文化とまちの日常を融合させるようとして、渋谷区と日本将棋連盟が連携して指した「文化と日常が出会う新しい一手」です。参宮橋駅近く、首都高高架下にあり、将棋セット貸し出しやイベント、配信番組の公開収録なども行い、地域のにぎわい創出にも貢献しているのですが、今日は平日ですからイベントもなく静かです。残念なことに、カフェは改装中です。将棋会館の棋の音カフェに戻って、お茶することにします。
棋士カプチーノ



棋の音カフェでは、棋士の画像がプリントされている、"ここでしか飲めない"特別なカプチーノを飲むことができます。2025年秋冬の「今月の棋士カプチーノ」は10月 清水市代 女流七段、11月 佐藤康光 九段、12月 豊島将之 九段、1月 藤森哲也 五段、2月 佐藤天彦 九段、3月 藤本渚 六段とアナウンスされていました。今日、12月は愛知県一宮市出身の豊島将之九段です。「今だけ」のスペシャルバージョンがあります。当然、スペシャルバージョンを注文します。右手で持って一口飲むと顔から飲むことになります。申し訳ないようにも思いますが、冷めないうちに飲みます。味は普通のカプチーノです。
買いました

棋士カプチーノを楽しんでから、棋の音ショップを回ります。せっかくですから扇子を買おうと思います。一番の押し棋士は藤井聡太竜王・名人ですから、藤井聡太先生の扇子を探します。印刷ではない直筆の扇子が17,500円で売っています。高い。リーズナブルな印刷ものも4種類ほどあります。迷って迷って、少し高めの「八冠達成記念扇子」(3,740円)を購入します。(写真は今回購入した藤井聡太先生八冠記念扇子と岡崎将棋祭りの際に購入した渡辺明九段の色紙です。)
千駄ヶ谷で三時間半、旧将棋会館跡地、鳩森八幡神社、将棋会館、鳩やぐら、駒テラス西参道と将棋の聖地を堪能しました。機会があれば、関西将棋会館にも行ってみたいですね。
