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ことのは

声にならなかった想いが
そっと芽を出す

その芽は
朝露をまとい
ひとひらの葉のように
光を受けて 目をひらく

風に揺れ
やわらかな影を落とし
かすかな音をたてながら
遠くの誰かへ手を伸ばす

葉は枝を結び
枝はやがて森となる
その森には
笑い声やため息や 祈りのような沈黙が
寄せ合うように重なっていく

ことばは 葉となり
葉は やがて花となり
実を結び また種を残す
巡りは続き
いつか あなたの胸にも 根をおろす

ここは
そんな小さなひと葉たちが
集まり 息づく場所



言の葉の木

目の前に、大きな木が立っていた。
幹には「言の葉の木」と書かれた札が、少し斜めに打ち付けられている。

さわやかな風が、どこからともなく吹いてきて
生まれたばかりの香りが、そっと髪に触れた。

その木の根元に立つと、
ひらひらと一枚、また一枚
葉が落ちてきた。

それは――言の葉。

最初はゆっくりと、やさしく舞い降りていたけれど
やがて、ぽたぽたと音を立てるように
まるで滝のように、言の葉が降りはじめた。

わたしは思わず両手を広げ、
落ちてくる葉を掬い集めた。
そして、持ちきれないほどの言の葉に包まれながら
木の根元に身体を横たえ、そっと瞼を閉じた。

瞼の裏が、真っ白になる。
陽の光が、燦々と降り注ぐように。

しばらくして目を開けると
落ちてくる葉の中に、ひときわ白い紙が混ざっているのに気づいた。

拾い上げてみると、そこにはこう書かれていた。

―― 請求書 言の葉30枚分 合計30円

……有料なの!?

小狡いわたしは
その「請求書つきの葉」だけを避けながら
無料の言の葉を たくさん、たくさん拾い集めた。

そしてそれらを
そっと 心にしまいこんだのだった。


🌿 この葉たちの続きは、マガジン「ことのは」でそっと息づいています。



マガジンに掲載していただきました✨


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