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それがなにか わからずにいた

見境なく噛みつく正義
止めどなく流れる偽善
頭を垂れるだけの倫理
ときを刻むだけの時計

乾いた眼差しの群衆
爪先を隠した慈悲
錆びた理想への賛美
影を踏みつける陽光

知らなかったんだ わたし
ほんとうに 知らなかった

自認で区切られる自由
偽りに蹂躙される真実
賞賛で送り出された魂
好機と謳われた荒廃地

言葉を愚弄する蜂起
蛆のように群がる団結
地獄を作り出した発明
誰とも対峙しない抱擁

知らなかったんだ わたし
ほんとうに 知らなかった

そんなこと
当たり前だと思ってた
考えもしなかった

見えていたはずのものが
ぜんぶ 正しいことだと思っていた
響きも 空気も
そうあるべきだと 信じていた

知らなかったんだという自分も
本当は 見て見ぬふりをしている偽善者なんだろうと
薄々 感じている


これも 欺瞞なんだろう

それがなにか わからずにいたんだ



マガジンに掲載していただきました✨









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