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あなたの視線さえ




今なんて言ったの?

どうして そんなこと言うの
無邪気に笑いながら
わたしの奥を 貫くみたいに

ただの軽口なら
忘れてしまえるはずなのに
胸は勝手に火を噴いて
呼吸が追いつかない

見透かされたの?
隠してきた想いを
あなたは知っていて 放ったの?
それとも 本気で――?

わからない
わからないまま
鼓動はもう暴れて
わたしを壊そうとしている


夜になっても 熱は消えない
あの日の言葉が 頭を焼きつけて
眠れないまま 転げ落ちていく
わたしはもう ただのわたしじゃない

ねぇ 冗談なら笑ってよ
本気なら 抱きしめてよ
どちらでもなく 放り出されるなら
いっそ 心ごと砕いてほしい

期待と絶望が
同じ場所でざわめいて
痛みさえも あなたの証のようで
もっと欲しいと 胸が疼く

止められない
怖いのに
あなたを想うたび
息が 熱に溶けていく


逃げたいのに 逃げられない
ひとことが 全身を支配して
わたしを絡め取っていく

本気だったの?
それとも ただの気まぐれ?
問いかけても 声にはならず
ざわめきだけが 膨らんでいく

笑い声すら 刃に変わり
沈黙までも 甘い毒になる
もう嫌だ でも
どうしても 近づきたくなる

苛立ちと 憧れと
期待と 不安と
全部が混ざり合って
胸を爆ぜさせる

ねぇ あなたは知ってるの?
わたしはもう

あなたの正面に立つこともできず


あなたの視線さえ


凶器になる




マガジンに掲載していただきました✨






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