ハッピーエンド
多様性尊重、平和主義、弱者救済を訴える政党が、党員減少と支持率低下に喘いでいた。そこで彼らは、投票行動を操作できる装着を極秘に開発した。
選挙で圧勝した彼らは、行政機関の中の反対勢力を一掃した。軍事費を大幅に削減し、大企業と富裕層には、これまで以上に課税した。貧困層や弱者には現金を給付した。
大企業と富裕層は、海外に拠点を移しはじめた。専門職や技術者がそれに続いた。貧困層や弱者の多くは給付金で生活し、あまり就労しなかった。経済は低迷し、税収は減っていった。
隣国が、些細な出来事を口実に侵攻してきた。弱体化していた軍は抵抗できず、あっという間に主要な拠点を占領された。政府は早々と降伏して、隣国の自治州となった。
自治州の要職に横すべりした党員らは、戦死者が少ないことをもって、平和主義の勝利だと誇った。