メインコンテンツへスキップ
見出し画像

最高の飲み会

    染水翔太

    〈登場人物〉
    吉田:酔うと母校の校歌を歌い出す
    長松寺:酔うと一人でしりとりをはじめる
    今井:酔うと全裸になり、局部を握って振り回す
    田中:酔うと異形になる


    「かんぱーい!」「乾杯」「かんぱい」「カンパーイ!」
    「嬉しいです。こうして出会えて」
    「僕もです。普段ネット上だけだったんで」
    「新鮮ですよね」
    「みなさんけっこう飲めるんですか?」
    「僕はけっこう強くて」
    「僕は下戸ですが、今日は飲んじゃいます」
    「俺は嗜む程度。田中さんは?」
    「私もけっこう強くて」
    「へえ。じゃあみんな今日は飲める感じですね」
    「ですね。ガンガン行っちゃいましょう。みなさんは酔うとどうなるんですか?」
    「僕はただただよく笑います」
    「僕はなんか泣き上戸になるらしいです」
    「それは面白い」
    「俺は顔が真っ赤になって、寝ちゃうんです。でも今日は頑張りますよ。田中さんは?」
    「私はけっこう口数が多くなる感じです。お前そんな喋るんだって、言われますよ」
    「みなさんそれぞれに個性があって。面白いですね。いやあ、やっぱこうしてリアルで会うと違うなあ。もう一缶、早速いっちゃおうかなあ」
    「お、今井さんいいですねえ。じゃあ僕も」
    「いやあ…」
    「どうしました、吉田さん」
    「ちょっと酔ったみたいです」
    「じゃあ笑い上戸になるのかな?」
    「へへなっちゃうかもです…ん、ん」
    「大丈夫ですか?」
    「あ、すいません。大丈夫です」
    「まあ、お酒は飲んでも飲まれるなってやつですか」
    「ははは」
    「…狭山ヶ丘の若緑~のぼる朝陽に輝いて~」
    「あれ吉田さん? どうしましたか?」
    「希望に燃える~この胸を~膨らませては歌おうよ~」
    「吉田さん? 急に立ち上がってどうしたの。吉田さん?」
    「の、の、のみ、みみずく、くれぱす、す、す、すんどめ、め、めにえーるびょう」
    「あれ、長松寺さんもどうしました? 独り言ですか?」
    「う、う、うんこだいまおう、う、う、うんこだきあわせはんばい、い」
    「ちょっと、長松寺さん? 田中さん、どうしましょ」
    「まあ、放っておきましょう。酔ってるんですよ。みんな泣き上戸だ笑い上戸だ言って、本当はもっと変な姿を隠し持ってるんですよ。では私はもう一缶」
    「そうですね。私も、もう一缶」
    「私たちの第五小~」
    「い、い、うんこごりら、ら、ら、うんこすぽーつかー、」
    「田中さんは、休日はなにされてるんですか」
    「私は、基本的に釣りですかね。朝から海に出て。今井さんは?」
    「僕はもっぱら映画鑑賞です」
    「おお映画鑑賞。いいですね。なんかおすすめの作品はありますか?」
    「青空高く、天高く~向こうに見える富士の山~」
    「か、か、かりふらわー、わ、わ、わたなべとおる」
    「少林サッカーとかですかね」
    「ああ、少林サッカー。なんか懐かしい」
    「あれは面白いんですよ。少年が…あ、ちょっとすいません」
    「今井さん、どうしましたか?」
    「あ、大丈夫です。なんでもないです。平気です。田中さんは、好きな映画とかありますか?」
    「僕ですか。僕は、ミリオンダラー・ベイビーですかね」
    「文化は育つ~我らの時代~」
    「るーおおしば、ば、ば、ばみゅーだとらいあんぐる」
    「ああ、イーストウッドの」
    「はい」
    「イーストウッドだったら、ミスティック・リバーとか」
    「ああ、それは知らないかもです」
    「未来にかける 若き英知~」
    「る~るる、るるる、る~るーるる」
    「本当ですか、今度見てみてください」
    「ああ、はいぜひ。どんな話なんですか?」
    「港町で…」
    「今井さん?」
    「…」
    「学びの庭の明け暮れに~ああ故郷の名を惜しめ~」
    「…」
    「今井さん? ちょ、ちょっと今井さん、なに出してるんですか? すぐにしまってください」
    「あ、すいません。でも。へいへーい! へいへーい!」
    「ちょ、今井さn…」
    「…」
    「…」
    「イマイサン…イマイ…オブチェスキャイチェ…ギタチュタチュタチュ」
    「遠くいずるも忘れまじ~町のさかえはわれら負う~」
    「へいへーい! へいへーい! 振り回すぜ~!」
    「る、る、るーびっくきゅーぶりっく、く、くびれ、れもんがす、す、うんこまま、ま、」
    「ダギダギダギ…シダギダギ、ジュ、キュ、ミュ、ビチャナニ」
    「流れし清し~、多摩の水~」
    「ま、ままー! ままー! ままー! ままー!」
    「ぶんぶん行くぜ~ おれのあそこはヘリコプターだ~! ぶんぶーん!」
    「心とこころの強い糸~ああ浜西小学校 ここにあり~」
    「ままままままままー! ままままままー!」
    「ヘリコプターヘリコ…」
    「…」
    「…」
    「ダキウエダキウ…ブジュキブジュキブジュキ」
    「ああ母校~ああ母校~ああ…バギフバグヤバグアギヤ…ウイウイウイ」
    「ままままママママママ…ママユヴィユヴィユヴィ」
    「ダギダギダギビヤナニ」
    「ダヒユユユユ」
    「バジャビバシゃ」
    「ジャマラユウイウイウ」
    「オクオウイ」
    「ダツウィダツリ?」
    「クィクィクィ」
    「オイオイピ!」
    「ケイクウィクィ?」
    「ピピィ」
    「ピピィ?」
    「ピピィ!」「ピピィ!」「ピピィ!」「ピピィ!」

    あなたへのおすすめ