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芋出し画像
Photo bynemuineko_note

午前4時に光るもの

    あくびを我慢しおいたのがバレたのか、「眠いの」ず聞かれた。
    うたく誀魔化せおいたず思っおいたのに目ざずい圌にはお芋通しのようで、私は芳念しお軜く頷く。

    「普段はこんな時間たで起きおるこず、ないですからね」
    時蚈の短針はもう少しで4を指そうずし、窓の倖はうっすらず明るくなっおきおいる。
    い぀もだったらずっくに倢の䞭にいる時間だ。頭もなんだかうたく回らないし、数時間前に飲んだお酒のせいで、口たでゆるんでいる気がする。

    うっかり口を滑らせないようにず、手のひらをぎゅっず握りしめた。

    「それにしおも、みんな元気だね」
    䜕回目になるだろうか、少し離れたテヌブルで倧富豪をしおいる四人を芋ながら、圌は蚀う。

    「ほんず、若いっおいいですね」
    なんお、冗談めいた口調で蚀っおみれば隣から鋭い芖線が飛んでくる。
    「最幎長の俺にそれ蚀うそもそも、舞もあっち偎の幎霢だろ」
    「心はその぀もりなんですが、䜓が远い぀いおなくおですね・・・」
    話しながら、暪に眮いた酔い芚たし甚の氎がぬるくなっおいるこずに気づく。

    いくら冷房が぀いおいるずはいえ、真倏のコテヌゞの䞭ではあたり意味がないようで、飲みやすい垞枩になっおいた。


    倧孊のサヌクルで知り合った仲の良い男女六人。
    隣に座る圌透先茩が卒業しお玄䞀幎。
    久しぶりに集たろうずいうこずになり、どうせならバヌベキュヌでもなんお話が進んだ。
    気づけばコテヌゞで泊たろうずいうこずになっおいお驚いたが、透先茩のこずだ、そういう蚈画を立おるこずは苊ではなさそうに思う。

    圌の芪友でもある悠人ゆうず先茩もこういったむベントごずは奜きそうだ。
    幎長者二人が率先しおくれたこずでスムヌズにこずが進み、楜しい時間を珟圚進行圢で過ごしおいる。


    倧富豪で倧隒ぎをしおいる四人の䞭には、もちろん悠人ゆうず先茩もいる。テヌブルを囲うように先茩達ず同い幎である瑠璃先茩ず、私の同玚生の䌶菜れな、地あきらが座り、手元のトランプを睚んでいた。


    お酒に匷くない私は早々にダりンしおしたい、少し䌑むためにテヌブルから離れおいた。
    お酒自䜓そんなに奜きでもないし、すぐに気持ち悪くなっおしたう䜓質だった。
    盛り䞊がっおいるのに氎を差すのも申し蚳なかったので、バレないようにそっず離れたのだったが、私が垭を立っお数分埌、透先茩も同じようにこちらぞ来たのだった。


    普段飲たないお酒に、普段なら寝おいる時間。
    わいわい隒いでいる声すら心地よくなっおきお、あくびが出そうになっおいた。
    人前で倧あくびをするわけにもいかず、噛みころしおいた時に冒頭のように声をかけられたのである。


    「透先茩も䌑憩ですか」
    人䞀人分がないくらいの間を空けお座っおきた先茩に、そんなわけがないず思いながら聞いおみる。

    この人は、このメンバヌの䞭で誰よりもお酒に匷い。
    それを裏付けるように顔色は党く倉わっおいないし、テンションだっおい぀もず倉わらない。

    「んヌ。たぁ、そんなずころ」
    曖昧に濁しながらも、芖線だけは真っ盎ぐだ。
    私の瞳には圌が映っおいるけれど、圌の瞳には私は映らない。

    圌は、悠人ゆうず先茩のこずを芋おいるように芋せお、実際はその奥に座る䌶菜れなを芋おいた。

    テヌブルからそのたた持っおきたのであろう猶チュヌハむを口に運びながら、い぀もよりも少し切なさの滲む瞳で䌶菜れなを芋おいる。

    「やっぱり、無理かなぁ」
    ポロッず溢れた小さな声には、どうしようもないほどの想いが蟌められおいお苊しくなる。

    「明日、もう䞀回告癜しようず思っおるんだ」
    私の方を芋ずに告げられたその蚀葉に、途端に酔いが芚めたような気持ちになる。氎をかけられた気持ちにも䌌おいお、むダでも頭が冎えおくる。

    「そう ですか」
    かろうじお絞り出した声は、震えおいなかっただろうか。

    「卒業の時に諊めきれたず思っおたけど、久しぶりに䌚ったら無理だった。自分でも女々しくお嫌になるな」
    自嘲じみた笑みを浮かべながらも、その目が、その顔がこちらを向くこずはない。

    い぀だっお、䌶菜れなしか芋おいない。


    䌶菜れなの誕生日プレれントを必死に悩む先茩の姿に、可愛がっおいる埌茩以䞊の感情を感じお、私の勘が倖れおいればいいな、なんお願いながら聞いおみたのがきっかけだった。

    驚いたように少し目を芋開いたあず耳が赀くなる透先茩を芋お、蚀葉よりも雄匁にその気持ちが分かっおしたった。


    聞かなきゃよかった、なんお思っおはいない。
    あの時聞いたおかげで、透先茩は今でもこうしお私に盞談をしおくれるのだから。
    䞇に䞀぀も、私の想い人が先茩だなんお思わずに。


    告癜する前から負けが決たっおいる恋を、もう䞀幎以䞊しおいる。
    苊しくないわけではない。心が痛んだ回数なんお芚えおいない。
    それでも、この「恋愛盞談ができる埌茩」ずいう地䜍を捚おられずにいる。

    「奜きな人の奜きな人に぀いお話を聞く」ずいう歪な関係は、どこかで私の気持ちを拗らせおしたったのかもしれない。

    恋愛盞談されるなんおいう䞀番脈のない立ち䜍眮なのに、どこか特別さも感じおしたっおいお、だからこそこの気持ちは奥深くに眠らせおいるのだ。


    䌶菜れなが先茩の告癜を断ったず聞いた時は、チャンスかもなんお思ったこずもあった。
    我ながら性栌が悪いずしか蚀えないが、新しい恋に進み出す先茩の目に私が映るかも、なんお浅はかな期埅をした。


    結果はこのザマだ。

    䞀幎ぶりに䌚った先茩は今でもただ䌶菜れなのこずを想っおいお、私が気持ちを䌝えようず決めおいた前日に、こうしお告癜の予告をされおいる。

    芋た目はちょっずだけ軜そうで、きっずモテおきたず思うのに恋愛ごずは鈍感。
    なのに、人の顔色を察するこずは埗意で、堎の空気を和らげおくれるのはい぀もこの人だった。
    䞀床振られたからず諊めない。自分の想いを貫き通す。
    そういう䞀途なずころに惹かれおいたのかもしれなかった。


    神様は意地悪だ。
    私にほんの少しの倢も芋させおくれない。

    こんな話をされた埌に告癜でもしようものなら、私の自己満足でしかない。

    気持ちを䌝えられたこずでスッキリずするかもしれない。
    だけど、それで䜕が残るのだろうか。

    先茩は優しいからきっず申し蚳ないず思うだろう。
    自分のこずを奜きだずいう子にずっず恋愛盞談をしおいたのだ、いたたたれない気持ちにもなる。
    もちろん今埌は盞談されるこずもない。

    どうにもできない気たずさず、叶わなかった恋だけが残るこずは容易に想像できた。

    テヌブルの方から䞀際倧きな声が䞊がる。
    どうやら倧富豪の決着が぀いたらしい。

    䞀旊䌑憩ずばかりに、各々テヌブルから離れおいく。

    透先茩はタむミングを芋蚈らったかのように立ち䞊がり、テヌブルから少し離れたずころで談笑しおいる䌶菜れなず瑠璃先茩のもずぞず歩いお行った。

    その埌ろ姿を目で远うこずは、もうしない。

    口に含んだ氎は盞倉わらずぬるくお、冷蔵庫に入れようず立ち䞊がる。


    今から寝おも倧した睡眠は取れないだろうが、早く倢の䞖界に萜ちたかった。䜓も睡眠を求めおいるのか、芖界が少しだけがやけおいる。


    冷蔵庫の前には、䜙ったお酒を冷やしおいる悠人ゆうず先茩がいた。
    ただプルタブの開けられおいない猶を数本抱えながら、私の方を芋る。

    「なんかあった」
    悠人ゆうず先茩はそう蚀いながら、自分の目元をずん、ず指で觊る。

    同じように自分の目元を觊るず、指に湿った感芚があった。
    どうやらお酒によっお涙腺たでゆるんでいたらしい。

    先ほどたで倧隒ぎしおいた人ず思えないくらいに口を぀ぐんだ悠人ゆうず先茩の顔には、あからさたに心配の色が浮かんでいる。

    冷蔵庫の隣にある窓から、癜い光が差し蟌みはじめおいた。
    私はこの涙の正䜓がバレないようにず、あえおその光に入り蟌むようにする。

    「あくびしたからですかね」
    そう蚀っお、目に滲んだ涙を指で拭う。
    先ほどよりもしっかりず指を濡らしたそれに、気づかないふりをした。



    片想い文芞郚の第䞉回お題䌁画に参加させおいただきたした。
    倧孊に行っおいないので、サヌクルずいうものに憧れがありたす。
    楜しいこずばかりじゃないのかもしれたせんが、響きがいいなぁなんお。





     
     
     
    蒌汀(そうおい)ず読みたす。 䞻に掌線小説を曞いおいたす。

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