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「50代でそれは痛い」って、一体誰が決めたの?

日本に帰ってきてから、不思議に思っていることがある。

「50代のNGメイク」
「50代がやめたほうがいいNGファッション」
「40代がやってはいけないコーデ」
「痛いと感じる40代ヘアスタイル」

ネットを見ていても、雑誌を見ていても、こんな見出しが多い。こういう記事があること自体が悪いとは思わない。参考になる人もいるだろうし、「何を着たらいいかわからないから教えてほしい」という人もいると思う。私が気になるのはそこではない。

なぜ、「こうすると素敵に見えます」ではなく、「これはNG」「これは痛い」「若作りに見える」「老け見えする」と、わざわざ否定の形にするんだろうということです。女性向けメディアには、こういうタイトルが普通に踊っている。

誰かを不快にしているわけでもない。TPOを無視しているわけでもない。周りに迷惑をかけているわけでもない。それなのに、なぜ年齢を理由に「NG」に括っているんだろう。

アメリカ東海岸、オフィス街の近くに長い間住んでいました。朝になると、仕事へ向かう女性たちが街を颯爽と歩いている。60代くらいの女性が、鮮やかな赤いスーツに生足でパンプスだったり、ナチュラルでおしゃれな白髪に大ぶりなアクセサリーを付けている人がいたり、明るい花柄のワンピースにオープントゥのサンダルの人もいる。

当然、グレーや紺色の落ち着いたビジネススーツの人たちも多い。ときどき、「お?ちょっとオフィスには結構派手じゃない?大丈夫かな?」というような人もいらっしゃる。でも、年齢で何か「こうしなきゃいけない」的な空気は感じません。

最近のVogueで、50代以上のロングヘアを紹介した記事を見てみると、そもそも年齢によって髪の長さを決める必要はない、という方向から話が始まります。「50代になったら髪を短く」という、一種の固定観念そのものを疑っています。

日本ではどうでしょう。TPOから外れているわけでもない普通の服や髪型まで、「40代なら」「50代なら」という年齢を基準に細かく線が引かれているように見えます。「50代だから、これはやめましょう」ではなく、「50代では、どう楽しむか」。このニュアンスの違いは、大きいと思います。

そして、もうひとつ気になることがあります。こういう「◯◯はNG」というような発信を何度も目にするうちに、最初は何とも思っていなかった人まで、「そういうものなんだ」と思うようにならないだろうか。そして、暗黙のうちにルールブックが作られていないだろうか。

似たような例でいうと、「今年の流行色」だ。「20◯◯年秋冬トレンド、何色が流行る?」みたいな見出しがそこら中にある。「今年の流行色」は、自然に流行った色をリサーチして、トレンドとして掴んだわけではないく、インターカラー(International Study Commission for Color)が、約2年先のカラートレンドを選定しています。

その時点で、ファッション業界が取り入れ、商品が作られ、店頭に並び、メディアが「今年のトレンドカラー」として紹介する。そうやって私たちがその色を目にする機会が増え、実際に選ぶ人も増えていく。つまり、流行色は予測して選ばれる一方で、その予測自体が実際の流行を作る力も持っているわけです。

つまり、「繰り返し提示されることで、それが当たり前になっていく」という点では、「50代ならこれはNG」という言葉にも似たところがあるのではないかと思う。本当に最初からみんながそう思っていたのか。それとも、「NG」「痛い」「若作り」「老け見え」と何度も見せられるうちに、いつの間にか「そういうもの」として受け入れられていったのか。

「50代でそれはちょっと……」の、その「ちょっと」の根拠は、いったいどこにあるんだろう。似合っていないから?TPOに合っていないから?誰かに迷惑をかけるから?そうではなく、理由がただ「50代だから」なら、私はやっぱりよくわからない。

50代であろうと、20代であろうと、背中の大きく開いたドレスで会社に行ったら場違いだけれど、パーティーで着るならどの世代でも「あり」ではないでしょうか?

年齢を重ねれば、体は変わる。似合うものも変わる。自分自身の好みだって変わる。だから、そのときの自分に似合うものを探したり、今まで着なかったものを試したり、新しい発見をするのは楽しいと思う。

でも、「50代になったから、これはもうやめる」。その判断を、自分ではなく、いつの間にか誰かが作ったルールに任せてしまうのは勿体ないです。

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