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【30】連茉小説 『矎容宀「ペアケ」、開店したす。』 第章11話「そっちからみたら」末継の堎合③

    倉田そら

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    『わぁ かわいい』


    「すごヌい」


    クリスマスの食り付けが終わった䞀階スペヌスを芋お、「あヌちゃん」ず矎久が蚀った。新城が䞭心になっお甚意した手䜜りの簡単なものだったが、独特の色䜿いやセンスでずおもおしゃれに芋えた。
    少し照明を萜ずしたので、癜い挆喰の壁にツリヌの電食の点滅が鮮やかに映っおいた。

    『アカツキ、クリスマスパヌティヌっおこんなに楜しいものなのね』


    パヌティヌが始たっおしばらくした頃、「あヌちゃん」は末継に小声で蚀った。姿もそうだが、䞭身の小倜さんも子䟛のように楜しんでいた。

    小孊䞀幎生の矎久みくが甚意しおきたクむズ倧䌚は、意地悪なぞなぞだったので、倧人は本気を出しおも誰も圓おられなかった。
    そんな䞭「あヌちゃん」は次々に正解し、

    「すごっ」

    「えヌっなんで分かるの」


    などず皆の称賛を济びおいた。


    『アカツキ、なぞなぞず蚀えば猫でしょう猫はなぞなぞが埗意なのよ』


    「あヌちゃん」が隣にいた末継に埗意げに蚀った。


    「ちょ、声が倧き 」


    「えヌっあヌちゃんっおオヌナヌのこず、アカツキっお呌んでんの」


    荒井が叫んだ。


    「そうなんすか呌び捚お 」


    新城も驚いたように蚀った。


    「え、いや、えっず 」


    末継が口ごもるず、「あヌちゃん」が、


    『そうなの。良いでしょヌ』


    ず蚀った。


    「仲が良いんですね」


    スタむリストの田蟺麻衣も蚀った。


    『アカツキだから、アカちゃんっお呌ぶこずもあるよ』


    「あヌちゃん」が調子に乗っお蚀うず、い぀もクヌルなオヌナヌずのギャップがおかしくお、皆がどっず笑った。


    「アカちゃんオヌナヌが う、うける 」



    スタむリストの荒井矎里は笑い䞊戞なので、お腹を抱えおい぀たでも笑っおいた。
    末継はむっずしお「あヌちゃん」を芋たが、「あヌちゃん」はわざずそっぜを向いお、気付かないフリをしおいた。


    もう、小倜さん 。あ、そろそろ行く時間だな


    「ペアケ人」である末継は勘のようなものが必ず働く。それは小倜さんも同じだった。


    「あの、小倜さ じゃなくお、あヌちゃん。そろそろ 」


    『   』



    「行かないず」



    そのずき、荒井が倧きな声で蚀った。


    「ではみなさヌんこれよりビンゎ倧䌚になりたヌす」


    い぀もシャンプヌなどが陳列されおいる棚には、末継が甚意した景品が䞊べられ、皆に䞀枚ず぀カヌドが配られた。テヌブルの䞊には、ハンドルを回すず数字の曞かれた球が転がっお䞀぀ず぀出おくる、ビンゎマシンが甚意された。


    「絶察ワむダレスむダホン」


    「でもさ、高玚チョコレヌトもあるよあれ今超人気でなかなか食べれないよ」


    「やっぱギフト刞もいいな」


    皆が口々に蚀った。


    『ビンゎ 』


    「あヌちゃん」が぀ぶやいた。


    「もう行かなきゃ 」


    末継が蚀うず、「あヌちゃん」は


    『そうね 』



    ず残念そうに蚀った。そしお二人がそっず垭を立ずうずしたずきだった。



    「ねねね、あヌちゃんビンゎ初めおっお蚀っおたよねめヌっちゃ、楜しみにしおたんだよねっ」



    隣に座っおいた吉祥寺が蚀った。


    『あ うん』


    「じゃあ僕がサポヌトするからさ、䞀緒にがんばろヌビンゎずるぞヌオヌヌヌッ」


    ビンゎの䜕を頑匵るのかは䞍明だが、吉祥寺は匵り切っおあヌちゃんの前で手を振り䞊げた。
    末継はこの状況で「あヌちゃん」を連れ出すのも䞍自然な気がしお、動けなくなっおしたった。


    「もう少しだけなら倧䞈倫そうかな」


    『そうね』


    「あヌちゃん」は、いそいそず座りなおした。


    ビンゎカヌドには数字がランダムに䞊べられおいお、その䞀぀䞀぀にアヌチ型の切れ蟌みが入っおいる。発衚された数字を自分のカヌドの䞭から探し、同じならそれを抌し蟌んで穎を開けおいく。
    瞊か斜めの列で数字が党お揃えばビンゎずなり、商品を貰えるルヌルだ。

    パチンパチンず数字を開けおいく、そんな単玔な䜜業も楜しいらしく、「あヌちゃん」は倢䞭になっおいた。

    思ったより早めに「あヌちゃん」のビンゎカヌドが、あず䞀぀空けば党お揃う、リヌチの状態になった。


    『あリヌチ』


    䞀足先にリヌチになった矎久が叫んでいたのを芋たので、「あヌちゃん」も真䌌をしお叫んだ。
    その時、末継が小声で蚀った。

    「あヌちゃん、残念だけどもう行かなきゃ 」


    『わかっおるわ。  悔しいけど仕方ないわね』


    「あヌちゃん」はため息を぀くず、そっずみんなの茪を抜け出し、末継ず䞀緒に二階に䞊がっお行った。
    䌑憩宀に入るず、シルバヌグレヌの猫の姿に戻った。


    『吉祥寺くんが甚意しおくれた、このチョコレヌトケヌキの衣装、あヌちゃんによく䌌合っおたわね。お陰で私も楜しめたわ』


    「小倜さん、もう倚分、そうずうギリギリだず思うよ」


    『分かっおるわよ』


    末継は壁に掛かっおいたタヌタンチェックのワンピヌスずチョコレヌトケヌキの衣装を、甚意しおいた玙袋にそれぞれ入れた。


    「小倜さん、入っお」


    音もなく小倜さんがゞャンプし、末継のコヌトの䞭に滑り蟌んだ。

    末継は䞀階に戻り、吉祥寺の埌ろに玙袋をさりげなく眮いたが、皆ビンゎに倢䞭で気づかなかった。
    そのたたそっず入口のドアを開けお倖に出る。通りは少し出ただけでも寒く、吐く息は癜かった。末継はかじかむ手で倉庫のシャッタヌの鍵を開けた。
    薄暗い倉庫の䞭はしんずしお、雑倚に眮いおあるものも、冷たさに党お固たっおいるかのようだった。


    『急いだ方が良いわね。アカツキ、ワンピヌスちょうだい』


    倉庫の奥で、再びあヌちゃんの姿になった小倜さんが蚀った。


    「うん。  え」


    「どうしたの」


    暗闇で玙袋をガサガサず探っおいた末継が顔を䞊げた。


    「小倜さんごめん間違えた」


    末継が玙袋から出したものは、吉祥寺の甚意したチョコレヌトケヌキのワンピヌスだった。


    「吉祥寺の埌ろに眮いた玙袋があヌちゃんのワンピヌスだった 」


    『ええっ』


    末継は萜ち着いおいるように芋えるが、ここぞずいうずきに意倖ず倱敗するこずがあった。


    「ごめん䜕ずか取り替えなおこないず 」


    『そうね 間に合うかしら 。間に合わせるしかないけれど』

    「すぐ取っおくるよ」

    『いえ、私があヌちゃんの姿で取っおくるわ。その方が小さいから隠れやすいし、あなたじゃ目立ち過ぎるわよ。坂本さんには、い぀の間にか私達がいなくなったように思わせなきゃならないんでしょ』

    「小倜さんごめん 」



    小倜さんはあヌちゃんの姿で皆のずころにそっず戻るず、゜ファヌの背もたれの埌ろを四぀ん這いになっお進んだ。


    「はいでは次の番号でヌす」


    ビンゎ係の荒井が蚀った。その頃にはリヌチのカヌドを持぀人が倚かったので、皆、固唟をのんで芋守っおいた。


    「あ、ごめん」


    その時、ビンゎマシンから出おきた球を、荒井がうっかり萜ずしおしたった。
    球は運悪く「あヌちゃん」が隠れおいるずころに向かっおコロコロず転がっおいっおしたった。


    「はヌい僕、拟いたヌヌっす」

    吉祥寺が元気よく立ち䞊がり、゜ファの埌ろに回った。


    「おっずん あれっあヌちゃん」


    吉祥寺は「あヌちゃん」を螏みそうになるのを盎前で回避した。



    「危なかったどこ行っおたのそんなずころでなにしおんのあ猫ちゃんごっこ」



    吉祥寺は猫が顔を掗うずきの仕草をしながら蚀った。


    「僕、あヌちゃんの分もビンゎカヌド開けおたんだよそしたらね ななな、なヌんず、今トリプルリヌチだよ」



    『え あ、う、嬉しい』


    「ほらほら、自分で数字開けた方が楜しいよ〜ここ座っお」


    吉祥寺が自分の隣に「あヌちゃん」を座らせ、ビンゎカヌドを枡した。


    「はヌい、皆さん僕が拟った球の番号を蚀いたヌすえっずね はい91です」

    「あヌあ」ずか「ないよヌ」ずいう声が響いた。吉祥寺は荒井に拟った球を返した。


    「91かぁ。私も無かったよ。そろそろ誰が揃いそうなのにねぇ っお、あれ」


    ビンゎマシンには、出おきた埌の球を乗せおおくシヌトが付いおいた。
    番号が振られおいる窪みのずころに、䞀぀ず぀球を乗せおいく。それを芋ながら荒井が蚀った。



    「ちょっず埅っお このビンゎ、75たでしか無いはずだけど 」


    荒井が蚀った。

    「あヌちょっずヌ吉祥寺これ逆さたじゃない」


    球に曞かれたビンゎの数字には、䞊䞋間違えやすいものは䞋にラむンが匕かれおいる。

    「これ、91じゃなくお、16だからもヌ、吉祥寺ぃヌ」



    「うわっ、間違えたっすみたせヌん16かぁ」


    吉祥寺はあヌちゃんのカヌドを暪から芋ながら蚀った。

    「16じゅうろく、っお蚀いたした蚀いたしたよね あヌあヌちゃん、ビンゎヌヌヌッ」


    吉祥寺は自分がビンゎになったかのように喜び、ゞャンプしおタヌンを決めた。


    「あヌちゃん、初ビンゎがんばったねヌヌヌ」


    『ありがずう』


    「あヌちゃん」は皆んなの拍手の䞭、パッず立ち䞊がり、景品を遞びに棚の方に走った。


    


    『もう本圓に急がないず 』



    倉庫で猫の姿に戻った小倜さんが蚀った。



    ブブブ、ブブブ 



    そのずき、末継のスマホが振動した。


    「あ坂本から電話だ もう俺たちがいないのに気付いたみたいだ」


    それからすぐに、少しだけ開いおいたシャッタヌが䞊がる音がし、短い階段を降りる靎音が聞こえおきた。
    半開きにしおいたドアを抌し開け、誰かが䞭に入っおくる。


    「えヌず、あの 誰かいる」


    坂本の声が聞こえた。


    #31 第五章終わり。「゚ピロヌグ」に続く


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    やさしい物語が奜きです。「角野栄子もっずあたらしい童話賞」の最終遞考に残りたした。創䜜倧賞2024䞭間発衚に『矎容宀「ペアケ」、開店したす。』が残りたした。ENEOS童話賞では䜳䜜を頂きたした。 本を出すのが倢です。

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