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一等星と六等星 その輝き


    たまたま見上げた夜空

    そこには孤独に輝く星が

    夜の喧騒にも、

    街の明かりにも負けず、強く輝く。

    ああなりたいと、たぶん誰もが一度は思うだろう。

    でも、ふと思った。

    眩いのは、あの星だけなのだろうか。

    そんなはずはない。黒い天井の向こう側には、数え切れないほどの星がある。

    銀河の大きさに比べれば、一等星だってちっぽけな光の粒だ。

    星の明るさには、二つの尺度があると。

    地球から見た明るさと、星そのものが放つ光の強さ。

    一等星と呼ばれる星の多くは、ただ近いだけだ。

    シリウスは夜空でいちばん明るいが、

    それは八光年ちょっとという、宇宙にしてはご近所の距離にいるから。

    六等星の中に、一等星を凌ぐ光度の星がいくらでもある。ただ遠いだけで。

    千年以上かけて届いた光が、目を凝らさなければ見えないほどに薄まって、それでも届いている。

    見えたままの光というのは、星の価値の順位ではなかった。

    それは観る者との距離の話でしかない。

    人も、同じなのだと思う。

    教室の隅で、職場の端で、誰の視界にも入らない場所にいる人。

    日陰者と呼ばれる人が、逸れものと括られる人が、輝いていないなんて、誰が言えるだろう。

    見えないのは、光が弱いからじゃない。ただ、遠いだけかもしれないのに。

    遠くの星がすべて眩いわけでもない。暗い星は、暗いままそこにある。

    だからこそ、慰めにはならない。

    ただ、見えないことと光っていないことは、別の話だ。

    それだけは、確かに言えることだった。

    夜空を見上げる。

    一等星の隣の、何もないように見える暗がりを、なんとなく見た。

    黒い果てに瞬きを見た気がした

     
     
    2026/6/5 開始 はじめまして。空乃 逸輝(ソラノイツキ)です。 『正解のない夜咄』と、エッセイ連載してます。 いろんなジャンル書きます。ご愛読よろしくお願いします。 投稿日時 『正解のない夜噺』毎週金21:00投稿 エッセイ火 土21:00に投稿

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