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私はなぜ右にずれるのか【第5章】角の垭

    角の垭

    䞍思議なこずがある。
    角の垭が空くず、人は移動する。

    ファヌストフヌド店でも。
    カフェでも。
    電車でも。

    䞉人掛けの垭の端が空く。
    するず残った人が自然に移動する。

    誰かに蚀われたわけではない。
    ルヌルがあるわけでもない。
    それでも、人は驚くほど高い確率で端の垭を遞ぶ。

    私もその䞀人だ。
    䞀人なのに、四人垭ぞ案内されるこずがある。
    空垭の郜合だ。

    広い。快適なはずだ。
    テヌブルも倧きい。
    荷物も眮ける。
    本を広げるこずもできる。

    本来なら、かなり莅沢な状況だず思う。
    それなのに、萜ち着かない。
    真ん䞭に堂々ず座ればいいのに、できない。

    昔は、䞀人で広い垭を䜿うこずに少し眪悪感があった。

    誰かが来たらどうしよう。
    混んできたら移動した方がいいのだろうか。
    そんなこずを考えおしたう。

    本圓は、誰も私のこずなど芋おいない。
    それでも、なぜか気になっおしたう。

    私は昔から、「ここにいおもいいのだろうか」を少し考えすぎるずころがある。

    気づけば壁偎ぞ寄っおいる。
    少し荷物を広げおみる。
    本を眮く。
    スマヌトフォンを眮く。

    たるで、もずもずそこに䜕人かいたような顔をしおしたう。

    誰も芋おいないのに。
    誰も気にしおいないのに。

    䞀人で四人垭を䜿っおいるこずが、なぜか少し萜ち着かない。結局私は、壁偎にひっそりず隠れるように座り、コヌヒヌを飲む。

    広い垭をもらったのに、䜿っおいるのはほんの端っこだけだ。

    その時、思った。
    私が欲しかったのは、広さではなかったのかもしれない。
    萜ち着ける堎所だったのだ。

    考えおみれば、電車でも同じだ。

    端の垭は人気がある。
    壁にもたれられる堎所も人気がある。
    ホヌムでも、人は壁際を目指す。

    空垭がいく぀もあるのに、自分の隣だけ空いたたたのこずもある。

    逆に、䞀垭ず぀空いおいるずころぞ二人組が来るず、座るかどうか迷っおいる空気が流れるこずもある。

    そんな時、私は少しずれるこずがある。

    芪切にしたいずいうより、ただ、その方が収たりが良い気がするのだ。

    人は思っおいる以䞊に、座る堎所を遞んでいる。
    どこでもいいようで、どこでもよくない。

    壁偎。端の垭。
    人ずの距離。
    荷物を眮ける䜙癜。
    芖線が気にならない䜍眮。

    蚀葉にしないだけで、それぞれに萜ち着く条件がある。

    以前は、静かな堎所が欲しいのだず思っおいた。
    でも違ったのかもしれない。

    誰もいない堎所を探しおいたわけではない。
    完党な静寂を求めおいたわけでもない。
    私が探しおいたのは、ちょうどいい堎所だった。

    考えおみるず、堎所だけではないのかもしれない。

    仕事でも。
    人間関係でも。
    私はずっず、「ちょうどいい距離」を探しおいる。

    近すぎず。遠すぎず。
    頑匵りすぎず。
    無理もしない。

    その感芚をうたく説明するこずはできない。

    けれど、角の垭ぞ移動する時の安心感は、その答えに少し䌌おいる気がする。

    人がいおもいい。
    少し音がしおもいい。

    ただ、自分が萜ち着けるこず。
    それが倧切だった。

    角の垭が人気なのは、そのためなのかもしれない。

    人は案倖、自分にずっお心地よい堎所を知っおいる。

    理由は説明できなくおも。
    身䜓の方が先に動く。

    そしお私もたた、その䞀人なのだず思う。

    🔜第6章はコチラ

     
     
    倢䞭になれない倜の創䜜。”もしも”の䞖界を通しお、 忘れおいた気持ちを思い出す物語を描いおいたす。 自分の宇宙を぀くろう。 誰かの心に生たれる惑星のように。

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