
あとがき『午前0時 世界はサイコロを振る』
ここまで『午前0時、世界はサイコロを振る』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
この物語は、
「もし、自分の毎日がサイコロで決められてるとしたら?」
そんな小さな思いつきから始まりました。
でも書いていくうちに、
これは“サイコロの物語”というより、
「数字や通知に疲れた人たちが、
少し呼吸を取り戻していく話」
になっていった気がします。
今の時代は、
良くも悪くも、毎日たくさんの数字を見ます。
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気づかないうちに、誰かと比べたり。
”遅れないように”
と焦ったり。
私自身も、そんな感覚を抱くことがあります。
だからこの作品では、
”世界を変える人”ではなく、
「誰かと同じ夜を過ごせること」
を描きたいと思いました。
流れ星を待ったり。
コーヒーを飲んだり。
レコードを聴いたり。
大きな出来事はなくても、
そういう時間が、
少しだけ人を救うことがある気がしています。
また今回は、
レコードや古着、フィルムカメラなど、
少しアナログなものもたくさん登場しました。
すぐ結果が出ないもの。
少し待つもの。
今の時代だからこそ、
何も起きない夜に、
少し安心することがある気がしています。
そして、
最後まで“コロ……”の音を消さなかったのも、
この作品の大事な部分でした。
世界はたぶん、
これからも忙しいままです。
通知も、
比較も、
なくならないと思います。
それでも、空を見上げる夜があること。
誰かと同じ夜を過ごせること。
その時間が、
少しだけ呼吸を楽にしてくれる。
そんな物語になっていたら嬉しいです。
もしこの作品を読んだあと、
ほんの少しだけでも、夜空を見上げたくなっていたら。
それが、この物語にとって一番幸せなことです。
本当にありがとうございました。
🌙小さな夜のSora