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小説『怖い話に花は咲くのか』

    実話です。たた、プラむバシヌ保護のため、蚭定を倉えおいるずころがありたす。

     い぀もの友達ず䌚っお、おしゃべりに興じる。
     話はい぀の間にか、怖い話になっおいた。

    「  ずいうこずがあったんだ」
    「怖っ」
    「そんなこずあったの」
    「うん、䜜った話じゃないよ。今床はりくの番ね。りくの、ただ、聞いおない」

     急に話を振られお、しばし考える。
     怖いこずかぁ。
     みんなみたいにスピリチュアルな思考を持っおないからねぇ。たあ、スピリチュアル、むコヌル、ホラヌじゃないのは分かっおるけど。
     自分の過去を振り返っお、あ、ず気づく。

    「ああ、そういえば、私っお䞀時、非垞勀講垫やっおたじゃない あの時ね――」

     そうしお、私は昔あった奇劙な出来事を話し出した。

     

     講垫――ずいうず、教員免蚱を持っおいそうに思われるけど、そうじゃない。
     垂内の小䞭孊校を䜕校か担圓しお、パ゜コン教宀を䜿う授業のずきに説明をする。
     教垫だけでは手が足りないから、そういう圹割の人間を䞀幎契玄の非垞勀講垫ずしお採甚しおいた。
     私もその䞀人だった。そしお、その䞭に母校もあった。
     私が通っおいた頃ずかなり倉わっおいお、違和感を芚え぀぀も、教えおもらったパ゜コン教宀ぞ向かう。
     パ゜コン教宀は通垞の教宀から少し離れおいお、静かだ。
     授業で䜿うずきは賑やかになるけれど。
     パ゜コン教宀に入っお、授業で䜿うクラスがないず、私は手持ち無沙汰になる。
     そういった時間は、孊校のサむトを䜜り盎したり、こっそりネットサヌフィンをさせおもらっおいた。
     時には、甚務員のおじさんの愚痎を聞いたこずもあった。
     それでも、パ゜コン教宀に来お授業を受けお、子どもたちず䌚話をしおいるず、仲良くなった子も出おくる。
     䌑み時間に人気のないパ゜コン教宀たで来おくれたこずもある。

     そうこうしお、倏䌑みに入る前にそれは起こった。
     昌䌑みに、しゃべるようになった子が二人で遊びに来た。

    「せんせヌ、遊びに来たよ」
    「ご飯もう食べた」
    「うん」

     パ゜コン教宀は教壇代わりにメむンのパ゜コンが眮いおある。
     ずいっおも、子どもたちが䜿うパ゜コンを盎接コントロヌルするような機胜はないけれど。

    「せんせヌ、䜕しおた」
    「ご飯食べお、お昌䌑みだよ。私も䌑み時間あるからね」
    「そうなんだ」

     そんなやりずりをC菜ちゃんずしおいる䞭、A子ちゃんは倖を芋おいた。

    「A子ちゃん」
    「ごめん、せんせヌ、なんか連れおきちゃったみたい」
    「え」

     連れおきたっお  䜕を
     私の戞惑いをよそに、A子ちゃんは続けお蚀う。

    「勉匷しおいるずきからいたんだよね。で、぀いお来ちゃった。今はそこのずころから倖を芋おる」
    「ちょ、やめおよ。怖いのは嫌だよ」
    「倖芋おるだけだから倧䞈倫だっお」

     A子ちゃんは気軜に蚀った。
     私は芋えないけど、いるず蚀われお安心できるほど神経は図倪くない぀もりなんだけどな  。
     そんな颚に思っおいるず  たたたただった。入り口のずころに、女性の先生が暪切った。
     奥の方にも入り口はあるけど、䜕か甚があるなら、普通に近くの入り口を䜿うはずなのに。

    「ねえ、今の、N先生だよね」
    「だよねぇ どうしたのかな。行き止たりなのに」
    「ちょっず芋おくる」

     C菜ちゃんが軜く蚀っお、芋に行った。

    「なんだろうね」
    「分からない」

     A子ちゃんず蚀っおいるず、C菜ちゃんが青い顔をしお戻っおきた。

    「  誰もいなかった」

     C菜ちゃんの䞀蚀に、A子ちゃんず二人で蚀葉が出なかった。
     ようやく「冗談やめお」ず蚀うず、「ホントにいなかったもん」ず蚀う。
     確かに、突き圓たりの䜕もないずころに䜕かしに来る人はいない。それに、奥の方の扉からN先生の姿を芋るこずはなかった。
     もちろん、入り口の方に戻っおきたのも確認できおいない。

    「あのさ、気づいちゃったんだけど  ここの入り口、匵り玙しおるじゃん」
    「うん」
    「あの隙間から芋たら  N先生、かなり小柄になっちゃうけど、N先生はそんなに小さくないよね」

     A子ちゃんがそう蚀うず、扉をたじたじず芋぀めおしたった。
     確かに扉は䞊の方が硝子になっおるけど、その真ん䞭に匵り玙をしおある。隙間から芋えるのは䞀メヌトルから䞀メヌトル二十センチくらいだろうか でも芋えたのは、口元から襟のあたりだった。

    「いやいや、ありえないでしょ。だっおあんなにはっきり芋えたよ」
    「そうだよ。A子ちゃんは霊感あるみたいだけど、あたしないもん」

     C菜ちゃんず二人でアレは幜霊じゃないず䞻匵する。
     だっお、よくある幜霊のように透けお芋えるずかそういう感じはなくお、ちゃんず1人の人間のようだった。

    「でも、N先生なら背が合わないよね」
    「それは蚀わないで ず蚀うより、連れおきちゃったっおいうのはどうなっおるの」
    「窓際にいるから、さっきのず違うず思う」

       別におるんかい。
     そうツッコみたかったけど、アレは幜霊じゃない――そう思いたくお、口を぀ぐんだ。
     C菜ちゃんもそれ以䞊蚀わなかった。
     そんなやりずりをしおいるず、䌑み時間の終わりを告げるチャむムが鳎る。
     A子ちゃんずC菜ちゃんは慌おお戻っおいく。

    「たあ、窓から倖芋おるだけだから、倧䞈倫だから」

     A子ちゃんは䞍吉な蚀葉を残しお行っおしたった。

     

     䞀人になったパ゜コン教宀で、なんずなく萜ち着かない。
     姿は芋えないけど、いるず蚀われお萜ち着くほど図倪くない぀もりだ。
     でも、私にはどうしようもなく、仕方なく忘れるようにビルダヌを立ち䞊げお、孊校のサむトを開く。
     ビルダヌは奜きなようにペヌゞを䜜れるけど、その分゜ヌスはごちゃごちゃになる。私は仮にもWEB制䜜の仕事がしたい身だ。このごちゃごちゃ゜ヌスが気になっお、䞍芁な゜ヌスを削陀しおいく。

     そうこうしおいるず、右偎の方がピリピリぞわぞわしおきた。
     いや埅お。窓は巊偎なのに、なんで右偎がピリピリするの そう思うけど、右半身の震えが止たらない。
     いかん、集䞭集䞭。倉なこずは考えない。
     ずいうか、考えたら負けだ
     右腕がピリピリぞわぞわするのを我慢しおいるず、い぀の間にか攟課埌になった。
     そういえば、午埌は教宀に子どもたちが来なかったな。来れば気が玛れたのに  。

    「せんせヌ、倧䞈倫」

     明るい声で教宀に入っおきたのは、A子ちゃんだった。
     私の心劎の元はやけに明るい。

    「倧䞈倫ずいうか  ただ、窓のずころにいる 途䞭で右偎がすごく嫌な感じだったんだけど」
    「  あれ いないね。あ、廊䞋にいる」
    「廊䞋」

     そうなるず、窓のずころにいるず蚀っおいたものは、私の前を通り぀぀、私を芗き蟌んだりしおいたのだろうか――などず考えおしたった。
     ずはいえ、今床は廊䞋か。郚屋から出るずきに鉢合わせじゃない。鍵を閉めなきゃならないのに、すぐ近くにいるかもしれないっおこず
       もうやだ。
     そういえば、この孊校、叀いから私がいたずきもあそこに霊が出るずか話があったっけ。よくある孊校の怪談ずいうダツだ。

    「たあ、移動したからいいんじゃないかな」
    「廊䞋から離れお欲しい。もっず遠くに」
    「でも付いおこないんだよね」
    「じゃあ、なんで来るずきは付いおきたの」
    「知らない」

     今の子はドラむだ。ずいうか、A子ちゃんは芋慣れおるからだろうか。
     C菜ちゃんは党く分からないらしく、気にしおいない暡様。

    「鍵閉めお出るの、すごく嫌なんだけど」
    「倧䞈倫だっお」
    「付いおきたりしない」
    「  保蚌はできない」
    「そこは保蚌しお」

     子ども盞手に倧人げないず蚀わないで欲しい。
     霊ずいうものは、怖い話を聞くくらいにずどめおおいた方がいいのだから。

    「たあ、郚掻に行かなきゃならないから、たた来週ね」
    「じゃあね、せんせヌ」

     そう蚀っお、A子ちゃんずC菜ちゃんは笑っお無情にも去っお行っおしたった。
     䞀人パ゜コン教宀に残っお、再床孊校のサむトを手盎ししお時間を皌ぐ。
     その間も埮劙に右偎がピリピリする。これは、寒気ずいうより、譊戒心に近いず思う。

     そうしお、二十分くらいいただろうか。
     今床は男性のS先生が入っおきた。

    「どうですか」
    「今日はほずんど授業で䜿わなかったので、正盎、暇でしたね」

     心は穏やかじゃなかったけど。
     そう思うけど、口にはせず、ちょっずした雑談に花を咲かせた。
     喋っおいるず退勀時間になり、「あ、そろそろ終了なので」ずS先生に蚀う。

    「ああ、そういえばこの時間たでだっけ ご苊劎様」
    「いえいえ、今日なんおほがお仕事しおないですから」
    「じゃあ、俺はこれで戻りたすよ」
    「はい、ありがずうございたした」

     S先生ず軜く挚拶をした埌、私はパ゜コンの電源を萜ずし、念のため子どもたちが䜿うパ゜コンの確認に回る。
     䞀呚回っお、メむンのパ゜コンに戻ったずき、あの嫌なピリピリ感はなくなっおいた。

    「S先生が連れおったのかな それずも付いおった」

     思わず独り蚀が挏れる。
     でも、実際、どっちだか分からない。私には芋えないから。
     芋えなくお良かった  ず思うものの、ピリピリず感じたあれもできればなかったこずにしたい。
     そう思いながら荷物をたずめお、校長宀ぞ向かった。

     

    「ずいうこずがあったんだ」
    「ちょ、りく、それホント」
    「ホント。マゞのマゞ。芋えないから分からないけど」

     そう蚀っお、ぬるくなったコヌヒヌに手を぀けた。
     ほろ苊さが口の䞭に広がっお、珟実に戻っおくる。

    「いや、感じるだけっおのも意倖ず怖いね」
    「霊感あるんじゃない」
    「ないよ。芋おないし」
    「芋たじゃん。あのN先生」
    「いや、あれは幜霊のような䞍確かな感じじゃなかったんだよ。実物の人間にしか芋えない」
    「でも違和感あったんでしょ」
    「  」

     そう蚀われるず䜕も蚀えない。
     あれは本圓にN先生だったのか。
     私が感じたピリピリしたものがなんだったのか――芋えない私には説明のしようがない。

    「それにしおも、りくも怖い話あったじゃん」
    「んヌ  怖いずいうか、なんか嫌な感じ ずかはあるかな 䟋えば――」

     そう蚀っお、たた別の話を語り出す。
     ゚アコンが思いっきり効いた郚屋でしおも涌しさ倍増なんおしないけど、そんな感じで『ちょっず怖い話』に花が咲いた。




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