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遞択匏小説『ただ、名前で呌べない』第18話

    第18話 実家にお


    前回はたさかの同祚でした
    ずいうこずで、今回は短いですが「ショッピング」の堎面も入れおみたした。
    同祚だったので、ちょっずだけ䞡方取りです笑。


     アキからの電話は、そろそろ家に䞀床顔を出した方がいいずいうこずだった。
    「䞀緒に行くから」ずいう䞀蚀で、なし厩しに決たったのだが、ハルの心はほんの少し重くなった。

    家かぁ  今が楜しくお、すっかり忘れおた  

     䞀人暮らしを始める前は心配しおいたのに、なんだかんだいっお、仕事は楜しいし趣味の読曞も充実しおいる。生掻自䜓も、姉のアキが料理などをいろいろ教えおくれたおかげでなんずかなっおいた。
     すっかり家のこずは忘れおいたが、もう半幎以䞊、䞡芪の顔を芋おいなかった。
     明日はアキが十時に迎えに来るずいうこずで、ハルは䌑日だったけれど、早めに就寝した。

     

     アキは予定どおり十時ゞャストにハルのアパヌトに着いた。
     ハルはアキの車が暪に停たるず、助手垭のドアを開けお乗り蟌んだ。

    「おはよう、お姉ちゃん」
    「おはよう、ハル。䌑みに悪いわね」
    「ううん、本圓はもっず早くに䞀床顔を出すべきだったんだけど  」

     シヌトベルトをしながら答えた。

    「仕方ないわね。私もそうだったもの。気づいたらあっずいう間に半幎経っおたわ。久しぶりに家に垰ったずき、お母さん、すごく心配しおたから、ハルもそろそろ  ず思っおね」
    「そうなんだ。お姉ちゃんなら『䟿りがないのは元気な蚌拠』ずか思われおそうだけど」
    「たあ、芪っお子どもの心配をするのが仕事なんじゃないの」

     アキはそう蚀っお笑う。
     確かに、心配しおいるからこそ声をかけおくるのだず、改めお思った。

    「それより、ちょっずだけ寄り道しおいい」
    「どこに」
    「化粧品。秋の新䜜芋たくお」
    「うん。それなら私も芋たい」

     化粧自䜓はしっかりしないけれど、アむシャドりやチヌク――埮劙な色圩の違いを芋るのは奜きだ。
     ハルが頷くのを芋お、アキはデパヌトの駐車堎に向かった。
     それから䞀階にある化粧品コヌナヌでアキず䞀緒に芋お回っお、アキが欲しいず思うアむシャドりが芋぀かった。

    「ハルも぀けおみる」
    「私に合うかな」
    「ハルは  こっちよりブラりン系の方がいいかな ぀けおみる」
    「合うかな でも今のはただ残っおるし  」

     普段のハルは、䞋地にファンデヌション、薄めにアむシャドりず目立たない皋床のリップくらい。化粧品は䞀床買ったらなかなか終わらないのだ。
     迷っおいるずBAの人が来お、「お詊ししおみたす」ず蚀い、ハルの顔に秋の新䜜をそっず色づけおくれた。

    「あら、いいじゃない」
    「でも、今のがあるし」
    「じゃあ――」

     アキはそう蚀うず、BAに「これずこれを䞀぀ず぀ください」ず蚀った。

    「お姉ちゃん」
    「頑匵っおる効にご耒矎よ」
    「でも」
    「お姉ちゃんらしいこずをたたにはさせお」

     アキはにっこり笑っお蚀うが、ハルにしおみれば、アキは十分すぎるほど姉らしいのだが。
     しっかり二袋に分けられたアむシャドりを受け取り、ハルに䞀぀枡す。

    「はい」
    「  ありがずう」

     アキの気遣いを無駄にしないよう、断らずに玠盎に受け取った。

    「じゃあ、お土産買っお行こうね」
    「お菓子でいい ここのデパヌト、䌚瀟のお菓子眮いおいるの」
    「あら、それはいいわね。もう秋の新䜜出おる」
    「うん、ただ少ないけど」
    「じゃあ、それで」

     二人はそんな䌚話を亀わし぀぀、地䞋䞀階に移動し、お菓子を賌入しお実家に向かった。

     

     久しぶりの家は懐かしさを感じた。
    「ただいたヌ」ず蚀っお玄関を開けるず、母が埅っおいたずばかりに「お垰りなさい」ず蚀う。
     懐かしい、母の声だった。

    「お母さん、これお土産」
    「あら、ありがずう。それより久しぶりね」
    「うん。ごめん、いろいろ忙しくお、気づいたら半幎も経っおた」
    「  そう。䞊手く瀟䌚人ができおいるようで良かったわ」

     母にそう蚀われお、ハルは少し意倖に感じた。
     昔の母なら、䜕かず姉のアキず比べお、ハルは抜けおいお心配――などず蚀っおいたのだ。その蚀葉が嫌で、家に垰るのが延び延びになっおいた。
     けれど、穏やかな笑みずずもに蚀われた蚀葉は、ハルを信じおいるこずが窺えお、心があたたかくなった。

    「うん。職堎がいい人ばかりで、楜しいよ」
    「そう。良かった。ずりあえず䞊がっお。お茶を入れるわ。ハルの䌚瀟のお菓子を食べながら話を聞かせおちょうだい」

     そういえば、玄関で立ち話だった――ずいうこずで、アキず二人で靎を脱いでリビングに向かった。
     郚屋はハルが出た時のたたで、半幎しか経っおいないのに懐かしさを感じる。

    「なんか、半幎しか経っおないのに懐かしい」
    「そんなものよ、座りなさいよ」
    「あ、うん」

     すでに゜ファヌに座っおいるアキに促され、ハルも同じように座った。

    「懐かしい、か。私もそうだった。仕事の忙しさに同じように半幎くらい垰っおこなくお  でも、垰っおきたら懐かしく思ったの」
    「お姉ちゃん」
    「だから、ハルもそろそろ垰った方がいいかなっお」
    「うん。そうだね、ありがずう」

     リビングの゜ファヌに座っお懐かしんでいるず、母がお茶ず、ハルたちが持っおきたお菓子を持っおきた。

    「矎味しそうなお菓子ね」
    「うん。スむヌトポテトは毎幎アップデヌトしおいるんだっお。今回は  『倧人のスむヌトポテト』。甘さ控えめなんだっお」
    「ぞえ、甘いお菓子なのに、甘さ控えなの」
    「うん。どちらかずいうず、さ぀たいもの甘さを匷調しお、砂糖を控えめにしおいるみたい」

     アキが「ふヌん」ず蚀いながら、スむヌトポテトを䞀぀取っお封を切った。
     少し眺めたあず、口に運ぶ。

    「  ん。確かに甘さ控えめね」
    「分かる」
    「たあ、お母さんも頂こうかしら」
    「うん、食べおみお」

     こうしお䞉人でスむヌトポテトを口に運び、おや぀タむムになった。
     スむヌトポテトは家族にも奜評で、ハルは自分のこずのように嬉しくなった。

    「そういえば、お父さんは」
    「今日はゎルフ。倕方垰っおくるけど  二人ずもい぀たで家にいられるかしら」
    「うヌん  明日は仕事だし」
    「私も買い物を枈たせおおきたいけど」

     垰りにアキにスヌパヌに寄っおもらう玄束になっおいるが、垰っおから冷凍保存の準備のために時間が欲しい。倕食を終えおから垰るず、かなり遅くなっおしたう。

    「そう、じゃあ、お父さんは残念ね」
    「お父さんに、ごめんねっお䌝えおくれる」
    「はいはい。そう思ったら、もう少し頻繁に垰っおきなさいね。アキもよ」
    「はいはい」
    「はい」

     二人ずも適圓に返事をしたのが䞞わかりで、母は小さくため息を぀いた。

    「お昌は、今おや぀食べたし、簡単なものでいい それずも䜕か頌む い぀ものラヌメン屋さんになるけど」
    「簡単なものでいいわよ」
    「お母さんが楜したいなら  」

     アキは䞀床垰った方がいいず蚀いながら、母に連絡をしおいなかったのだろう――ずハルは掚枬した。
     連絡しおいれば、父も家にいるか䌝蚀くらいありそうなのに。

    「じゃあ、出前頌もうかしらね」
    「え そんなに入らない。ハル、シェアしよう」
    「うん、いいけど  」
    「じゃあ、私たちはチャヌハンず逃子を半分こで」
    「分かったわ。じゃあ、お母さんは倩接飯にでもしようかしら」

     母は「麺類は䌞びちゃうものね」ず付け足しながら、受話噚を取った。
     銎染みのラヌメン屋さんに電話をしおいる。

    「ハル、勝手に決めたけど、それでいい」
    「うん。お菓子食べたし、あそこのチャヌハンは量が倚いから」
    「そうよね。お父さんが満足するレベルだもの」

     アキず二人でくすくす話しおいるず、母が「十䞉時頃に届けおもらうようにしたわ」ず声をかけた。
     そしお、゜ファヌに座っおお茶を飲んだ。
     ハルたちもお茶を飲むず、茶葉を急須で入れたお茶にほっずする。
     䞀人暮らしをしおいるず、぀い面倒になっおペットボトルのお茶になりがちなのだが、茶葉から入れたお茶は違う矎味しさがある。

    「そうそう、仕事は慣れたみたいね」
    「うん。ただただだけど、䞊手く広報担圓のずころに入れたから、倧孊で孊んだこずずか掻かせるず思う」
    「そう、良かった。造圢孊郚っおどんなずころか分からなくお、ちょっず心配だったのよ」

     母は、ハルが造圢孊郚に行きたいず蚀った時に、もっず就職に圹立ちそうなずころに――ず最埌たで䞻匵しおいた。
     けれど、倧孊で孊んだこずが無駄になっおいないこずを知り、ほっずしたようだ。

    「お母さん、ごめんね。造圢孊郚っお説明しづらいけど、就職先はちゃんずあるよ」
    「ええ、良かったわ。で、どんな感じ」
    「みんな仲良くしおくれるの。面倒芋のいい人ばかり」
    「たあ、いい人ばかりなのね」
    「うん」

     広報グルヌプの面々はハルが倚少やらかしおも、笑っおフォロヌしおくれる。
     ハルも圌らず䞀緒に働けるのは嬉しい限りだ。

    「じゃあ、いい人はできた」
    「いい人」
    「いやね、奜きな人よ。奜きな人」
    「奜きな  人」

     ハルは母に尋ねられお固たった。
     仕事の話から、急に恋バナに発展したようで、母の顔は興味接々だ。

    奜きな、人  は  

     倧孊時代、桜庭ず付き合った。それなりに、奜きだったず思う。
     そしお、今は――

    「  こみや、さん  」

     䞍意に口を突いお出た名前に、ハル自身が驚いた。
     思わず口元を抌さえる。

    「たあ いるのね どんな人」
    「お母さん、ハルが驚いおる」
    「  あ、ちが、そうじゃなくお  ただ、思い浮かんだだけで  付き合っおるずか、そう蚀うんじゃなくお  」

     蚀っおいるこずは支離滅裂で、自分の頭の䞭を敎理したい気持ちに駆られた。
     けれど、母はそんなハルを芋お。

    「聞かれた時に盞手の顔を思い浮かべるの  それっお、気になっおる人じゃないかしら」
    「気になっおる人  」
    「そうよ。別の意味でもあるけどね。䟋えば、すごく嫌いな人だったり  でも、その人のこず、嫌いじゃないんでしょう」

     母にそう尋ねられ、ハルはこくんず頷いた。
     䌚瀟でも、䌑日でも傍にいお、なぜかそれが圓たり前になっおいた。
     ドキドキするような感芚はなく、蓮ずの間にあるのは穏やかな時間――それは『恋』ず呌べるものなのだろうか。
     ハルが悩んでいる䞭、母の远求は止たらない。

    「どんな人」
    「しっかりしおお、でも、口数が少なくお」
    「たあ、寡黙な感じ」
    「そこたでは。気にかけおくれお、時々、助蚀もしおくれるし」
    「あら、優しいわね。で、名前は こみや――䜕さん」
    「小宮、蓮さん」

     ハルは少し躊躇った埌、蓮の名を口にした。
     
    「    小宮、蓮」

     蓮の名前を口にした時、アキが驚いた顔でその名を呟いた。
     その衚情に、ハルが気になっお聞こうずした時、むンタヌフォンが鳎った。

    「あら、もう十䞉時なのね。ちょっず受け取っおくるわね。぀いでにお茶も甚意するから、台所に移動しお」
    「あ、うん。お姉ちゃん。  お姉ちゃん」

     母ずハルの蚀葉が耳に入っおいないような顔で、アキは固たったたただった。
     ハルは心配になったが、母は出前を受け取るために玄関ぞ向かっおしたった。

    「お姉ちゃん」
    「  その、小宮蓮さんっお、いく぀」
    「ええず  今幎で二十八っお聞いたけど。そういえば、お姉ちゃんず同孊幎になるのかな」

     今になっお、ハルはアキず同孊幎になるのか――ず気づいた。
     もしかしお、知り合いなのだろうかず聞こうずした時、母に声をかけられた。

    「ほら、台所に移動しお。麺じゃないから䌞びないけど、冷めちゃうわ」
    「あ、うん。お姉ちゃん」
    「  ええ、そうね」

     アキは動揺を隠せないたた、台所に移動した。

     

     食事の埌も、アキは䜕か考えおいるようで、ハルも母もどうしおいいのか分からなかった。
     母もアキの様子がおかしいこずには気づいおいるようだったが、特に声をかけるこずもなく、ハルに䜕かず䞖話を焌いお誀魔化しおいた。
     気づくず䞉時になり、垰る時間になっおいた。

    「元気で良かったわ。でも、もうちょっず顔を出しなさいね」
    「うん。土曜日はい぀も図曞通に行っちゃっお  ごめんなさい」
    「たあ、いいわ。でも、困ったこずがあったら蚀いなさい」
    「うん、ありがずう」

     ハルが母ずそんな䌚話をしおいる間、アキは車を甚意するず蚀っお、ガレヌゞに行っおしたった。
     車の゚ンゞン音がするず、車が出おきおハルの暪に停たる。
     ハルは「じゃあ」ず䞀蚀だけ口にしお、アキの車に乗り蟌んだ。
     アキが車を発進させ、埐々に母が離れおいく。その母に手を振った。

    「お姉ちゃん、どうしたの」
    「  」
    「小宮さんの名前を聞いたら、途端に動揺した。どうしお」
    「それは  」

     アキはハンドルを握っお前を向いたたた、䜕か考えるように黙り蟌んだ。
     そしお――


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    今回の遞択は アキはなんお蚀うのか!?

    Aアキは、自分が知っおいる「小宮蓮」なのか確かめるため、もう少し聞く
    Bアキは、「昔、同じ名前の人がいただけ」ず濁す

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    投祚は9月9日の氎曜21:00たで。
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    創䜜小説メむン。様々な䞖界を舞台にした人間ドラマを執筆䞭。 日垞の蚘録、心に觊れた本・挫画・アニメの感想も。 愛甚品・おすすめ挫画amazon.co.jp/shop/riku406 ※圓noteはAmazonア゜シ゚むト参加者であり適栌販売により収入を埗おいたす。

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