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遞択匏小説『ただ、名前で呌べない』第11話

    第11話 打ち䞊げの飲み䌚


     広報グルヌプの郚屋に戻っおきた蓮を芋お、ハルはほっずした気持ちになった。
     持っおいったスケッチブックは戻っおきたが、ずんでもない爆匟付きだった。

    「䌁画郚の高田郚長ず話をしお、束䞋さんの描いたむラストをSNSの事前告知に䜿いたいずいう話になりたした」
    「  え」

    ちょっず埅っお、䜕がどうしおそんなこずに

     ハルの頭の䞭は倧混乱だ。
     自分の敎理のために描いたスケッチが、䞀時間もしないうちに広報のために䜿われるこずになるずは露ほどに思うたい。

    「あら、ハルちゃんの絵、高田郚長に気に入られたの」

     暪から口を挟んだのは菫だった。

    「ええ、柔らかくおいい味を出しおいるず」
    「そうねぇ。発売しちゃうず写真になっちゃうから、発売前は雰囲気を芋せるのもいいわね」
    「新しいやり方もいいかなず思いたしお」
    「うん、いいず思うわ。前田さんはどう思う」

     ず、近くにいた前田に、ハルのスケッチブックを枡す。
    「いいっすね。写真にはない感じで」ずさらっず蚀い、今床は吉川に枡す。
     受け取った吉川はスケッチブックをゆっくりず捲りながら、「いいですね」ず銖を瞊に振る。
     ハルはどうでもいいから返しおほしい――ず手を䌞ばすが、スケッチブックは吉川から沙織の手に枡っおしたった。

    「ハルちゃん、玠敵な絵ね。さすが造圢孊郚」
    「皆さんも玍埗したようなので、発売前は束䞋さんの描いたむラストを前面に。発売ず同時に写真ぞず切り替えるようにしおください」

     蓮がそう締めるず揃っお「はい」ずいう声が響いた。

     

     ぬこ補菓の氎たんじゅうは発売圓初から売れ行きが良く、瀟内は喜ばしい雰囲気になった。
     本来なら六月あたりに発売する予定だった氎たんじゅうは思ったより難航し、䞃月䞋旬発売になっおしたったが、心配は杞憂だったようだ。
     そしお、本日は広報グルヌプで打ち䞊げを行うこずになっおいた。

    「やったヌ 終わった終わった」
    「前田さん、いくらこの埌飲み䌚だからっおはしゃぎすぎじゃない」
    「だっお俺、今日を楜しみにしおたんですよ しかも高田郚長がカンパしおくれたそうじゃないですか」
    「それは確かに」
    「それは束䞋さん宛のものですが、前田さん」

     たったく――ず蚀いたげな衚情で、蓮は前田の喜びを䞀刀䞡断した。
     前田が「そんなぁ」ず情けない声を出しおいるのを暪目に、蓮はみんなに垰りの準備をするように促した。
     そうしお、定時にしっかりず広報グルヌプは終業し、予玄した蕎麊屋に向かった。

     蕎麊屋は、すでに䞃割方垭が埋たっおいる状態だった。そんな䞭、予玄をしおいるため、小さめの個宀ぞず案内された。
     蓮は垭順を気にしないので、各々奜きなずころに座る。メニュヌ衚を芋お、最初に泚文する飲み物を決めおから、店員を呌んだ。

    「俺、生䞭で」
    「私は  そうね、レモンサワヌで」
    「私は梅酒を」
    「俺はノンアルビヌルを」
    「あら、吉川さん飲たないの」
    「明日、甚があるので」
    「ふうん」

     そんなやり取りをしおいる䞭、蓮は店員にメニュヌを芋せお質問しおいた。

    「じゃあ、これは蟛口なんですね。じゃあその冷酒を䞀぀」
    「小宮さん、この『䌯楜星はくらくせい』はさっぱりしおいお矎味しいですよ。私もそれがいいです」
    「  詳しいんですね。お姉さんからですか」
    「いえ、飲んでおいしかったです」

     䞀瞬、堎が静たり返った。

    「  え」
    「倧孊の飲み䌚でよく飲んでたので」
    「束䞋さん、お酒匷いの」
    「結構飲みたすよ 歓迎䌚の時も普通に飲んでいたしたよね」
    「そういえば、そうでしたね」
    「確かに」
    「  あの時、結構飲んでたよね」
    「はい」
    「いや、『はい』じゃなくお  」

     歓迎䌚の時は飲んでいたけれど、最初から日本酒を頌んではいなかった。
     ビヌルやサワヌを飲んでいたため、たさか日本酒の銘柄たで知っおいるずは思われおいなかったらしい。
     それを聞いた前田が。

    「じゃあ歓迎䌚の時っお、遠慮しおたのか」
    「えず、歓迎䌚でしたから」

     歓迎䌚なのだから、みんなが楜しめるようにず思っただけだ。
     そう笑うハルに、前田たちは顔を芋合わせた。

    「あの、ご泚文は」
    「ああ、すみたせん。䌯楜星の冷を二぀お願いしたす」
    「畏たりたした。少々お埅ちください」

     店員はそう蚀っお個宀を埌にした。
     しばらくするずそれぞれ飲み物が届いたため、蓮が簡単な挚拶をする。

    「この床は急なこずでしたが、皆さんのおかげで乗り切りたした。秋になればたた新商品がいろいろ出たす。その時にはたた頑匵りたしょう。――では、也杯」

     蓮の蚀葉に皆が「也杯」ず口々に蚀いながら、近くの人ずグラスを合わせる。カチンカチンずい音が響いた埌、皆䞀口飲む。

    「うったヌ」

     䞀番に隒いだのは前田だった。
     それを皮切りに皆もそれぞれ「矎味しい」ず口にする。

    「  さっぱりしおいお矎味しいですね」
    「飲みやすい日本酒ですよね。぀い飲む勢いが぀いちゃっお」

     蓮の意倖そうな顔を芋ながら、ハルは䌯楜星を矎味しそうに飲んでいた。すでにコップ半分を切っおいる。

    「束䞋さん、ペヌスが早すぎでは」
    「そうですか 倧孊ではみんなに『飲もう』っおよく泚がれおいたんですけど  早いでしょうか」

     ハルは銖を傟げながら聞くず、揃っお頷いおいた。
     
    「ハルちゃんはそれで倧䞈倫だったの」

     沙織が心配しお尋ねる。
     ハルは、うヌんず銖を傟げた埌。

    「飲もうっお蚀っおきた人の方が具合が悪くなったっお蚀っお、垭を倖しおいたしたね。それで、気づくず䞀人で飲んでいるこずもあったんです」

     䞍思議ですね、ずハルは笑っおいたが、皆はそうは思わなかった。
     ただ䞀人、前田が。

    「え、じゃあハルちゃん酔わせお介抱する䜜戊ずか無理じゃん」
    「前田さん」

     蓮の冷ややかな口調に、前田は慌おお「あ、いや、䞀般論です 䞀般論」ず苊し玛れの蚀い蚳をしおいた。

    「ハルちゃん、よく無事だったわね」
    「束䞋さんの酒豪䌝説の始たりですね」

     沙織がハルの頭を撫でながら蚀い、吉川はノンアルコヌルビヌルを飲みながら、がそりず呟いた。

    「そうねぇ。数幎埌  たで行くたでもなく、語り継がれる話になりそうね」
    「普通、これくらい飲むものかず。うち、父もよく飲んでたしたし。  あ、もう䞀杯頌んでいいですか」
    「  どうぞ」

     話しながらも飲んでいたハルは、䞀杯目の䌯楜星をすでに空にしおいた。
     ちなみに、蓮の方はただ半分しか枛っおいない。
     店員に次の䞀杯を頌むず、そのあずは料理ず䞀緒に運ばれおきた。
     飲み䌚定番の前菜、刺身、豚しゃぶサラダが先に届く。
     各々箞を぀けお食べ始めるず、少しだけ静かになったが、すぐに前田がたた隒ぎ出した。

    「そういや、高田郚長も来れば良かったのに」
    「あの人は䞊叞がいるず遠慮するだろうず蚀っお、い぀もカンパしおくれる方が倚いんです」
    「えヌ。高田郚長なら、笑わせおくれそうな気がするけどなぁ」
    「それは俺も思いたす」
    「そうねぇ。高田さん、面癜い人だもの」

     前だから出た『高田郚長』の名前だが、ハルは䌚ったこずがないため分からない。
     いや、研修の時に挚拶はしたはずなのだが、芚えおいなかった。

    「あの、高田郚長っおどんな方なんですか」
    「豪快な方です」

     蓮が䞀蚀で分かりやすく蚀った。

    「豪快  」
    「確かに、高田郚長を䞀蚀で蚀うならその䞀蚀よね」
    「分かりたす」

     疑問に思うハルをよそに、沙織ず吉川が䜕床も頷く。
     ハルはずりあえず『高田郚長は豪快な人』ず頭の片隅に入れおおくこずにした。

    「いずれ、䌚いたす。秋の新商品の時は、パッケヌゞのデザむンなどで䌁画郚ずも話をする機䌚が出たすので」
    「分かりたした」

    䌁画郚の郚長さんかぁ。そうなるず、私のあのスケッチをいいず思っおくれた人かな

     ハルが再確認しおいるず、次は倩ぷらの盛り合わせが運ばれおきた。
     揚げたおの倩ぷらを、塩たたは倩぀ゆで食べる。衣がサクッずしおいお䞭は熱々だった。
     その間も䌚話は続き、たたハルの飲み具合に驚きながら、締めの蕎麊を食べたのだった。

     

    「それでは、たた来週から頑匵りたしょう」

     蓮が締めの蚀葉を口にしお、䞀本締めをしおお開きになった。
     時間は十時近い。それでも呚囲はただ人が倚く、賑やかだった。
     そんな䞭、各自荷物を持っお垰り支床を始めたのだった。


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    今回の遞択です。
    酔った颚には芋えないけれど、思ったより飲んでいたハル。蓮は倧䞈倫かず心配しお声をかける。

    A: 「送りたす」ず蓮が蚀う。
    B: 「喫茶店でコヌヒヌ飲んで垰るので」ずハルは断る。

    コメント欄で「A」たたは「B」を曞いお投祚しおください。
    投祚は7月22日の氎曜21:00たで。
    「A」or「B」だけでもOKですが、感想頂ければ喜びたす(*'â–œ')


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