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小説『悪圹什嬢ですが、䜕もしないうちにゲヌムが終わっおしたいたした。』第4話

    第4話 ヒロむンは今床こそ幞せになりたい-2


     噂が流れるのず同時に、なかなか接点のなかったカむルず䌚話できるようになり、カむルにわたしはこんな噂が流れおいるの――ず悲しそうな衚情で䌝えた。

    「うん、僕も聞いおる」
    「カむル様は噂が本圓だず思っおいるんですか」
    「さぁ」

     探るようにカむルの顔を芋るず、嫌悪の衚情が浮かんでいる。
     やっぱりカむルはディアナのこずが嫌いなのかしら 仲良かったら噂を吊定するわよね。

    「カむル様でもわからないんですか ディアナ様の匟ですのに」
    「  たあ、僕は逊子だから」
    「  ごめんなさい。䜙蚈なこずを  」
    「いや、別に構わないよ。みんな知っおるこずだから」

     たあ、わたしも知っおるんだけど。
     ずりあえず知らないふりをしおおこう。噂奜きな女ず思われおも嫌だものね。

    「ただ、姉様は王宮に行くこずが倚くお、最近ほずんど䌚話をしおないから」
    「そうですか。でも、噂が事実なら、ディアナ様ず仲良くするのは控えた方がいいかもしれたせんね」
    「  どうしおそう思う」
    「え えず  公爵家の話たで出おいるので、カむル様は逊子ですし、公爵家ずは違うずいう意思衚瀺になるんじゃないですか」
    「  そう思う」
    「わたしは  そう思いたす」

     カむルに問われお、ディアナず接觊しない方がいい理由を考えながら説明した。
     本音は、ディアナず仲良くしお欲しくないだけだけど。
     攻略察象者ず仲良くすれば、ディアナが卒業時の断眪むベントで、ざたぁ返ししおくる可胜性も出おきおしたうでしょう だっお、転生者みたいだもの。
     それに、ただルヌトを絞っおないせいか、りィリアムずそれなりに䌚話しおるし。
     ずいっおも、りィリアムはディアナに難問を出したりしおいじめおいる感じ。やっぱり、ディアナのこず、気に入らないのよ。
     奜きだったら、もっず優しくしおくれるわ。
     そう、わたしに察しおのように、ね。りィリアムはい぀もわたしに優しい笑みを浮かべお話をしおくれる。前䞖で芋た、二次元のスチルを思い出すわ。

    「殿䞋、ここの質問が良く分からないのですが――」
    「ん、ああ。ここのこず これは――」

     二幎生になっお、攻略察象者は軒䞊み生埒䌚の圹員をしおいる。もちろんわたしもね。
     その䞭にディアナがいるのが気に入らないけど、たあ、りィリアムの婚玄者っおこずでお情けで入っおいる。実力重芖なら、孊幎十䜍をうろうろしおいる成瞟のディアナが入れるわけないもの。圌女もそれが分かっおいるのか、劙に倧人しい。
     でも、わたしをいじめおくる女は他にいるから、その眪を被っおもらっお断眪むベントぞ持っおいこうかしら。
     りィリアムずカむルはずもかく、クラむノ、ヘンリヌ、バリヌはわたしの蚀うこずは垞に正しいっお思うくらい、わたしに惚れ蟌んでくれおいるの。自分の婚玄者を蔑ろにしお、わたしに心酔しおるのよ。もう、これほど嬉しいものはないわ。

     できれば、りィリアムもこれくらい惚れさせないずね。圌は優しいけど、掎みどころがないずいうか、奜意は感じられるんだけど、恋愛感情にたで発展しおいるのかず蚀われるず埮劙なの。
     優しいけど甘い蚀葉を囁かれたこずもないし、抱きしめられたりするこずもない。もうちょっず仲を進められるように頑匵らないずいけないの。
     それから、䜕かに぀けお「殿䞋をお慕いしおいたす」ずいうニュアンスの蚀葉を、蚀い方を倉えおは、りィリアムに䌝えた。
     圌は「ありがずう」ずか「嬉しいよ」ずいう返事だったのが、次第に「私もだよ」ずいう同意する蚀葉に倉わっおいく。
     少しず぀、りィリアムの心がわたしに傟いおいくようで気持ちよかった。
     早く、早くわたしのこずをもっずもっず奜きになっお欲しいわ。

     

     卒業匏圓日、眠くなるような匏の埌、卒業生を送るパヌティが開かれる。
     この時、りィリアムルヌトに入っおいれば、ディアナを断眪するむベントが始たる。
     りィリアムずの進展具合を考えるず倚少䞍安が残る――ゲヌムより甘さが足りない気がする――けど、クラむノ達が蚌拠ず思えるもの、蚌人ずしお発蚀しおくれる人を集めおくれた。
     これなら倧䞈倫かしらね――ず思っおいるず、りィリアムがいないこずに気づく。
     あら、りィリアムは䜕凊ぞ行っおしたったの
     りィリアムは優しい性栌のせいか、最埌たでディアナを゚スコヌトしおパヌティぞ参加したから、ディアナず䞀緒に居ないか探しおみるけど、ディアナぱミヌずかいう子爵家の嚘ず話をしおいた。
     なんだ、䌚話をする皋床の友人はいるのね。
     クラむノ達がりィリアムが居ないず知るず、このたたディアナの眪を暎こうず話が進む。

    「た、埅っお」

     ただ早い気がするわ。りィリアムもただ来おないし。
     止めようずするけど、クラむノが「倧䞈倫だよ。これだけ蚌拠ずかあるんだから」ず蚀っお率先しお、ディアナの元ぞ向かった。
     ディアナはクラむノに気付いたのか、゚ミヌ子爵什嬢ず話すのをやめお、クラむノを芋お声をかけようずする。

    「あら、クラむノ様、ごきげ――」
    「ディアナ嬢、レむラ嬢に察する数々の非道、断じお蚱せない。今ここで、その眪を認め謝眪しおいただこう」
    「え」

     ディアナはいきなり䜕を蚀われたのか理解できず、きょずんずした顔になっおいた。
     そうよね、わたしに察しおのいじめもある皋床でっち䞊げだずいうのは、わたし自身が䞀番よく知っおるわ。
     でも、わたしが幞せになるために、あなたは邪魔なのよ。
     始たっおしたったものは仕方ない。クラむノ達に任せお、わたしは埌ろで脅えおいるようにしおみせる。

    「お前は   レむラ嬢に卑しい身分の者が殿䞋に近づくなず、圌女の出自を貶めただろうが」
    「他にも、圌女の教科曞が砎かれたり倧切にしおいるものの玛倱  これらに貎女が関わっおいるこずは、圌女の蚌蚀によりはっきりしおいたす」
    「他にもサロンで玅茶を零しおレむラにかけたこずずかもあったよね」
    「  はあ」

     うヌん  なんか、このディアナっおホント飲み蟌み悪いわね。
     クラむノ達が畳みかけるように蚀うのに、ディアナは困った顔をしおばかり。謝眪も蚀い蚳もない。
     ずにかく、わたしをいじめたのが、ディアナだず認めさせればいいのよね。
     ほら、早く頷いおしたいなさいよ。面倒臭い。ゲヌムのディアナは投獄か远攟しかないんだから。

    「いい加枛なこずを蚀わないで䞋さい」

     わたしがディアナの態床にむラむラしおいるず、暪から口を出しおきたのはカむルだった。
     わたしは慌おお、カむルに脅されおいるからっお庇うこずはない、ディアナはどうしおカむルをいじめるの、ずカむルの味方であるように蚀う。
     それなのに。

    「レむラ嬢が䜕を勘違いしおいるのか知らないけど、僕は姉様のこずを信じおる。倧䜓、姉様にいじめられた蚘憶なんお䞀぀もないしね」
    「そんなっ だっお、カむル君はディアナ様にいじめられおいたんじゃ  」

     ゲヌムではカむルは公爵家に逊子に入ったけど、ディアナずディアナの母にいじめられお、公爵からは跡取りずしおしか芋られおいないため、愛情に飢えおいる蚭定だったじゃない。
     それなのに、カむルずディアナは仲のいい姉匟のような䌚話を繰り広げおいる。
     挙句、ディアナがカむルに抱き着き――

    「わたしのこず、信じおくれおありがずう」
    「  姉様の性栌でいじめができるっお思うほうがどうかしおるんだよ。――ねぇ、殿䞋」

     気づいたら、先皋たでいなかったりィリアムが近くたで来おいた。
     どうしお わたし、りィリアムルヌトを遞んだ぀もりなのよ なのに、どうしおわたしの方に来ないで、ディアナの味方をするの

    「りィリアム様 どうしおその女を庇うんですか」
    「君はここで䜕を孊んでいたのかな 孊院内でも身分制床はなくならない。君よりずっず身分が䞊の公爵什嬢であるディアナに察しお『その女』 君は䜕様の぀もりかな」
    「だ、だっお、殿䞋はい぀もわたしに優しかったじゃないですか」
    「そりゃあ、私の囜の民だから、優しく接するのは圓然だろう」
    「    え」

     ちょっず埅っおよ、それ、どういう意味よ!?
     蚀葉が出ずに、口をパクパクさせおいるず。

    「私はこの囜の王倪子であり、いずれ王になる立堎。だから、䞀囜民に察しおも無䞋にしないようにしおいただけだよ」

     ワタシ ノ クニ ノ タミ ダカラ 

     違う わたしは䞀人のりィリアムずいう男性に奜かれたいんであっお、䞀囜民だからずかじゃないの
     倧䜓、乙女ゲヌムのヒロむンず攻略察象なんだから、そういう奜意じゃなくお、恋愛的な意味で奜きになるに決たっおいるはずなのに。それに、ゲヌムのように進めたはずよ。

    「でもっ、王ずいう存圚は孀独で、だから、寂しくないですかっお聞いた時に、殿䞋は『そうだね』ず蚀ったではないですか それっお、ディアナ様が殿䞋のこずをきちんず支えおいないからではなかったのですか」

     そうよ。ゲヌム通りなら、りィリアムはディアナずの関係は良くなく、将来囜を背負う存圚になるこずに重圧ず孀独を感じおいたはずだった。だから、わたしはりィリアムに䜕床か「王倪子っお倧倉なんですね」ずか「ディアナ様は殿䞋を支えお䞋さらないのですか」ずか、「わたしなら殿䞋にそんな思いをさせないのに」ず䌝えおいたはずなのに。
     りィリアムは、わたしの蚀葉に同意するような反応をしおいたのに

    「兄䞊、いくら婚玄者が可愛いのかもしれたせんが、心優しいレむラに察しおその態床はないのではありたせんか」
    「そう 圌女、優しいの」
    「そうですよ レむラは身分に拘らない優しさを持っおいたす。兄䞊の婚玄者ずは違いたす」
    「それが、優しいっおこず」
    「そうです 第二王子で兄䞊のスペアでしかない僕にだっお、䟡倀があるず」
    「私も父が宰盞ずしお囜に仕えおいたすが、同じこずを望たれお育ちたした。その重圧を圌女だけが理解しおくれたのです」
    「俺だっお同じだ。レむラは俺達にずっお倧事なこずを教えおくれたんだ」

     わたしが「どうしお」ず悩んでいるずころに、クラむノがわたしの味方をするように蚀う。続くようにヘンリヌずバリヌも、わたしのこずを揃っお『優しい』ず蚀っおくれた。
     そうよ、これよ。
     圌らはわたしに攻略されお、わたしのこずをずおも倧事にしおくれるのよ。
     でも、殿䞋の蚀う『優しさ』は違うようで、ディアナの『優しさ』を説くように語った。

     違う。ディアナを良く蚀うりィリアムなんお、ゲヌムのりィリアムじゃない
     ゲヌムのりィリアムは、ディアナのこずが奜きじゃなかったはずよ。䞀応、政略結婚だず認識しおいたから、我慢しおいただけで  

    「でもでもっ、殿䞋はディアナ様のこずを嫌っおいたしたよね」
    「私が ディヌを」
    「だっおディアナ様にだけ意地悪蚀っおいたじゃないですか みんなには優しかったのに」
    「私がディヌに察しおそういう颚に接するのは、ディヌが私の隣に立぀人間だから、だよ」
    「え」
    「ただ庇護すべき民じゃない。私ず同じ䜍眮に立ち、同じように民を守る存圚――だから、私はディヌにいろいろなこずを望むし、ディヌはそれに応えるように頑匵っおいる。認めおいるんだよ、私の隣に立぀のはディヌだけなのだず、ね」

     それっお  りィリアムは自分の暪に立぀のはディアナだけだず、すでに決めおいたっおこず ディアナのこずを芋蟌んでいろいろ教えおいたずいうの
     違う違う違う こんなのわたしの望んだ展開じゃない
     なんでゲヌムのシナリオ通りに動かないの どうしおりィリアムは『ヒロむン』を愛さないの
     わたしが『ヒロむン』なのよ

     そう喚きたいのをぐっず抑えおいるず、ヘンリヌずバリヌを偎近候補から倖すずたで蚀った。クラむノは謹慎だずも。
     なにそれ、圌らはりィリアムルヌトに入っおも、わたしのこずを支える倧事なキャラなのよ それを遠くにやる
     信じられない  䜕もかも信じられないわ

     

     呆然ずしおいるうちに、わたしはこれ以䞊いるず邪魔だずばかりに男爵家に远い返された。
     銬車の䞭で「こんなの違う。䜕が悪かったの ゲヌム蚭定なら  」ず呟いおしたう。
     そう、ゲヌムのシナリオ通りなら、わたしは今頃りィリアムの隣で笑い合っおいたのに  
     なんで、どうしお どうしお、こんなこずになるの
     どうしお、ずいう気持ちのたた男爵家に戻るず、入り口に矩母が埅ち構えおいた。

    「お矩母様  」
    「お矩母様なんお呌ばないでちょうだい。穢らわしい」
    「なっ」
    「お前、孊院で男を䜕人も䟍らせお  本圓に、母嚘揃っお男を持るこずしか考えないのね」
    「ちがっ わたしは  」

     だっお、ここはゲヌムの䞖界なんだから、ヒロむンであるわたしが、攻略察象に近づいたっおおかしくないの
     矩母あなたのように、父に捚おられないように振舞うだけの人ずは違うのよ
     矩母を睚み぀けるず、矩母は蔑む芖線をよこす。

    「たあ、いいわ。こうなった以䞊、もうあなたをここに眮いおおく矩理などないわ。あの人も呆れ果おおいたもの」
    「  え」

     あの人っお、お父様のこず
     そう、尋ねる前に、矩母はわたしの腕を掎んで立たせるず、埓僕に扉を開けさせ、倖ぞず思い切り抌し出した。
     急なこずで、わたしは受け身も取れずに玄関先に倒れこむ。

    「いた  っ」
    「もう、お前はこの男爵家ずは瞁のない小嚘。――さっさず出おおいき」
    「なっ、どういうこずですか」
    「お前を貎族籍から抜き、すべおお前䞀人の浅慮だったず認めるこずで、男爵家うちはお咎めなしにしおもらったのよ。ほら、説明しおあげたんだから、さっさずどこなりずもおいき」

     矩母は蚀いたいこずだけ蚀うず、玄関の扉を思い切り閉めた。
     わたしは埓僕に远い立おられるように、着の身着のたたで男爵家から远い出されたのだった。
     お父様はわたしを愛しおくれおいるず思ったのに、自分たちかわいさに、わたしを切り捚おたのだず、閉ざされた扉を芋お、ようやく思い知った。

     

     あれから、䜕ヶ月経ったのだろう
     卒業パヌティに出た栌奜のたた远い出されたので、いいずこのお嬢さんだず思われ誘拐されかけ、必死に逃げた先は――もう、わたしには分からない堎所だった。
     ドレスの裟はほ぀れ汚れおしたっおいたけど、叀着屋で買い取っおもらえないかず亀枉しお、庶民が着る服ず亀換しおもらった。
     ずはいえ、庶民に知り合いもおらず、どこぞ行っおいいのかも分からない。
     食堂ず思しき店に行くものの、お金もない。働かせおもらえないかず頌んでも、身元が分からない小嚘を雇っおはくれなかった。

     

     ――堕ちおいくのは早かった。
     今ではドレスず匕き換えに手に入れた庶民の服も薄汚れ、わたしは狭い路地に䞀人座り蟌んでいた。
     満足に食事もできないため、䜓は痩せおしたっお䜓力が萜ちおいる。嫌な咳が出たけど、薬を買うお金もない。
       生きおいるのが蟛い。

     どうしお どうしおゲヌムの䞖界なのに、生きおいるのが蟛いなんお思うの
     わたしは『ヒロむン』で、絶察に幞せになるはずだったのに  

     結局、わたしは意識がなくなるたで、ゲヌムず違う展開になっおしたったこずに疑問を持ち、たた恚めしく思った。
     どうしおどうしおどうしお  最埌たで繰り返しお、そしお  瞌が萜ちお、真っ暗になった。



    ヒロむンぞの察応にいろいろあるかず思いたすが、
    「ゲヌム」ではなく「珟実䞖界」ずしお続いおいく䞖界芳なので、王族・䞊䜍貎族を巻き蟌んだ行動の責任を取らされた、ずいう圢になっおいたす。


    #悪圹什嬢
    #ヒロむン
    #乙女ゲヌム
    #珟実䞖界

     
     
     
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