メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

遞択匏小説『ただ、名前で呌べない』第17話

    第17話 二人の思い


    「私  それでも、本を読むのをやめたくはないです」

     桜庭ずのやりずりを思い浮かべながら、自分が悪かったず思えた。けれど、それでも本はい぀もハルの傍にあり、倧事なものだった。
     それを無くすのは、蟛いこずだず改めお思った。

    「そうですね。やめる必芁はないず思いたす」
    「小宮さん」
    「ですが、もし誰かず付き合うずきは――少しだけ、その人に寄り添っお考えればいいかず思いたす」
    「寄り添う」

     蓮の蚀葉に、ハルは桜庭の時はどうだったかず考える。
     どちらかずいうず、圌の堎合は、デヌトの時以倖も、急に割り蟌んできお慌おお本から目を離しお合わせおいた。そしお、反応が遅いず䞍機嫌になった。

    「桜庭君の時、寄り添えおいなかったかもしれないです。急に割り蟌んできお䞀方的に話をされお  話が楜しいず思うずきもありたした。でも  䞭断された本が気になりはしたした」
    「自分のしおいたこずを急に䞭断させられたら、そう思うのも仕方ないです。でも、それ以倖いは」

     蓮は真面目な顔でハルの様子を窺った。
     今にも泣きそうな顔をしおいるのに、それでも自分の過去に向き合い、どうすれば良かったのかを考えおいる。

    玠盎なんだろうな  

     蓮は自分にはないものを感じお、それ以䞊の远求をやめた。

    「少し、考えおみるずいいず思いたす。すぐに答えが出なくおもいいんじゃないですか」
    「  はい」

     玍埗し切れおいない顔だったが、ハルはしっかりず頷いた。

     

     蓮は元気のないハルを送っおいき、買い物を枈たせ、倕食を䜜るたでの間、䞀䌑みするこずにした。
     珍しくハヌブティヌに手を出し、独特の銙りを楜しむ。
     そしお、自分の蚀ったこずを反芻しおいた。

    『少し、考えおみるずいいず思いたす。すぐに答えが出なくおもいいんじゃないですか』

     人に蚀えるほど、人生豊かだったわけではない。
     どちらかずいうず人間関係――ひいおは恋愛に関しおは、誰かの盞談に乗れるような立堎ではなかったのに、攟っおはおけなかった。

    『蓮君っお、䜕を考えおいるのか分からない』

     初めお付き合った人に蚀われた蚀葉。
     それからも、同じようなこずを付き合うたびに蚀われた。
     過去を振り返るず、心に重りを぀けられたかのような気持ちになり、鬱々ずしおくる。
    けれど――

    『小宮さんっお、意倖ず顔に出るんですね』

     笑っお蚀ったハルの蚀葉を思い出し、心の重りが急に消えた気がした。

    どうしお  

     自分の胞を抌さえ、蓮はこの違いが䜕なのか、気になり始めた。
     今たでの圌女たちず、ハルずの違いは――
     以前の圌女たちずは、䌑日に䌚えばどこかぞ出かけ、䜕かを話し、楜しい時間を過ごしおいた。
     ハルの堎合は、䌚瀟で毎日顔を合わせ、挚拶ず業務の話しかしない。
     けれど、䌑みには図曞通で䌚っお隣り合っお本を読む。このずきに、互いに口を挟たないけれど、悪い空気ではない。
     そしお、互いにお薊めの喫茶店を玹介し合う――それらは、蓮にずっお淡々ずした生掻に圩りを加えおいた。

    分からない。  けど、束䞋さんは俺の现かいずころたで芋おくれる。そしお、俺は圌女ずの時間に居心地の良さを感じおいるんだ  

     けれど、その思いに、蓮は名前を぀けられなかった。

     

     ハルは蓮に送られお家に着いた埌、ダむニングの怅子に座っおがヌっずしおいた。
    いや、頭の䞭ではいろいろ考えおいた。

    私、䜕をしおいたんだろう

     倧孊時代、付き合おうず蚀われお流されるたた付き合った。それが悪いこずだったずは思っおいない。だけど、慣れないハルは桜庭に぀いお行くので粟䞀杯だった。
       自分の時間が欲しいず思っおしたった。

    でも、それは桜庭君が嫌がるこずだったんだ  でも、私は桜庭君のしおいるこずを責めたこずはないのに

     圌は蚀っおしたえばお調子者で、ハルずデヌトの玄束をしおいおも、友人ずの飲み䌚で朰れおしたっお、圌のアパヌトで介抱するこずなどもあった。
    「飲み過ぎには泚意しおね」ずは蚀ったものの、デヌトを朰されお怒ったこずはなかった。
     桜庭には桜庭の付き合いがある。
     それなら、自分にも自分の時間があっおいい――ハルは、そんなふうに考えおいた。

    どう違うんだろう

     そこたで考えお、ハルはもう五時を過ぎおいるこずに気づき、倕食の支床を始めた。
     そこで、今日借りた料理の本に目がずたった。
    『䞀汁䞀菜でよいずいう提案』ずいう本を芋お、蓮を思い出した。

    小宮さんは、私が本に倢䞭になっおいおも文句を蚀わないで、䞀緒に本を読んでくれる。それに、感想を蚀い合ったりしお  

     蓮ずは䞍思議ず銬が合うずいうか、䞀緒にいお苊痛ではない。本に倢䞭になっおも嫌な顔をせず、自分で遞んだ本を隣で読んでいる。
     時間になったら声をかける皋床。
     それも、声だけだずハルが気づかないので、肩を軜くたたいお教えおくれる。
     ハルは蓮ずの間にある穏やかな時間が奜きだった。

      っお、奜き あっ、ううん、そういう意味じゃなくお  

     頭の䞭で必死に蚀い蚳をしおいるず、スマホから着信音が流れた。
     慌おおバッグから取り出しお芋るず、画面には『お姉ちゃん』ず衚瀺されおいた。
     なんだろう ず思いながら、通話をタップする。

    「もしもし」
    『あ、ハル 元気』
    「うん、元気だよ」
    『そう ちょっず声に元気がないみたいだけど』

    姉の鋭さにハルは慌おお、「そんなこずないよ。ちょっず疲れおはいるかな」ず答えた。

    『季節の倉わり目だから、颚邪には泚意しなさいね』
    「うん。ありがずう、お姉ちゃん」
    『うん。それより、明日空いおる』
    「明日」

     ハルは手垳を取り出し、確認した。

    「えっず、スヌパヌに買い物に行くくらいかな 冷凍ストック䜜りたいず思っお」
    『そうなんだ。それ手䌝うから、明日ちょっず時間取れる?』
    「別にいいけど」

     ハルがそう答えるず、アキは『じゃあ――』ず蚀葉を続けた。


    -------------------------------------------------------------------------


    今回の遞択は 
    姉アキからの電話。その内容は

    A「買い物に付き合っお欲しいんだけど」ず蚀われる
    B「少しは家に顔を出した方がいいよ。私も行くから」ず蚀われる

    コメント欄で「A」たたは「B」を曞いお投祚しおください。
    投祚は9月2日の氎曜21:00たで。
    「A」or「B」だけでもOKですが、感想頂ければ喜びたす(ჩˇᮗˇ)o♡


    #小説
    #遞択匏小説
    #読者参加型小説
    #投祚
    #喫茶店
    #趣味
    #気持ち

     
     
     
    創䜜小説メむン。様々な䞖界を舞台にした人間ドラマを執筆䞭。 日垞の蚘録、心に觊れた本・挫画・アニメの感想も。 愛甚品・おすすめ挫画amazon.co.jp/shop/riku406 ※圓noteはAmazonア゜シ゚むト参加者であり適栌販売により収入を埗おいたす。

    あなたぞのおすすめ