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未完のプリズム『あとがき』

    きっかわさゆり



    この作品達は、答えを伝えるために作ったのではない。

    私自身を育ててくれた記録だ。

    だから絵だけでは足りず、
    言葉だけでも足りず、
    声だけでも足りなかった。

    何年も前に書かれたメモに、この未来は書かれていた。
    『絵を描き、文章を書き、ナレーション』すると。
    Noteが無い時代から、この文は何度も何度も、私の古いノートに書かれていたものだった。

    主人を失って絶望していた私が、描いたのは愛猫のそら。
    闘病中、主人に涙を見せない。
    主人が亡くなってからも、子供達には涙を見せない。
    私は強くなったから、寂しくない。
    一人でも大丈夫。
    私らしく、いつも微笑んでいる。
    全て、無理をしなければ出来なかった。
    涙で毛を濡らし、それを毛繕いしていた、そらだけはそれを知っていた。

    墨や、猫の毛色、幾つもの〝偶然の必然〟から生まれ、その時々の〝感情〟から発露した絵の数々に、その時の背景を文章で書き、ナレーションを入れた。
    その重なりから、思いもよらぬ物語が生まれ始めた。
    自分で気づいてなかった感情に触れた回もある。
    もはや、私は『主人が居ないと何も出来ない奥さん』ではない。
    今も、私は未完成だけれど『一人残された意味』を探し続ける必要はない。
    今や、私の目は暗闇でも光ってしまい、猫に見つかってしまいそうだ。

    創作大賞の応募規定を読んでいて、
    初めて、
    「この物語には名前がなかった」
    と気づいた。
    そして降りてきたタイトルが『未完のプリズム』だった。

    未完だからこそ、見てくださった方がメッセージを受け取れる。
    白い光がプリズムで幾つにも分かれて
    色を持つように。

    〜そらがいてくれたから、この物語は生まれました。
    そらへ限りない愛を込めて。
    『ただ側にいる力』を最大限発揮している全ての動物達に、感謝を込めて。〜


    ※掲載している絵・文章・音声の無断転載、無断使用は固くお断りいたします。

     
     
     
    心が揺れて、立ち止まる時… 気になる絵は、その時に必要なメッセージの羅針盤。 Art, Voice & Good Fortune✨ 『未完のプリズム』はEpisode(物語)とVisual(墨絵)を対にして読む構成です。 音・絵・言葉が重なる感覚を 受け取ってみてください

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