メインコンテンツへスキップ
見出し画像

病院の問題点も物流目線で見てしまう癖

    科学的に考える人

    A病院とB病院

    訳あって二つの病院に通院している。
    両方ともファミリーが多く住む住宅街に程近い総合病院だ。仮にA病院とB病院としておこう。

    調べてみると、両院とも20年ほど前、ほぼ同じ時期に開院している。その当時、ボクが住んでいる地域では周辺道路が整備され、交通の便が良くなったことによって居住者が急増した。A病院は元々地元の個人病院だったが、増えた住人の規模感に合わせて建て替えを行って規模を大きくした。その5年後にB病院が新規開院している。

    この2つの病院はどちらも同じシステムを使っているようだ。
    患者が来院して診察券を受付機に差し込む。そうすると診察番号とバーコードが印字されたレシートが発行され、指定された診察窓口で呼ばれるのを待つ。順番が来るとデジタルサイネージに自分の診察番号が表示され、同時に割と大きめな音で「ピンポン」が鳴る。
    診察が終わると、患者は自分のカルテを精算受付に持参する。しばらくすると、またデジタルサイネージに診察番号が表示されるので(ここではピンポンは鳴らない)、自分が持っているレシートのバーコードを精算機にスキャンさせて精算する。現金でもクレジットカードでも精算することができて、その機械から領収証と明細が発行される。

    …だが、この2つの病院には大きな違いがある。
    B病院に比べてA病院はやたらと待ち時間が長いのだ。
    いつも次回診療の予約をしていただくのだが、診療が時間通りに始まったためしはない。

    なぜA病院は待ち時間が長くなるのか

    A病院の問題は「導線」にある。
    ボクが長年物流に携わっており、倉庫内のオペレーション改善なども手掛けることがある。なので、どうしてもそういうところに目が行ってしまうのだが…

    A病院は、エントランスを入ってすぐ左手に受付機が2台あり、受付をした人は、精算が済んで帰る人の流れを横切って右奥に進まなければならない。まずここで人流が乱れる。

    初診の人は、エントランスのすぐ右手の総合受付に立ち寄る。そして、症状などを説明したあとに、向かい側にある初診受付カウンターで問診票をもらって記入するのだ。しかし、なぜか受付する人が一人しかいないので、初診受付は長蛇の列ができている。それが再診の患者の流れを妨げており、さらに初診受付をした人は、踵を返すようにして通路を横切らないと問診票が受け取れない。(なぜかここには受付担当が3人もいて、問診票を受け取るところだけめちゃめちゃスムーズだが)ここでも人流の交差が発生している。

    初診の人も再診の人も、そこからみんな右奥を目指す。
    なぜなら、そこに診察受付があり、手渡されたファイルを提出しなければ次の指示がもらえないからだ。
    そしてA病院の最大の問題点は、その奥に抜ける導線がないことだ。
    診察を受けるには診察室に行かなければならないのだが、どの診察室に行くにも、またエントランス方向に戻らなければならない。ここ(エントランスから初診受付カウンターの間)がこの病院のボトルネックになっているのだよ。

    そこにボトルネックがあることによって、初診受付カウンターのところから奥側に人の滞留が起きている。
    そこに人が滞留すると、診察受付の向かいのスペースの椅子に座ることができない人が出てくる。空いている席を見つけられなかった(本来そこにいるべき)人は、空席を求めて院内を彷徨う。そうなると呼ばれても聞こえない(デジタルサイネージも見えない)ので、看護師は躍起になって患者を探し回ることになる。

    B病院はどうだろう

    それに比べると、B病院は導線がスムーズだ。
    エントランスを入ってまっすぐ行くと受付機があって、再診患者はそこで発行されたレシートを持って、そのまま奥に進んで診察受付をする。初診の患者は受付機の手前を左に曲がって初診受付カウンターに向かうので、きれいに導線が分けられている。

    そして初診受付が済んだ患者は、右方向に進んで診察受付で再診の患者と合流することになるのだが、診察室が受付の左右に分かれて設置されているので、ここで人の滞留が起きることはない。

    どちらの病院に行きたいか

    B病院は人流がスムーズだ。看護師がバタバタ走っている様子はないし、大声を出すこともない。当然患者を待たせる時間も短い。

    たかが「導線」だ。
    しかし、そこを見直すだけでEX(エンプロイー・エクスペリエンス)とCX(カスタマー・エクスペリエンス)が格段に向上する。
    看護師は肉体的にも精神的にもハードな仕事だ。労働環境が悪いと患者への応対が粗雑になってしまい、CXをさらに低下させてしまうことになるだろう。そうすると(医師の腕の良し悪しに関係なく)病院自体の評価も下がってしまう。

    これは物流の現場でも同じことが言える。
    皆さんの現場の導線はどうだろうか。


    ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
    最後まで読んでくださってありがとうございます。

    これまで書いた記事をサイトマップに一覧にしています。
    ぜひ、ご覧ください。

    <<科学的に考える人>>


    あなたへのおすすめ